フォードvsフェラーリ
今年初めて泣けた映画になった。
今時、こういう言い方はよろしくないのかもしれないが、これは男なら好きな映画だと思う。何しろ、TBSで日曜日の夜にやっているような仕事系ドラマを、ジャンプ漫画の三大要素で描いたような作品だからね…。
ところで、タイトルって「フォードvsフェラーリ」となっているが、どちらかといえば、フォード内の派閥争いの話のような気がする。確かにフェラーリに対する対抗意識がフォードがレースに参戦するきっかけではあるんだけれど、メイン2人の敵役はフェラーリ陣営というよりは、フォードの主流派派閥だよな…。フォード内の主流派vs非主流派、親会社vs関連会社、正規vs非正規みたいな対決がメインな気がする。
どれだけ努力や苦労をして成果をおさめても、おいしいところは主流派、親会社、正規にもっていかれ、評価されるのも、そういう連中ばかりってのも、共感ポイントが高いと思う。
それから、40代で再起を目指す2人の組み合わせってのもアツいポイントかな。まぁ、マット・デイモンやクリスチャン・ベールと同世代の我々には泣けるポイントだらけの映画かな。
そういえば、この作品には若い頃(といってもアラフォー時代だが)のリー・アイアコッカが出てくるが、自分が海外ニュースに出てくる登場人物などを把握できるようになった小学生の高学年から中学生の頃の時点ではアイアコッカってジイさんイメージだったので、若い頃の描写って新鮮だな。しかも、非主流派派閥のやりたいことは分かっているけれど、主流派にはさからえないから言うことを聞いているみたいな、典型的な企業人みたいなキャラクター描写で面白かった。
それにしても、マット・デイモンって見た目がそんなに変わらないよな…。そりゃ、流石に「グッド・ウィル・ハンティング」の頃よりは老けてはいるけれどさ。
あと、ドライバー役のクリスチャン・ベールの表情が時々、ブルース・ウェインな時がある。車に乗っている時とか。
追記
本作って、2時間33分もあるんだよな…。
でも、最近、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」とか「IT/イット THE END ❝それ❞が見えたら、終わり。」とか「アイリッシュマン」とか「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」とか、かなりの長尺ものが次から次と公開されるせいで、2時間30分台では長いと感じなくなってしまった。尿意も怖くなくなってきた…。