自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

新型コロナウイルスと日本の芸能イベント

中国では映画館の営業が制限されている。韓国ではコンサートの中止が相次いでいる。でも、日本では企業イベントを中止したり、公開生放送を無観客にしたり、握手会の開催が延期になったりというのはあっても、映画館は通常営業だし(体調不良の人の払い戻しを認める一部シネコンはあるが)、コンサートもほとんど中止にならない。要は入場料金が発生するものは強行開催しているケースが多い。握手会はあくまでCDのオマケという建前だから有料イベントではないしね。

ぶっちゃけ、この危機感のなさは何事だ?と呆れるばかりだ。

中国や韓国の芸能界の方が日本よりしっかりしているな…。

日本の芸能界は目先の金のことしか考えていない。中止にすると払い戻ししなくてはいけないとか、そういうことしか考えていない。あるいは、いかに払い戻しせずに中止にするかしか考えていない。

f:id:takaoharada:20200224172139j:plain

まぁ、政財界・芸能界・スポーツ界がグルになり、日本は安全アピールしたいというのがあるのだろうが。そして、そういうアピールをする背景には、東京五輪パラリンピックを中止にされたくないというのがあるのだと思う。

また、ここ最近、政財界・芸能界・スポーツ界に限らず、一般の職場や家庭にも蔓延している「一度決めた予定は変更できない」症候群のようなもののせいというのもあると思う。

我が家の隣人一家の30代の父親がまさにそれだ。どんなに寒くても、酷暑でも、天候が悪くても、休みの日に家族で外食に行くと決めたら、絶対に行くからね、この人は。しかも、外食っていったって、せいぜいファミレスなんだから、雨が降っていたら中止にしても何の問題もないだろうって正直思うのに強行するからね。妻や子どものことは全く考えていない。予定通りスケジュールをこなすことが家族サービスだと思っているんだよね。

何故、そうなるのかっていうと、普段仕事が忙しいので、代替日の予定がすぐに立たないからなんだよね。これと同じことが、コンサートを中止できない日本のエンタメ界にも言えると思う。

キツキツのスケジュールと、ギリギリの時間と予算でやっているから、代替スケジュールが立てられないんだよね。中止・延期すれば、観客には払い戻ししなくてはいけないし、スタッフや演者にだって、全額ではないかもしれないが、ある程度のギャラは払わなくてはいけない。でも、ギリギリの時間と予算の自転車操業だから、実際に行われなかった公演の分の金を出す余裕なんてないってことなんだよね。

 

そんな状況でエンタメ作品を作っている国から、全米アルバム・チャートで1位を取るアーティストが出たり、アカデミー作品賞を受賞する映画が出たりするわけないでしょ!それなのに、ネトウヨ思想にかぶれた連中はいまだに、K-POP韓国映画の人気は捏造だとかほざいているからな。捏造しまくっているのは、あんたらがマンセーしている総理大臣だろ!って感じかな。

f:id:takaoharada:20200224172111j:plain