自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

「天気の子」と現実世界

ブルーレイを購入したので「天気の子」を見直した。普段はDVD/ブルーレイを買っても、一度劇場で見ている作品は、もう一度見たいところを見るだけ、劇場公開時によく分からなかった場面やマナーの悪い観客に快適な環境での鑑賞を邪魔された箇所のみを見直すだけ。あるいは特典映像だけ見るみたいなことが多いのだが、珍しく本編を全編通して見てしまった。

 

異常な環境が日常になってしまった世界の中で、それまでの日常を可能な限り維持しながらも、新たな生活様式で過ごすというのは、多くの人が指摘するように、アフター・オア・ウィズ・コロナの世界を想起させる。

また、雨の日が延々と続く異常気象というのも、去年の劇場公開時に現実とのリンクを指摘されていた。

そして、今回見直して気付いたが、去年の秋の台風で都内も大雨に襲われたが、それを思い起こさせる描写もあったんだな…。

気象庁の予報よりも遥かに的中率が高くて驚いている。

 

でも、この作品の「お盆」の描写は納得いかないな。神宮花火の時期に老婆が迎え火をしている。つまり、8月だよね。

この老婆が下町の一軒家在住ということや、東京の歴史に詳しいことなどから見ると、下町ネイティブだと思われる。なのに、8月に「お盆」をやるのはおかしいよね。

 

ところで、この作品にも「君の名は。」同様に主題歌を英語版に差し替えたバージョンがあったのか。まぁ、「君の名は。」は全曲英語バージョンだったのに対して、今回は「愛にできることはまだあるかい」のみの差し替えだけれど…。思わず、そのバージョンで見てしまった…。

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