自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

ディズニーになってからのエピソード・ナンバーがふられているSW映画はテンポが悪い、展開が唐突、伏線を回収しないって感じだが、今回もそうだった。まぁ、「最後のジェダイ」ほど怒りを覚えたり、あきれたりはしないが。

とりあえず、スカイウォーカー・サガ完結編ってのを意識して、過去作の人気キャラクターが続々登場するのは良かったと思うし(声だけかよ!ってのもあったし、ランド太ったな…ってのもあったが)、感動的な場面もあったが、全体としては退屈な映画かな…。前作の批判の要因の一つにはポリコレ臭が強いというのもあったが(それが批評家が絶賛する一方でSWファンが酷評する要因だと思う)、今回はそれを抑えているのは評価できるかな。元々、政治的な話なんだからSWは、ポリコレ要素を余計に盛り込む必要はないんだよね。

とりあえず、オープニングとかエンド・クレジットでないところで「メイン・タイトル」が流れると盛り上がるよね。ところで、作中に出てきた42年に1度の祭りって、シリーズ1作目から42年ってのを意識しているのかな?

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 というわけで、「スター・ウォーズ」映画全作の個人的なランキング。

※米国ではTVムービー扱いの「イウォーク・アドベンチャー」シリーズは除外。

※実写・アニメ問わず、TVや配信用の作品も除外。

※97年の旧三部作特別篇はオリジナル版と同一作品とカウント。

 

①帝国の逆襲

断トツで面白い作品。「帝国のマーチ」が初めて流れた作品でもあるし。

生まれて初めて見た映画は何か?2歳くらいの時に名画座のようなところで西部劇みたいなものを見たような記憶があるが、これは、実際の記憶なのか、それとも、親とかが話していたエピソードを記憶と思い込んでしまったのかは定かではない。そして、幼稚園の時に見たと思っていた「東映まんがまつり」もウィキペディアとかで上映内容の記憶をもとに調べてみたりすると、実は小学生低学年の時に見ていた作品だったことが判明したりしている。これはおそらく、母親が「幼稚園の役員仲間に上映中、居眠りしていたところを見られた」とよく話していたから、そう思い込んだのだろうが、その幼稚園というのは、どうやら自分の時ではなく妹の時だったのだが、母親の記憶がいい加減だったので、混同してしまったのだろうと思う。そういえば、この「東映まんがまつり」で「仮面ライダー」ものが上映され、合間でヒーローショーのようなものが行われ、敵役が「館内の子どもをさらっていくぞ」みたいに言ったのは怖かったな。「連れて行かないでくれ」って必死に思ったもんな。今じゃ、そんなイベント絶対できないよな…。

きちんと、見た時期を把握している映画の記憶だと洋画風に作った日本映画「象物語」かな。東劇で見たってことまではっきり覚えている。ただ、内容は全然覚えていないが。

そして、前置きが長くなったが、自分の映画鑑賞経験で洋画ではっきりと見たことを認識している一番古い記憶が「帝国の逆襲」だったりする。今はシネクイントになっている劇場が渋谷パレス座と呼ばれていた時代に、ここで吹き替え版の「帝国の逆襲」を見たのが、きちんと内容を把握ている最も古い洋画体験かな。オープニングのスクロール文字が日本語だったことを覚えている。そして、その文字が流れ出した時に着席した(=頭のちょこっとを見られなかった)ってことも記憶にある。そして、ベイダー卿が登場するたびに恐怖を感じたのも覚えている。子どもながらにも、「帝国のマーチ」が流れるたびに、あれが出てくるというのが理解でき、「嫌だな…出てこないで…」と感じたんだよな…。子どもにも音楽で理解させるジョン・ウィリアムズはすごいよな…。それから、終盤のルークの片腕切断シーンおよびその後の義手装着手術のシーンも怖いと感じたな。自分が義手や義足に対し、恐怖を感じるようになったのは、この場面と、子どもの頃、雷門付近でよく見かけた義手でアコーディオンを弾く傷痍軍人のせいだと思う…。片腕でドラムを叩くデフ・レパードのリック・アレンも最初は恐怖を感じたが、すぐに尊敬するアーティストになったのは彼が義手をつけていないってのもあるのかな…。

