自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

思い、思われ、ふり、ふられ

実写版は、いわゆるキラキラ映画とシネフィルや評論家から揶揄されるジャンルの中にあっては稀有な傑作だったし、その実写版メインキャストがゲスト声優として参加しているということでアニメ版も見ることにした。

しかし、実写版とは全然、雰囲気が違う作品だった…。
実写版では省略されていた部分(由奈と朱里が出会う前の話など)が描かれている一方で、実写版ではハッキリと描写されていた朱里の母親と継父の喧嘩の理由がこちらでは全く描かれていない。

そういう展開になったのは、実写版では朱里が主人公だったが、このアニメ版では由奈が主人公だったということにあるのではないかと思った。
というか、wikiで調べてみたら、原作も序列は由奈がトップだったんだな…。
つまり、このアニメ版が正しい形なのか…。

というか(また、この言葉を使ってしまった…)、実写版は由奈役の福本莉子を主演にするより、浜辺美波をメインにした方がセールスポイントになるから、朱里のルックスそのものの浜辺美波を主演にしたと推測できそうだな。本当、このアニメ版の朱里は浜辺美波が動いているようにしか見えなかった!

でも、普通に考えたら地味な由奈よりも、恋仲になりかけていた相手が母親の再婚により弟になってしまった朱里の方がストーリーを展開しやすいと思うんだけれどな…。
少女漫画の世界では、ドラマチックな人物の話より、地味な娘がイケメンをゲットする話の方が受けるってことなのかな…。

実写版を見た時は、“これは今年の邦画トップ5に入るかも!”と思ったが、このアニメ版とセットで考えると、そこまでの評価はできないような気もしてきたな…。
でも、アニメ版の由奈、めちゃくちゃ可愛いな!これはこれでいいか!

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