自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

新喜劇王

「新喜劇王」を鑑賞。緊急事態宣言解除後初めて劇場で見た新作映画になった。まぁ、一部地域では緊急事態宣言が全国に拡大される前に上映されていたので純粋な解除後公開の新作ではないのかも知れないが、都民にとっては一応新作ということで…。
まぁ、劇場のキャパがフルに稼動できない現状で、超話題作クラスの公開はまだ先だから、本来なら武蔵野館でひっそりと上映されて終わりになるはずだった本作がTOHOシネマズなどシネコンでも見られるようになったというのはあるのかな。
映画ファンなら、そりゃ名作映画をスクリーンでもう一度見られるのも嬉しいけれど、何よりも楽しみなのは新作映画を見ることだからね。劇場側もかけられる新作映画があるなら、それに飛びつくのは当然のことではあるしね。

そして、これを緊急事態宣言解除後初めて見る新作映画に選んで本当に良かったと思った。実に映画に対する愛を感じる作品だった。
いかに、映画館に行くことができなかったこの2ヵ月間ほどが我々、映画ファンにとって異常な世の中だったかを改めて痛感した。
まぁ、この映画は「雨に唄えば」とか、「アーティスト」とか、「ラ・ラ・ランド」とかそういう作品につながる系統の映画なのかな。勿論、チャウ・シンチー監督の過去作にも。

まぁ、エキストラをしている売れない女優はウザすぎて、正直なところ共感できないのだが、でも、感動したし、笑えた!
それから、友人や彼氏のその後の行動も予想通りのベタベタな展開だし、オチも読み通りなんだけれど、映画っていうのはこういうのでいいんだよって感じかな。

‪それにしても、中国って、エキストラにもきちんとギャラが出るんだな。下手すると、交通費すら出ないし、ボールペン1本でももらえればマシみたいな扱いの日本の映画・ドラマ業界より遥かにホワイトで人権を守ってくれているよね。日本の映画やドラマに問題点が多いのは金と時間のせいというのがよくわかるな…‬。ただ、現場の食事がいわゆるロケ弁なのは日本と変わらないなと思った。

ところで、チャウ・シンチー監督って、美人をブサイクに描く天才だよね。あの独特のセンスには感心する。

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≪追記≫

普段なら開場前にそれなりの人数の人が並んでいるのに、今日は誰もいなかった。

やっぱり、映画館へ行くのは恐ろしい行動扱いされているんだなというのを実感…。

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