自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

2019年十大音楽ニュース

①NGT騒動

まほほん襲撃事件(あえて事件と言わせてもらう)における運営AKSの対応には批判が集まり、AKBグループは今年、色々なものを失うことになった。

「AKB48SHOW」や「AKBINGO!」といったレギュラー番組が終了し、「選抜総選挙」や「じゃんけん大会」といった恒例行事が今年は中止となり、「AKB48 CAFE&SHOP AKIHABARA」は閉店となった。それは、どう考えても、NGT騒動における運営の対応の酷さによるイメージ悪化によるものだと思う。

その背景にはメンバーの不祥事に甘いAKBグループのファンというのもあるかもしれない。中高年ファンが多いことから、彼等から見ればメンバーは娘や姪っ子、下手すりゃ孫だからつい甘くなってしまうというのはあるのだろう。その一方でメンバーに世代が近い厄介ファンを黙認し、彼等のおかげで人気を虚飾していたというのも問題が起きた要因だと思う。

そして、この問題の結果、NGTは今年1作もシングルを出すことができなかった。まぁ、これは仕方ないとしても、本店のAKBまでシングルたった2作を出すだけで終わってしまうという事態になった。これは、本店の握手会に支店メンバーも動員することで本店シングルをミリオンセラーにするという戦略を取っていたためで、イメージの悪いNGTメンバーをおおっぴらに本店仕事に合流させられなくなったというのもあるのだろう。また、NGT騒動以外でも、さっしー・はるっぴらが卒業し、さくらたん・奈子が韓国に徴兵にとられたHKTはシングル1作しか出せなかったし、主力メンバー珠理奈の不調があったSKEもシングル1作に終わった。STUは順調にシングル2作出し、NMBは吉本の闇営業問題があったにもかかわらず、シングル3作を出せたが、グループ全体としてはかなり低調だったと思う。

この影響は坂道シリーズにも及んだ。乃木坂はシングル2作、アルバム1作のリリースに終わったが、そのシングルのうちの1曲「Sing Out!」は通常ならAKBの総選挙投票券が付いたCDがリリースされる時期の発売だったし、楽曲自体もAKBが時々やる時代遅れのフォーク調の作品だった。AKBは総選挙投票券付きシングルのうち、2016年の「翼はいらない」、2017年の「願いごとの持ち腐れ」はフォーク路線だったから、AKB用の曲がこちらに回された可能性もあるのかもしれない。また、欅坂もSKEのように主力メンバー平手の不調などでシングル1作のリリースで終わってしまっている。まぁ、欅坂から分裂した日向坂がシングル3作をリリースし活躍してはいるが。

そして、このAKS関連では、さくらたんや奈子らがレンタル移籍というか、韓国に徴兵にとられたIZ*ONEもスキャンダルが発覚し、活動休止の事態になったしな…。まぁ、日本向けシングルは3作と順調に出ていたが。

指原莉乃 HKT48卒業

自分で作詞するアイドル、プロデュースするアイドル、バラエティで活躍するアイドル、コンサートの演出をするアイドル。そんなのはいくらでもいた。でも、彼女ほどマルチに活躍したアイドルはいないと思う。やはり、彼女自身がアイドル好きだから、それがうまくいったのだと思う。そんな彼女がアイドル業をやめてしまうのは正直残念だと思う。でも、イコラブやノイミーのプロデュース業は続けてくれているので、それは楽しみではある。

ジャニー喜多川死去

確かに彼の死後、嵐がMVをYouTubeにあげるようになったり、SNSを解禁したり、ストリーミングで新曲を配信したりと今までジャニーズが消極的だったネットに手を出すようにはなった。でも、正直、SNSの発信も限定的だし、積極的とは思えない。やっぱり、メリーとかジュリーも去らないと完全に変わるのは無理だと実感した。

