自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

もみの家

南沙良3本目の主演映画「もみの家」を鑑賞。

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3本とも新宿のミニシアターをメイン館にした興行だから、新宿系ミニシアター邦画のヒロインと呼んでもいいのかな。しかも、3本ともスクールカーストで言うところの底辺というか、陰キャというか、いじめられっ子というか、そういう扱いの女生徒役だしな…。まぁ、髪型とか服装とか陰キャっぽくないんだけれどね…。あと、めちゃくちゃ制服姿が可愛いんだよね…。マジで最近の若手女優で一番好みのルックスかも…。

でも、ミニシアター系邦画をちょくちょく見る人にとっては、ヒロインでも世間的にはまだ知られていないって感じだよな…。

拡大公開作品に脇役で出たり、単発だけれどヒロイン役でドラマに出たりはしているけれど、せいぜい、「ポッキーのCMの娘だよ!」と説明して、何とか理解してらもらえるレベルな気がするな…。

 ポッキーのCMといえば、この映画を見て、「あれ?宮沢りえの若い頃に似ているかも…」と思ってしまった。あの母娘役共演って、考えられたキャスティングだったんだな…。そういえば、昔、「ぼくらの七日間戦争」の公開時に舞台挨拶を見に行ったな…。ああいう顔した若い娘が好きなのか?

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とりあえず、本作の感想は悪くないけれど、毒にも薬にもならないなって感じかな…。

都会の引きこもり女子高生が、田舎の施設で共同生活し、立ち直るという話だが、この手の話によくある、施設の運営者や仲間たちとの対立みたいなものも特にはなく高校生活に復帰してしまうのは物足りないよな。施設の仲間で最初に自分を理解してくれた先輩の卒業とか、田舎で最初に自分が心を開くことができた近隣住民の高齢女性の死とかはあったけれど、大きな葛藤を迎えるまでもなく復帰しちゃったからな…。その辺は物足りなかったかな…。

 

まぁ、ご当地もの映画。つまり、一種のVPだから、あまりネガティブなことは表現できないってことかな…。あと、この映画がこの時期にひっそりと予定通り一般公開されるハメになったのは、ご当地の富山では新型コロナウイルスに伴う自粛騒動が出る前に先行公開されているからってのもあるんだろうな…。毎月1日のサービスデー、しかも本来はレディースデーもある水曜日なのにガラガラだったからな…。

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 それにしても、緒形直人が老けて見えない作品って久しぶりだな…。