自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

映画ドラえもん のび太の新恐竜

新しいドラ映画、キムタクにつられて見てしまったが、キムタクはサルになってもキムタクだった。
というか、ゲスト声優がキムタクで、主題歌がミスチルって、完全に40〜50代のオッさん・オバはんホイホイ映画でしょ!
自分は洋楽ロック好きに多いミスチル嫌いなので、ミスチルには興味ないが、キムタクにはつられてしまった…。

洋楽ロック好きにはスピッツは好きだけれど、ミスチルは嫌いって人、結構いるんだよね…。邦楽を中心に聞く人や、洋楽を聞くけれどロックに対するこだわりはないみたいな人には理解されないかもしれないけれどね。
要はパクった元ネタに対するリスペクトがあるかないかってところかな。
正確に言うと、アーティスト側は元ネタに対するリスペクトはあると思うんだけれど、ファン側がパクリやオマージュを認めず、ミスチルは最高のバンドだと言っているのが許せないって感じかな。
それは、同じ国民的アーティストと言われるB’zやドリカムにも言えることかな。サザンはアーティスト側もファンもパクリを認め、元ネタをリスペクトしているから許せるんだけれどね。

そして、このミスチルによる主題歌、映画館の大音量で聞いて笑ってしまった。コールドプレイの代表曲「美しき生命」のパクリじゃん…。

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それから、オッさん・オバはんホイホイといえば、明らかに「アルプスの少女ハイジ」の“クララが立った”を意識した場面があったように思える。あと、川村元気脚本作品ということでいうと、彼が関わった「君の名は。」にも登場した隕石ネタも出てきた。「ディープ・インパクト」という隕石衝突映画のタイトルと同じキーワードも出てくる。さらに、東宝でテレビアニメ化された「一週間フレンズ」の決まり文句みたいのも出てきた。「エヴァ」っぽいところもある。何かどこかで見たような聞いたようなものを寄せ集めた作品って感じだった。

そもそも、今回のタイトル「のび太の新恐竜」もドラ映画1作目「のび太の恐竜」みたいだしね。「のび太の恐竜」のリメイクでも続編でもないから(リメイク版は過去に作られているし)、「新のび太の恐竜」ではない。のび太が新しいタイプの恐竜を発見するから、「のび太の新恐竜」なんだというのは見れば分かるけれど、何か“新”の位置が変なんだよな。“新銀行東京”みたいな不自然さというか…。

それにしても、ドラえもんって映画になると、テレビ版より遥かに作画のクオリティが上がるよね。クレしん映画は大してテレビ版と差がないのに…。
あと、野比家って23区内だと思っていたけれど、最近のドラ映画では山が見えるんだよね。設定が変わったのかな?

まぁ、ベタな作りで感動できるが、本作に限らず、ドラえもんって、いじめ容認とか児童ポルノ容認と呼ばれる要素がいまだに削除されていないのって謎だよな…。クレしんはだいぶマイルドになったのに…。

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ところで、本作を上映していたシネコンだが、「ドラ」を含めて、「コンフィデンスマン」、「今日から俺は」と混雑しているのは東宝作品ばかりだな…。正確にいうと、東宝が配給したテレビ作品の劇場版ばかり…。ハリウッド大作系が新作公開に二の足を踏んでいるから、今年は例年以上に東宝の寡占状態となりそう…。
というか、こんなに映画館に人が集まって大丈夫なのか?いくら換気が良いとはいえ…。このラインアップを見て分かる通り、シネコンにやって来るのは家族連れや若者ばかりだし、コロナの感染者数、さらに増えそうだな…。“コロナは風邪だ”とかホザいて駅前や電車内で騒いでいるアホな集団もいるし、心配だ…。


東宝って、金になればなんでもいいやって主義なんだろうな。映画館でクラスター化されると自分たちの責任にされるから責任逃れのために「ムーラン」の欧米での公開を見送り、配信に変更すると言っておきながら配信サービスの定額料金にプラスして別料金までボッタくるディズニーもクソだが、客が感染しようとしまいと関係ない。自分たちのところに金が入ればいいという東宝もクソだな。つまり、国内市場で洋画最大手のディズニーも邦画最大手の東宝も本当、上から目線の企業だよねって感じかな。