自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

チャーリーズ・エンジェル

チャリエン」のリブート版、クソ映画ではないし、ちょっとした時間潰しとしては、それなりに楽しめるんだけれど、やっぱり、勘違いしたポリコレは作品をダメにするよねっていうやつの典型的なパターンって感じかな…。

 

男を殺せば女性が喜ぶとでも思っているのかな?それは同時期公開の某ホラー映画にも言えることだが、あの映画は女性のグロい遺体も出てくるからまだバランスは取れている…。でも、本作は悪側ではない男も簡単に死んでしまう。しかも、メインキャラによって殺される。そんな映画、共感できないよ。

 

「ジョーカー」は一見、無差別殺人のように見えて、自分に直接あるいは間接的に心身に危害を加えた人間に対してのみ攻撃していたけれど、本作には、そういう配慮もない。それで、女性や非白人の味方と言われてもね…。

 

全くポリコレ意識を持たず、平気で巨乳を強調した女性キャラクターを献血ポスターに使ったり、地域振興のキャンペーンのポスターが下着のラインを強調した女子生徒キャラクターのものだったりといった、世界レベルで考えれば後進的と言わざるをえないものを平気で作っている日本はダメダメだと思うし、そういうものを批判した人たちに対して、「表現の自由の侵害だ!」とか言って、逆批判している人たちは無知極まりないと正直思う。韓国人の悪口を言うことがヘイトスピーチではなく、言論の自由であり、こうした発言を批判することは、日本人に対するヘイトスピーチだなどど主張するネトウヨとまるっきり同じ発想だと思う。

いわゆるアニメオタクや、アニメの製作者、コミックやラノベの作者にネトウヨが多いのも納得という感じかな。

 

でも、行き過ぎたポリコレもどうかと思うんだよね。「ブラックパンサー」は面白いけれど、アカデミー作品賞にノミネートされるような映画ではないよね。あれは、「黒人万歳!」と主張する映画だから作品賞にノミネートされただけでしょ。

この作品に限らず、ここ最近の米エンタメ系の賞レースは黒人とか、女性、LGBTQなどの主張が正しく、白人男性のやることは全てクソだみたいな、反トランプに結びつくメッセージの作品が過大評価される風潮があるが、正直言って、そういうのはクソだと思う。ここ何年かのクリント・イーストウッド監督作品が賞レースに無視されまくりなのは、彼が共和党支持者の白人高齢男性だからというのは明らかだしね。

「きちんと、作品の中身で評価しろ!」と言いたい。

勿論、ここ数年の、そうした反トランプに結びつけることができるような作品の中でも優れた作品はたくさんある。賞レースを賑わせた系でいえば、「ブラック・クランズマン」なんて良く出来ていたし、賞レースには無視されたけれど、「ワンダーウーマン」は面白かったと思う。

 

でも、今回鑑賞した「チャーリーズ・エンジェル」はダメダメだった。

見境なく男を殺すことが、抑圧されている女性のストレス解消なんですか?主人公たちの行動を遮ったかもしれないけれど、ただ職務に当たっただけで、自分の上司が悪人だと知らなかった警備スタッフまで殺す必要はないでしょ!しかも、彼を殺したのは主人公だよ!ありえないでしょ!

過去のTVシリーズや映画シリーズは、こんなテイストではないでしょ。

 

 なのに、この作品の米国での興行成績が振るわなかったのは、女性が活躍する映画を見たがらない保守的な男のせいだとか批判するんだから、そりゃ、いい加減にしろよ!ってなるよね。 

あと、多様性だけれど、過去の映画シリーズだって、メインの3人組の1人がアジア系だったし、主題歌は1作目がデスチャのその名も「インディペンデント・ウーマン」だし、2作目はP!NK姐さんだったんだんだから、十分、ガールズ・パワーを訴えていたと思うんだけれどな。何か、マイノリティとか女性の権利主張の仕方を間違っているよね、今回のリブート版は。

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 以下、超ネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、過去の人気シリーズの重要人物を悪役にするのってなんなの?トム・クルーズがのっとってしまった「ミッション:インポッシブル」シリーズの悪影響だな。まぁ、その役を演じた俳優を見れば、何か企んでそうな雰囲気はすぐに察知できるんだけれどね。