自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

ナイト・オブ・シャドー 魔法拳

「ナイト・オブ・シャドー 魔法拳」という邦題は詐欺!勿論、ファンタジー作品だということは認知されているが、このタイトルだったら、少なくとも「拳精」レベルのカンフー要素はあると思ってしまう。でも、実際はカンフーどころか、アクション要素すらわずかしかない。

アレだけ、ハリウッドの生身でないアクションやCG合成を嫌っていたジャッキーが、こんなにもCGだらけの映画に出るようになるとはね…。

そして、そのCGが安っぽい…。日本映画より遥かに金も時間もあるはずの中国映画でも、このレベルのCGしかできないのかと愕然とする…。でも、ハリウッド映画のクレジットを見るとCGスタッフってアジア人が多いのにね…。金や時間ではなく、指揮する人間の差なのかな?

CGといえば、CG加工で若くなったジャッキーが登場するが、そのルックスは「成龍拳」の頃に近いかなと思った。

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ゲスト出演のみ、特別上映、スタッフとしてのみ参加、ドキュメンタリーといったものを除けば、本格的な米国進出成功作品となった「ラッシュアワー」以降の日本劇場公開作品を一通り見ているが、物足りないものが多いよな…。

ところで、本作に謎のミュージカル・シーンがあるのは、この映画が子ども向けってことなのかな?そして、エンディングにはEDMとK-POPと昔ながらの中華圏映画の主題歌がミックスしたような楽曲が流れていたが、これが結構良かった。それから、女優陣、きれいな人が多い。子役ですら可愛い。

それにしても、中国を舞台にした時代ものの映画を見るたびに思う。昔の中国って、すごい国だったよなと…。阿片戦争あたりから、ダメな国になってしまったのかな。今は経済大国としては復活したかもしれないが、国自体はダメダメだしな…。

 そういえば、「パラサイト」を見た時にも気になったのだが、本作も「パラサイト」も台詞はそのまま、原語なのに、オープニングやエンディングのクレジットが英語になっているのは何故?インターナショナル・バージョンなのか?それとも、これがオリジナルなのか?つまり、最初から世界展開を意識しているのでクレジットも英語表記にしているとか?いずれにせよ、そういう配慮ができないから日本映画はいつまで経っても世界的には相手にされないんだよなとは思う。

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