自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

「こむちゃっとカウントダウン」年間チャート

前身の番組も含めると二十数年にわたってチャートをチェックしている(聞き逃すことも多いが)「こむちゃっとカウントダウン」(通称:こむちゃーと)の年間チャートが今年も発表された。

男性声優の曲とキャラソン系が中心で、それに、女性声優のレジェンド・クラス(今回でいえば、年間1位の水樹奈々「METANOIA」)が絡むという、ここ何年かのこのチャートの傾向をそのまま反映した年間チャートだった。

つまり、腐女子に支持されるものが上位に来るってことかな。

まぁ、この番組のMCの櫻井孝宏や、その周辺の男性声優のファンがメインのリスナー層なんだろうから、そういうチャートになるのは当然といえば当然なのだが。

もっとも、この人気アニソンの傾向はこむちゃーとに限ったことではなく、オリコンのCD実売数のチャートでも同じで、結局、金を動かしているのは男のオタクではなく腐女子だというのが明らかになっている。非正規が増え、男のオタクはCDやグッズの購入に金を回せるほど余裕がないってことなんだろうな。

ただ、今回の年間チャートで1つ不思議に思ったのは、今年のアニソンで一番世間的に有名な曲と言ってもいい、LiSAの「紅蓮華」が8位と意外と低かったことかな…。腐女子のみならず、普段、アニメを見ないような層にまでアピールしたアニメ「鬼滅の刃」の主題歌なのに…。しかも、ビルボード(日本)でも長期ランクインするほどヒットした曲なのに…。

つまり、番組のコアなリスナー層には、男性声優の曲でも、キャラソンでも、レジェンド・クラスの女性声優でもないアーティストによるアニソンは興味を持たれないってことなんだろうな…。

確かに、以前に比べると、ClariSとか、EGOISTなんかの曲もこのチャートではヒットしにくくなっているしな…。

そんな中、アイドル扱いされる女性声優の曲で唯一、年間トップ10に入った内田真礼「鼓動エスカレーション」には驚いた。まぁ、同じ声優の弟、内田雄馬のファンが身内感覚で支持しているんだろうなという気はするが…。というか、姉弟で出演していたアニメ「ダイヤのA」の主題歌だしね、この曲。

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