④相次ぐ元アイドルの裏切り行為

有安がももクロを卒業し、一般人になると発表した時点では多くの人が彼女に同情的だった。彼女がグループ内で浮いていると感じていた人も多かったし、ソロ活動の評価も高かったので、しばらく休むのもいいのではという声も多かった。

でも、すぐにSNSでの発信をはじめ、芸能活動も復帰。しかも、精神科医と結婚というありえない(これは精神科医としてやってはいけないこと)ことまで犯してしまった。

もう誰も同情できないよね。

そして、元アイドルといえば、AKBグループ卒業者で最大級の成功をおさめ、演技派女優と呼ばれた川栄李奈も裏切り行為を行った1人だろう。勿論、アイドルを辞めたのだから、恋愛や結婚は自由だ。相手が格下だろうと関係ないと思う。いわゆるデキ婚なのも今は批判する時代ではないと思う。でも、格下の相手とのデキ婚でイメージダウンは仕方ないよなとも思う。そして、その相手の恋愛スキャンダルが発覚した時に逆切れして、ファンやその相手と交際していた人まで批判してしまったのは完全にやってはならない行為だったと思う。これで一気に、彼女に対する信用は失墜してしまった。

ビルボード首位獲得最長記録更新

「オールド・タウン・ロード」(リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス)がこれまでの記録、マライア・キャリー&ボーイズⅡメン「ワン・スウィート・デイ」とルイス・フォンシ & ダディ-・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「デスパシート」の16週を超えて新記録を達成したのは高1の時から毎週、全米トップ40を書き写している人間としては外すことができない2019年の音楽ニュースだと思う。

それにしても、フィーチャリング・アーティスト、しかも、リミックスとはいえ、ビリー・レイ・サイラスが2019年に自己最大のヒットを出すとはね…。カントリー・チャートでは何曲かヒット曲があるけれど、総合(ポップ)チャート的には1992年の「エイキィ・ブレイキィ・ハート」の一発屋だからな…。マイリー・サイラスの父ちゃんとしてしか認識していない人もいるだろうな…。

⑥マリー・フレデリクソン(ロクセット)死去

80年代末から90年代前半の洋楽チャートをチェックしていた世代には重要なアーティストだった。そして、1991年に全米チャートでは惜しくも2位に終わった「消えゆく花のように」が好きな人が世界中にたくさんいるということも、彼女の訃報でよく分かった。

リック・オケイセック(ザ・カーズ)死去

MTV VMAの記念すべき第1回で最優秀ビデオに輝いた「ユー・マイト・シンク」、

ソロの「エモーション・イン・モーション」、ディズニー曲のカバー「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」、そして、ウィーザーのプロデューサー仕事など、本当に色々とお世話になった方だった。

⑧キース・フリント(ザ・プロディジー)死去

「ファイヤースターター」や「ブリーズ」は今聞いても燃える!

⑨ジェイムス・イングラム死去

アメリカ物語」(リンダ・ロンシュタット)、「あまねく愛で」(パティ・オースティン)、「ザ・シークレット・ガーデン」(クインシー・ジョーンズ)といったコラボ曲や、「ビバリーヒルズ・コップ2」サントラからの「ベター・ウェイ」、全米ナンバー1ヒットとなった「アイ・ドント・ハヴ・ザ・ハート」などでウチラ世代には親しまれたシンガーかな。

⑩BABYMETAL全米アルバム・チャート13位

3rdアルバム「METAL GALAXY」が全米チャート13位を記録し、前作の39位を大幅に上回り、ハード・ロック・チャートやロック・チャートでは1位を記録した。

しかし、この話題を日本のメディアが伝える時に「坂本九の記録を上回り日本人女性アーティスト最高位」という意味不明な紹介がされたのは謎だった。日本の大手メディア(スぺシャとか音楽専門メディアは除く)が全米3位を記録したJojiの存在を無視するのは何故なのだろうか。Jojiはベビメタが1曲も達成できていない全米シングル・チャートへのランクインも果たしているのにな…。

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