そんな関係ない話を延々としたくなるほど、「帝国の逆襲」は自分に影響を与えたってことだよな…。気付いたら、ベイダー卿はシリーズで最も好きなキャラになっているしね。

そうえいば、その後、「ジェダイの復讐」(現在の邦題は「ジェダイの帰還」になっているが)との2本立ての再上映でも見たが(この時は字幕版なのに、オープニングのスクロールは日本語だった気がする)、何故か一緒に映画館に行った同級生が途中で席を立ち、館内冒険みたいなものをしたがったんだよな…。結局、きちんと映画館で全編目を離さず見ることができたのは、97年の「特別篇」の時になったんだよな。

ジェダイの帰還

この呼び方、慣れない…。しばらくはイウォーク族が出る子どもだましみたいな不当な扱いを受け、この作品を好きと言えない雰囲気があったが、今は好きと言えるようになったよな。ジャー・ジャーとかローズとかの嫌われ者が出てきてくれたおかげで、イウォーク族の印象が薄まったってことかな。

ちなみに、これは公開初日に同級生7~8人くらいのグループで見に行った。当時の半ドン授業が終わった後、皆で上野宝塚へ見に行った。(そういえば、今回の「スカイウォーカーの夜明け」も上野の映画館での鑑賞だな…)

映画館に着いた時は微妙に本編が始まっていて、当時は、そういう場合、いったん、最後まで見た後、次の回の自分たちが見た場面に来るまで見て、それが過ぎたら帰るってパターンが多かったが、そういう見方だったな。よく考えたら、タイムリープ系とか、時間軸が複雑な映画とかだと、必ずしも、その場面が似ていても自分が見た場面とは同じとは限らないよな。昔の人は、そういうこと気にしなかったんだろうな。

そして、上野の映画館から地元まで皆で歩いて帰ったことも覚えている。電車の駅だと5駅分歩いたんだよな。

③新たなる希望

シリーズで唯一、アカデミー作品賞にノミネートされた作品で、これが評価されなければ、その後の展開もなかった重要作ではあるが、どうしても、個人的には高評価できないんだよな…。その理由は明確で、エピソード・ナンバーがふられている作品で唯一、「帝国のマーチ」が流れないからだと思う。物足りなく感じるんだよな…。

クローンの攻撃

「帝国の逆襲」とリンクする展開(アナキンの片腕切断含む)が多く、「帝国の逆襲」好きとしては評価せざるをえない作品かな。「メイン・タイトル」のバラード・バージョンともいえる愛のテーマ「アクロス・ザ・スターズ」は名曲!

シスの復讐

旧三部作と新三部作が見事につながった作品だから、そりゃ、シリーズが好きな人間なら酷評できないよねって感じかな。

ファントム・メナス

「最後のジェダイ」公開時点では、シリーズ中で一番つまらない作品はこれと言っていたが、続三部作が完結した今の視点で見ると、意外と評価できる。「運命の闘い」は名曲だしね。

⑦ローグ・ワン

SWがディズニー映画になってからの作品で唯一ともいえる名作。泣ける。

それにしても、ディズニー(特に日本の)がスピンオフと呼ばせず、スター・ウォーズ・ストーリーと呼べって言っているのはムカつくな。

ハン・ソロ

「最後のジェダイ」が酷すぎるせいで過小評価されてしまった作品かな…。

⑨クローン・ウォーズ

続三部作のどの作品よりも、このアニメーション映画の方が面白い。

⑩フォースの覚醒

最初の方は、「そう!そう!こういうの見たかった!久々のスター・ウォーズ最高!」って思えたのに、中盤以降は退屈極まりなかったし、あの人を殺してしまったのには腹も立ったな…。

⑪スカイウォーカーの夜明け

まぁ、最下位に選んだ作品ほどの怒りは感じないってレベルかな。

⑫最後のジェダイ

怒りとあきれだらけの作品。

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そういえば、恵比寿のSKY WALKって、ついスカイウォーカーって言いたくなるよな…。エスカレーターのあけられた片側を駆けのぼることの是非に関して議論が巻き起こるのは分かるが、SKY WALKに関しては手すりにつかまってじっとしている方がマナー違反な気がする…。何しろWALKって言っているんだからね…。

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