自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

蒲田前奏曲

ひよっこ」の米屋の娘役でブレイクした伊藤沙莉と、「スカーレット」の可愛い百合子役でおなじみの福田麻由子が共演となれば見ずにはいられないということで鑑賞した。しかも、子役時代から活躍する2人が子役時代以来、久々の共演。これは大注目作でしょ!と思ったが、都内2館の公開でしかも、1館は1日1回のみの上映。もう1館は舞台となった蒲田にもっとも近い映画館であるキネカ大森での上映なのに、1日2回だけ。

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コロナの影響で公開延期になった作品と、元々、この時期に公開予定だった作品、どちらも消化しなくてはならない。一日もはやくリクープしたい。しかも、今はハリウッド系が新作の供給に消極的だから邦画にとっては、劇場にかけるチャンスとはいえ、次から次へと劇場公開されるものの、ほとんどが上映回数の少ないものばかりで、映画ファンはとてもではないが、追いきれない状況となっている。製作・配給側はとりあえず、当初の予定より少なくても金になればなんでもいいやって感じなんだろうけれど、何か、作品にとっては不幸のような気がするな…。

と思ったが、本作に関しては、そういう公開の仕方になるのも納得。チラシとかポスターとかネット記事とか見ていると、伊藤沙莉主演作のように見えるけれど、本作って、実はオムニバス映画で、彼女はそのうちの1エピソードしか出ていないんだよね。しかも、そのエピソード内ですら主演ではない。

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4エピソード中、3エピソードは本作のプロデューサーも兼ねている松林うらら演じる売れない女優が主人公なんだよね。残りの1エピソードは名前のみの登場で、彼女の従姉妹の子役におべっかを使う映画監督が主人公だけれど。
そして、おそらくはMe Too運動とかが本作に影響を与えていると思うんだけれど、何か、女性の権利を主張する独身女性役の伊藤沙莉とか、セクハラを訴える女優役の黒川瑞季とかが、めちゃくちゃ嫌な奴に見えるんだよね。何か男から見た典型的な「フェミ主張するヒステリックなおばさん」って感じ…。

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まぁ、売れない俳優がゼミナールのようなところに金を払って、自己を研鑽したような気分になっていることを揶揄したような描写や、インディーズ系のプロデューサーにはロクな奴がいないみたいな台詞があったのは面白かったけれどね。

インディーズ映画って、セクハラ・パワハラ三昧だし、売れない俳優が自らの金や体を製作者に貢いでいるのは事実なんだろうね。本作を見た映画館にもスタッフ・キャストの知り合いと思われるような人が身銭を切って鑑賞しに来ていたようだし。(会話の内容からスタッフ・キャストの知り合いと判断)

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それにしても、舞台挨拶付きの上映を見たの久しぶりだ。このご時世で、中継ではなく観客を前にリアルにやるってのは、やっぱり、日本映画製作者の傲慢さを感じるな。しかも、舞台挨拶中に監督が“しゃべりにくい”とか言って、マスクをはずしやがったからね!「ふざけんな!」って思ったね。そして、男優まで一緒にはずそうとした。観客がコロナに感染したら、こいつらのせいだぞ!さすがに、その後は関係者に注意されて、マスクしたけれどね。日本映画の製作者って、本当、自分勝手だと思う。作中で、国が文化に支援しないと批判していたけれど、こんな自分勝手な連中には支援する必要なんてないって思ったね。

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≪追記≫
福田麻由子、やっぱり可愛いな!台詞回しも関西弁でない百合子って感じだった。27歳になるまで彼氏なしの処女だったという設定も萌えだな…。
そして、同じ8月4日生まれなので応援したくなる!