自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

「ロクセット」マリー・フレデリクソンさん死去

マジですか…。
ロクセットがヒット曲をリアルタイムで連発していた頃をリアルタイムで経験している世代としてはショックだ…。

彼等が全米ヒットを連発するようになったバブル末期って、実は洋楽人気がかなり低下していた時期なので、当時の日本での知名度は低かったんだよね。よくある80年代洋楽コンピで89年あたりの曲が入っているのは全米チャートを追いかけていた人にとっては、大ヒット曲でも、一般リスナーにとっては実はほとんど知られていないんだよね。89年に日本でもっともヒットした洋楽はレイ・チャールズの「いとしのエリー」の英語カバーだから、いかに、当時、洋楽が人気なかったかが分かると思う。

そして、バブルがはじけた頃に公開された「プリティ・ウーマン」に使われた「愛のぬくもり」あたりから、日本でも知名度が上がるようになってきたのかな。

その後、米国では湾岸戦争やチャートの集計方法の変更など様々な影響でミュージック・シーンがガラリと変わり、彼等のようなポップ・ロックと呼ばれるようなタイプの音楽のアーティストはヒット曲が出にくくなってしまった。(ポップ・ロックって言葉、いつの間にか死語になってしまったな…)

でも、日本ではCDバブルで洋楽でもベストセラーが続出するようになったし、さらに、スウェーディッシュ・ポップのブームとも合流し、ロクセット人気は安泰。米国での人気が低下した90年代半ばには「スリーピング・イン・マイ・カー」なんていう洋楽派でない人でも知っている人気曲もあったくらいだった。

そして、スウェーデン出身アーティストといえば、誰もが思い出すのが、アバだが、実はアバよりロクセットの方がすごい記録を持っているということは知られていないんだよな。
アバはヒット曲はたくさんあるが、実は全米ナンバー1ヒットは「ダンシング・クイーン」の1曲しかない。
ロクセットはアバよりヒット・チャート上位常連だった期間は短いかもしれないが、全米ナンバー1ヒットを4曲も持っているんだよね。
スウェーデン出身アーティストで複数の全米ナンバー1ヒットがあるのは実は彼等だけ。ちなみに、ヨーロッパは実はビルボードではナンバー1ヒットもない。

 

というわけで、自分が好きなロクセット曲はこんな感じ※年は全米チャート基準

①消えゆく花のように(1991)
原題をきちんと訳すと「花のように消えゆく」だが…。本当に消えてしまった…。
同時期にブライアン・アダムスの「アイ・ドゥ・イット・フォー・ユー」などといった強力なヒット曲があったおかげで全米チャートでは2位止まりだったが、当時のヒット・チャートを追いかけていた人にはめちゃくちゃ好かれている曲。
1991年を舞台にした映画で今夏日本公開された「ホット・サマー・ナイツ」でも効果的に使われていた。

②愛のぬくもり(1990)
プリティ・ウーマン」でおなじみの曲。

③オールモスト・アンリアル(1993)
クソ映画としておなじみ、実写版「スーパーマリオ」の主題歌。この映画を見に行った時、映画館に傘を置いてきてしまったことは今でも覚えている。映画についてはよく覚えていないが…

④リスン・トゥ・ユア・ハート(1989)
ここまで、バラードばかり。ロクセットのパワー・バラードは絶品!

⑤ドレスド・フォー・サクセス(1989)
バラード以外では一番好きな曲。
ポップ・ロック路線では、勿論、「THE LOOK」、「あぶないお前」、「ザ・ビッグ“L”」、「HOW DO YOU DO!」なんてあたりも好き

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