芸能人と政治発言その2
政権批判よりも政権ヨイショの方が多数なんだから、日本の芸能界って中国と大して変わらないよなと思ったりもする。
でも、反トランプの姿勢を見せないと酷評される最近の米国のエンタメ・スポーツ界もどうかとは思うかな…。
クリント・イーストウッド監督は毎年のように傑作を発表している。
しかし、トランプ大統領が誕生した2016年11月の大統領選挙以降に行われたアカデミー賞では、ことごとく、無視状態となっている。
「それって、どうなのよ?」って思う。
この期間の対象作品としては、「ハドソン川の奇跡」、「15時17分、パリ行き」、「運び屋」、「リチャード・ジュエル」の4本がある。いずれも実話を映画化したもの(「運び屋」は創作の部分が大きいが)だが、個人的にはどの作品も作品賞ノミネートに値すると思う。
この4本でかろうじて、注目される部門にノミネートされたのは、キャシー・ベイツが助演女優賞候補となった「リチャード・ジュエル」だけ。
作品・監督・脚本・主演男優・主演女優といった主要部門には1つもノミネートされていない。
イーストウッド監督作品が最後に主要部門にノミネートされたのは、オバマ政権時代の2014年度作品「アメリカン・スナイパー」で、この時は作品賞にもノミネートされた。
「アメリカン・スナイパー」も、それ以降の4本も実話をもとにした映画なのに、評価がこうも違うというのは、イーストウッドが共和党支持者だからという色眼鏡で判断しているからに他ならないと思う。
というか、「アメリカン・スナイパー」もそれ以降の4作品も、作中におけるメッセージは変わらない。どちらかといえば、反権力というか、左翼的だ。
イーストウッド自身は根っからの共和党支持者だが、何故か、この人の映画は左翼的なんだよね。
なのに、賞レースで無視状態になっているというのは、完全に作品ではなく人で判断しているってことだからね。
そして、この米国の動きに合わせるかのように、日本の映画批評の世界でも、イーストウッド監督作品を評価するとネトウヨ的思想と思われてしまうという風潮があるように思う。
かつては、「過大評価では?」と言いたくなるくらい、イーストウッド作品はキネ旬ベスト・テンの首位争いをしていたが、最近はそうではないからね。
いい加減、作品は作品。人は人で判断しようよとは思うな。