自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

シグナル100

まだ、2020年は1ヵ月が終わったばかりだが、はやくも今年のワースト映画候補にめぐりあえることができた。

 

いや、ほんと酷い!

 

ご都合主義だらけのストーリー展開、矛盾だらけの設定。そんな映画はいくらでもあるが、これはさらにその上を行っている!

 

日本の学園ものはよく不自然なほど、大人が不在だというのは指摘されるが、この作品はさらに、その不自然さを極めている。

ほとんどのシーンが校内なのに、担任以外の教師が出てこない。モブキャラ的な存在すらいない。そして、夜間のシーンもあるのに警備員とかも出てこない。

さらに、子どもたちが帰ってこなければ保護者たちは騒ぐはずなのに、担任の「文化祭準備で泊まると説明しておいた」の一言で済まされている。そんなので納得するわけないだろ!

というか、日が出ているうちに既に死者が出ているのだから大騒ぎになっているはずなのに、他の教師も警備員も保護者も出てこない。警察もマスコミも騒がないっておかしいだろ!それから、遺体の処理は誰がやったんだよ?いつの間にかいなくなっているし。

しかも、この映画、出てこないのは大人だけではない、他のクラスの生徒すら出てこない。まぁ、冒頭に放課後のシーンで、下校や部活の描写があったので、そこに映っていたのは、もしかしたら、他のクラスの生徒かもしれないが、それにしても他のクラスの生徒の存在がないのは酷すぎる。

ドラマ「3年A組」も突っ込みどころ満載だったが、アレはきちんと担任以外の教師も、保護者も警察もマスコミも出てきたからな。ここまで、不自然なのは、坂道シリーズのメンバー主演の意味不明な深夜ドラマくらいだよな…。

 

そういえば、本作、口が合っていないシーンが結構あったな。現場で台詞を同時録音する予算なり技術なりがなくて、アフレコだったのかな?アフレコといえば、今は何でもアフレコと呼ぶけれど、昔は実写作品で現場で収録できなかった台詞を後で録り直すことをアフレコと呼んでいたんだよな。アニメや、海外作品の吹き替えはアテレコって呼んでいたんだけれど(言うまでもなく自分の体で演じていないキャラクターに声をあてるという意味)、今は何でもアフレコになってしまったな…。

 

本作の主演のハシカンといえば、去年の出演映画4本全てが興収10億円を突破。というか、2017年夏公開の「銀魂」以降昨年末公開の「午前0時、キスしに来てよ」まで7作連続で出演映画が興収10億円突破という大スターぶりを見せていたが、さすがに本作はコケているみたいだな。まぁ、この出来じゃ当然だよね。コケても、「セーラー服と機関銃ー卒業ー」みたいに突っ込みどころが楽しめるカルト映画になれば別だが、本作にはそんな楽しみ方もできないしね。

まぁ、利己的になった人間が優先的に殺られるというのはちょっとだけ、メッセージ性を感じたかな。

あと、タイトルにも入っている100のルールだけれど、全部出したら、説明だらけで鬱陶しいけれどさ、ちょっとしか触れないのもどうかと思うな。「ゾンビランド」シリーズを見習え!と言いたい。

ルールといえば、殺意を抱くと自殺するみたいな設定があったが、だとしたら、7人に指でさされた人間は自殺するという設定も、指をさした方も自殺しないとおかしいよね。本当、アラだらけ…。

 

ところで、本作を渋谷TOEIで見たが、コケている作品であることには違いないものの、50人以上の観客がいて驚いた。この映画館で見ると、観客が10人以下のことも多いのに…。しかも、10代、20代の観客が多かった。

 

前日に金ローでハシカン出演映画が放送されていた影響かな?世の中には、映画に接する場所が金ロー以外ないって人が多いんだろうな…。

 

ちなみに、自分は12作連続でハシカン出演映画を見ている。毎回のようにハシカンの演技、もしくは作品そのものを批判しているにもかかわらず…。まぁ、アンチはファンよりもその人の作品に詳しいとはよく言われるしね…。

 

追記

中村獅童が映画に出るの久々だったが、こんなので良かったのか?

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