自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

これっきりサマー

コロナ禍になり、街を歩く人のほとんどがマスクをしている。東アジアだけでなく、欧米やアフリカの人までマスクをしている。

でも、こんな状況の中製作されている映画やドラマでは相変わらず、登場人物たちはマスクをしていない作品がほとんどだ。

過去や異世界を舞台にした作品とか、コロナ禍になる前に撮影された作品なら別だが、コロナ禍になってから撮影されたものでなおかつ、現在が舞台の作品ではそんなのは不自然の極みでしかない。

 

かといって、リアルを追求して俳優がずっとマスクをしていたのでは俳優の顔がきちんと認識されないから、顔を売りたい俳優にとっても、その顔をずっと見ていたいファンにとってもマイナスでしかない。だから、コロナ禍のリアルな描写を追求した作品はリモートによる会話ものばかりになってしまっている。「8日で死んだ怪獣の12日の物語」のような佳作もあるにはあるが、正直、画的にもショボいものが多い。

 

そんな中、作られた本作は登場人物がマスクをして、なおかつ、ロケ撮影も行っているという、リアルを追求した作品となっている。まだ誰もが知る存在ではない若手俳優だから成立した企画なのかな。しかも、関西地区では1話数分のエピソードを5日連続という形で、関東などではそれを10分にまとめたミニドラマとして放送という形だから、やっぱり、リモートもの同様、実験的作品なんだよな…。

 

まぁ、今はコロナ禍になる前に撮影された作品や企画された作品だということを見る方も頭の中で整理しているから、俳優がマスクしていなくても不自然には感じないけれど、この後、何年もマスクをかけて生活する日々が続くようになると、映画やドラマでも俳優がマスクをしていないと不自然に感じるようになるんだろうな…。

 

それにしても、南沙良ってすっかり、音楽好き少女役のイメージが定着したよな…。今回も夏フェス大好きギター少女の役だからな…。「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」とか、「無限ファンデーション」といったミニシアター系公開の音楽映画で注目されたからかな?これ以外にも、CMでガールズ・バンドをやっているし、単発ドラマ「ココア」ではストリート・ミュージシャンと触れ合う女子生徒を演じたし、MVにも何本も出ているし、宮沢りえと共演のポッキーのCMシリーズはB'zのMVみたいなもんだしな…。

 

ところで、本作の誰もいない球場に実況がかぶるシーンは逆「アルプススタンドのはしの方」みたいだったな。

あと、南沙良と「E.T.ごっこしたい!

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