自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

デフ・レパード「ヒステリア・アット・ジ・O2」

デフ・レパードの新しいライブ盤(DVDとCDのコンボ商品)を購入。早速、映像の方を鑑賞した。ボックスとか日本盤で出ていないベスト盤とかまでは手を出さないが、なんだかんだ言って一番好きはバンドってデフレパかもしれないな…。スタジオ・アルバムは全部持っているし…。結局、10代の頃に好きになったものはずっと好きってことなのかな…。

 

ということで、今回リリースされた「ヒステリア・アット・ジ・O2」について感想を…。1987年にリリースされたHR/HM史に残る名盤にして超モンスター・アルバム『ヒステリア』の全曲演奏ライブを収録したものとなっているが、同様のコンセプトのライブ映像は過去にリリース済みなので、そんなに目新しさはない。

しかも、その時は、ラスベガスでのレジデンシー公演という企画性の強いライブだったが、今回は地元英国で演奏したというだけだから、正直、演出面では面白味に欠ける部分はある。

また、全曲演奏以外にも彼等は様々なライブ作品を出していて、過去にリリースされた作品にはラウンド・ステージのものもあったりしたが、今回はそういうビジュアル面で特別に楽しめるというものでもない。

さらに言えば、ジョー・エリオットの歌唱力も年々、微妙になっているように思う。つまり、ライブ・ビデオ、ライブ・アルバムとしては、そんなに売りがあるわけではない。にもかかわらず、一気に見ることができてしまうんだよな…。

 

それはやっぱり、『ヒステリア』に収録された楽曲の魅力そのものなんだろうなと思う。シングル・カットされた7曲以外の曲は、デフレパ基準というか、『ヒステリア』基準で見れば(聞けば)、地味かもしれないが、普通のロック・バンドなら、シングルになってもおかしくない商業性十分な出来だからね…。

ちなみに、『ヒステリア』収録曲で自分が一番好きなのは名曲中の名曲であるタイトル・トラックの「ヒステリア」。次が「アニマル」かな。

 

そういえば、『ヒステリア』がリリースされた当初って、ラジオで「ウィメン」とか流れると、ボリューム下げたりして聞くのを避けようとしていたんだよな…。

理由は片手のドラマーというのが怖かったから…。障害者差別と言われれば、否定できないが、当時は本当に怖かったんだよね…。

何故、障害者のミュージシャンを怖いと思ったかというと、自分が小学生の頃までかな?はっきりといつまでとは覚えていないけれど、雷門付近で傷痍軍人アコーディオンを弾いて物乞い(今は不適切な言い方かな…)をしていたんだよね。その姿が怖かったんだよね…。

だから、事故で片腕を失ったリック・アレンがドラムを叩く姿を見ると、それを思い浮かべて仕方なかったんだよね…。

でも、「ウィメン」に続いて、日米でシングル・カットされた「アニマル」をテレビやラジオで見聞きするうちに、つまり、その楽曲にひかれるうちに、そうした偏見もなくなってしまった。そして、「アニマル」に続いて、日米でカットされた「ヒステリア」は7インチのアナログ盤シングルを買うほどになり、気付けば、デフレパのファンになり、リック・アレンを尊敬するようになっていたんだよね。

 

ところで、フィル・コリンって、ステージではいつも上半身裸だよね…。そして、ステージで見る限りでは80年代からイメージが全然変わっていない。

でも、最近見た動画では印象が異なっていた。彼がリモートでギター講習をしている映像を見たんだけれど、服を着ている上にヒゲをはやしたままで、しかも、ヒゲが白かったので、見た目が完全に初老のオッサンになっていたのには驚いたな…。

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