自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

「かのかり」に影響されて試してみたが、超後悔…

 

来週、最終回を迎える深夜アニメ「彼女、お借りします」、通称「かのかり」はヒロイン陣が可愛いというのもあるが、雨宮天東山奈央などお気に入りの声優が出演しているし、the peggiesによるオープニング曲、halcaによるエンディング曲、いずれもが良曲だし、さらには、レンタル彼女(レンカノ)という世界を描いた本作が自分が興味を持っている風俗の世界と相通じるものがあるしと、色々と見たいと思う理由だらけだったので結構ハマって見てしまっている…。

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そして、その「かのかり」に影響されてレンカノもどきのサービスを利用してしまった。正確に言うと、時々利用している風俗店のデートコースというのを利用した。結論を先に言うと、利用しなければ良かったと思った。後悔している。やっぱり、レンカノって風俗やキャバクラ以上に不毛だよ…。当日の朝は“何しよう?”ってのが気になって予定より早く起きてしまうほど楽しみにしていたのに…。

今回、レンタル彼女的扱いとなるデートコースで指名したのは、この風俗店でもっとも指名した回数の多い嬢。何度も指名するということは、ルックスのみならず、性格やら何やら込みで相性が良いと思っているからだし、彼女の趣味は自分とも共通であるから、デートしても会話に困ることはないと判断したため。そして、「かのかり」の主人公ではないが、彼女と深い関係になりたいと考えるほど波長は合っていると思っていた。

でも、いざデートコースを経験してみると、イマイチなんだよね。まぁ、デートをはじめる前から嫌な予感は漂ってはいたけれどね。
木曜日にネット予約した時は、“19日(土)13時からの予約が取れました。前日に確認の電話をください”ってメールが来ていたんだけれど、前日に電話すると“予約時間は13時半”って言われたんだよね。さらに、当日、待ち合わせ場所で彼女と目があった時に、最初、彼女は気づいてくれなかったんだよね。気づいてくれないから、もしかしたら、似ている違う人なのかなと思い、声をかけるのをためらってしまったほどだったしね。要は相性が良いように思えていただけで、彼女は自分の顔とかをハッキリ覚えていなかったってことなんだよね。普段の風俗利用の時は、ラブホ街での待ち合わせだから、すぐに認識できるけれど、繁華街で会ったら、こっちの顔が分からないってことでしょ。これはショックだったな…。

そして、デートがスタートしてからも何か納得いかない展開だらけなんだよね…。普段の風俗利用の時には、あちらから手を握ってくるのに、今回はしてこない。要はラブホ街では、どう見られてもいいけれど、繁華街では彼氏どころか、セフレや援交相手にすら見られたくないってことだもんな…。

それから、別にデート設定なんだから彼女の行きたい所へ行くのはいいし、全てには応えはしなくても、ある程度、こちらがおごるのも、まぁ、デートだしねとは思うから、問題はないんだけれど、結局、持ち時間が自分の思うように使えないんだよね。
持ち時間で余った時間は通常の風俗として利用した時のように、ラブホとかに行ってもいいということにはなっていたけれど、結局、女性って食事も買い物も男より時間がかかるから、ほとんど、その2つの行為をしただけで持ち時間が費やされ、それが終わったらたったの15分しか残っていなかったんだよね。

通常のレンカノだったら、キスしたくてもできないってモヤモヤが残るが、今回は相手が風俗嬢だからキスどころか、裸を見ることだってできたはずなのに、それができなかった。そして、そのことに対して悪びれている様子もなく、“今日は楽しかったね”で終わってしまった。だったら、通常の風俗利用をすれば良かったと思った。

ついでに、今まで彼女のことを“風俗やマッサージ系の店で出会った嬢で最も自分と感性が合う人”と思っていた幻想も一気に崩れ去ってしまった。
彼女をモデルに全13章くらいの小説を書こうと思ったほど、彼女のことを気に入っていたが、その小説を書く気も失せてしまった…。

とりあえず、「かのかり」の中ですら主人公は虚しさを感じでいたけれど、現実のレンカノは「かのかり」の世界よりもさらに無意味なものだということを知ることができた。
まぁ、かなり高い授業料を払ったってことかな…。

ちなみに、これが書こうと思っていた小説の冒頭部分の下書きである。

「アイドル」

DAY 1 令和元年6月19日 水曜日

令和という新しいエラになって50日目。これまでのところ、自分には何も新しいことは起きていない。何か新しいことに挑戦しなくてはとの焦燥感もあった。しかし、ここ何日か暑い日が続いていたので、何かしようという気もなかなか起きない。でも、何かしなくてはとの思いは募る。なので、新しい出会いを求めることにした。とはいっても、そう簡単に新しい出会いなんてあるわけがない。そして、自分は今、夜勤明けの身も心もボロボロな状態だ。

手っ取り早く新しい出会いを求めることができて、暑さを紛らわすこともできる。しかも、夜勤明けの人間でも楽しめるもの。そんなものは一つしか思い浮かばなかった。風俗に行くことだ。だから、何度か利用したことがあるデリヘルに多少の罪悪感を抱きながらも迷わずに電話をかけた。そして、フリーで90分コースに入ることにした。

デリヘル店員の指示に従い、いつものように鶯谷駅前で自分は待っていた。どうせ、予定時刻より遅れてくるんでしょ?などと思いながら。と同時に、デリヘルのホームページや風俗情報サイトの即ヒメ情報などを見ながら、どの娘がやって来るのだろうかなどと予想を立てていた。時間潰しができることを考えなくては暑さでやられてしまいそうだし、そもそも気が短い下町気質だから、ただ待つのはストレスでしかない。だから、フリーで入った時は待ち時間に誰が来るかを予想するのを楽しみにするしかなかった。

そして、予定時刻から10分ほど経った頃、彼女は現れた。

「はじめまして」

彼女はどストライクで自分の好みのタイプだった。すぐに風俗嬢やマッサージ嬢を好きになってしまう自分でも、この娘は特別だと感じた。そして、この娘が店のホームページに出ていた『処女』を売りにしている新人の〇〇だとすぐに分かった。早くこの娘とキスをしたいと高鳴る気持ちを抑えながら、彼女と挨拶した。

「どうも」

いい歳になって、ドキドキしている。というか、こういう店を利用するのは初めてではないのに、このトキメキはなんなんだと思ったりもした。そして、彼女と手をつなぎながら、ラブホへと向かった。この間、自分はしきりに彼女が可愛いことと自分の好みであることを言い続けた。勿論、下心だ。