自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

ゾンビランド:ダブルタップ

前作は米国では大ヒットしたけれど、日本では米国産ホラー映画、ましてやコメディ系だから当たらないだろうと、小規模公開だったが、意外と健闘してしまった。そして、いつの間にか米国産ホラー映画もそれなりに当たるようになってきたことから、今回はそれなりの規模で公開することにしたが、米国ではコケてしまった。ということで、日本での初週の成績はイマイチな結果に。それで2週目の上映回数は減らされたが、今度は都心部では満席状態になっていると。本当、興行ってうまくいかないな。

しかし、そんな満席状態なのに、コメディ部分ではそれなりに盛り上がっているものの、重要な要素である音楽ネタになると全然、盛り上がっていないんだよな…。

自分は音楽ネタ満載で楽しめたが。でも、自分以外の観客は誰も笑っていなかった。本当、洋楽って聞かれなくなったんだなと実感する。というか、洋楽を体験している世代の中高年の観客も笑っていなかった。日本って、音楽ファンであり映画ファンでもあるって人自体少ないのかな?

ボブ・ディランレイナード・スキナードの名曲を自作と主張するヒッピー風ミュージシャンなんて最高に笑えるし、そのヒッピーに対して「死体を追いかけていったんだろ」って台詞も笑える。もちろん、死体というのは、デッドの略称で知られるグレイトフル・デッドのこと。

それから、「偉大なフィル・コリンズの曲で〝誰かを愛するのなら自由にしてやれ〟と言っているじゃないか」という台詞も出てくるが、それはスティングの曲だし…。そして、前作に続いて登場する大物俳優が「幽霊なんて怖くない」という台詞を言うが、これって、この方の代表作の主題歌の歌詞だし…。

さらに、エルヴィス関連ネタも満載で、台詞には「ドント・ビー・クルーエル」とか「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」なんてのが出てくるし、泊まるホテルの名前は「ハウンド・ドッグ」。

こんなに音楽ネタ満載なのに、観客は無反応なんだよな。ゾンビ好きは多くても洋楽好きは少ないんだな…。そういえば、エンディングに流れる「バーニング・ラヴ」、明らかにエルヴィスの歌声じゃないよなと思ったが、ウディ・ハレルソンが歌っていたのか!

個人的には頭の方で流れるメタリカでつかみはOKだった。

そういえば、前作の時点では、エマ・ストーンジェシー・アイゼンバーグが演技派になるとは思わなかったよな…。アビゲイル・ブレスリンは既にオスカー候補になってはいたが。そして、相変わらず、エマ・ストーンは可愛い。

ところで、リーサル・ウェポン」を3部作と言っていたのは、ワザと?4作目はつまらないから認めないってこと?それとも、単なるミス?

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