自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

ダウントン・アビー

自分は放送、配信、レンタル問わず、国産だろうと、韓流だろうと、いわゆる海外ドラマと呼ばれる米英の作品だろうとドラマを見る本数が少ない。1クールに1本くらいしか完走できない。頑張っても、30分枠の深夜ドラマ含めて2本くらいがいいところ。

拘束時間の長い仕事をしているにもかかわらず、同業者には、ドラマを何本も見ている人間が多く、よく時間があるなと不思議に思うことがある。

でも、よく考えたら、彼等って、自分がやっているスペシャとかエムオンとかの音楽専門チャンネルで新着ミュージック・ビデオをチェックするみたいなことはしていないし、自分が休みのたびにやっているような映画館通いもしていないから、そういう時間がドラマを見る時間になっているんだろうなとは思う。

なので、テレビシリーズを全く見たことがない。もしくは、職場でつきっぱなしのテレビでチラ見したことくらいしかないみたいな接し方で終わっているテレビドラマの劇場版を映画として映画館で見てしまうということが多々ある。(テレビアニメの劇場版でもこのパターン多いが…)

まぁ、ドラマまでは細かくチェックしないが、映画だと出演作はチェックしたいみたいな役者とか監督とかいるからな…。元々、映画の方に興味のウェートが傾いているんだろうな。

 

それはさておき、本作を見た感想は、やはり、日本のテレビドラマの劇場版同様、映画というよりかはテレビスペシャルだったという感じかな。

そんな内容なのに、秋頃に海外のサイトが発表したアカデミー作品賞にノミネートされる可能性を持った作品リストの中に、本作が入っていたのは、格差社会に対する揶揄とか、同性愛者差別問題とか、男女格差とか、そういうのが描かれていたからなんだろうなというのは感じられた。

それから、英国王室への批判も結構描かれていた。ヘンリー王子夫妻に対するバッシングも多く、日本でも面白おかしく報道されているが、これを見ると、もしかしたらヘンリー王子夫妻のやっていることの方が正しいのではないかと思えてくるほどだ。それくらい、王族や王族に仕える者たち、特に男性陣の考え方は古くさい。この作品の舞台となった時代でも古くさいのではないかと思えた。

テレビシリーズをまともに見たことがない自分が偉そうに言うのもなんだが、「ダウントン・アビー」というシリーズが愛されているのは、古くさい考えの人間と新しい考えの人間を出すことによって、社会の矛盾を描くみたいな、そういうところなのかなと思ってみたりもした。

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