自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

マイルス・デイヴィス クールの誕生

音楽ドキュメンタリー「マイルス・デイヴィス クールの誕生」を鑑賞。
サブタイトルが「クールの誕生」だから、キャリア初期の頃のエピソードが中心なのかなと思ったが、マイルスの誕生から死までを網羅した内容だった。知らなかった話も盛り込まれていて、かなり興味深かった。あと、インタビュー取材にこたえている面子が超絶豪華すぎる!とりあえず、ハービー・ハンコッククインシー・ジョーンズはお元気そうだった。f:id:takaoharada:20200905194652j:plain既にネトフリでは公開済みということもあって、上映回数が少なかったので、慌てて見たが、見て良かった。アカデミー作品賞にノミネートされた「ROMA」やアニメーション映画の「生きのびるために」は配信済みでもきちんと、フルタイムで上映されたんだから、音楽ドキュメンタリーしかも、ジャズでは客を呼べないって判断なんだろうな…。自分と同年代か年下と思われる客も数人しかいなかったしな…。

でも、ジャズ好きなら、見て損することはないと思う。
「ソー・ホワット」の冒頭部分の誕生時のエピソードを参加メンバーが語るシーンとか、泣けて仕方なかった!いわゆる感動モノじゃないけれど、音楽マニアとしては、あの名曲の誕生秘話とか聞かされたら泣かずにはいられないよね…。
80年代の楽曲でも、ツツ司教にインスパイアされた「TUTU」が使われるのはサントラを購入していたので知っていたけれど、まさか、「タイム・アフター・タイム」(シンディ・ローパーのカバー)も使われているとは思わなかった!生涯のほぼ全てを網羅しているから、使われる音源もかなり幅広くなっているので、どの時代のマイルスが好きな人でも楽しめるとは思う。

それにしても、マイルスのコメント、あれ、ワイドショー的な言い方をすれば、ボイスオーバーだったのか!本人の声にしか聞こえないぞ、アレ!そして、インタビューにこたえていた色んな人たちがマイルスの話し方を真似していたのも面白かった。

ちなみに、自分がマイルスを認識したのは中高生の頃かな。FM fanを読んでいたから、それ経由で知ったのかな?それから、動いているマイルスを初めてきちんと認識したのはピーター・バラカンの番組だったような気がする。

初めてマイルスのアルバムを買ったのは20歳の頃で、死後リリースされたヒップホップ作品『ドゥー・バップ』だった。
その後、「枯葉」目当てで、キヤノンボール・アダレイ名義の『サムシン・エルス』や、シンディ・ローパーのカバー「タイム・アフター・タイム」やマイケル・ジャクソンのカバー「ヒューマン・ネイチャー」収録の『ユア・アンダー・アレスト』を紙ジャケ化をきっかけに購入。
そして、20代の終わり頃になると、次から次へとマイルスの名盤が国内盤・輸入盤問わず廉価版として再発されるようになったので、『カインド・オブ・ブルー』をはじめとする作品を次々と購入するようになったのかな。
それと同時に、ベスト盤や未発表音源集もちょくちょく出ていたので、それらも買うようになり、気づいたら、自分が最もCDを購入しているジャズ・アーティストになっていたんだよな…。それでも、マイルスがリリースしたとされるアルバムの6分の1程度持っているかどうかなんだからな…。

熱心なジャズ愛好家には素人扱いされるかもしれないが、自分の好きなマイルス音源はこんな感じ…
①枯葉
タイム・アフター・タイム
③ヒューマン・ネイチャー
④ソー・ホワット
⑤ドゥー・バップ

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