自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

彼女が成仏できない理由 (ネタバレ含む)

今まで、ももクロは緑がいた時は緑推しで、2推しが赤だった。緑がいなくなってからは、一応、赤推しということになっている。余談だが、ももクロを抜けてからの緑の言動は許しがたいものが多く、現在、彼女が行っているソロ活動を応援しようとは全く思わない。ももクロを抜ける前にやっていたソロ活動は好きだったけれどね。

で、何故、そんなももクロの推しメンについて語り出したかというと、この深夜ドラマ「彼女が成仏できない理由」を見て、今までそんなに興味がなかったはずの、れにが可愛いくて仕方ないと感じるようになってしまったからなんだよね…。

あんなに、グレーのパーカーを可愛く着こなせる人はいないと思う。

そして、時々、グレーのパーカー以外の姿もコスプレ状態で出てくるが、これがどれも可愛い!そりゃ、推しになってしまいますよ…。

 

それはさておき、作品自体について語っておきたい。

まずは、れに演じる“幽霊”の正体だが、予想通り、“幽霊”ではなかった。まぁ、コールドスリープ中だとは思わなかったし、謎の人物が彼女の父親だとも思わなかったけれどね。でも、人間と非人間の恋愛感情を描いた作品、たとえば、「マネキン」とか「ボクの彼女は地球人」とか「シザーハンズ」とか「美女と野獣」とか、それこそ、幽霊絡みでいえば、「ゴースト/ニューヨークの幻」とかあるが、そういう作品が好きな人であれば、本作は十分に楽しめる作品だったとは思う。

 ゴースト絡みでいえば、“幽霊”になったヒロインにかわって、漫画を描き続けるゴーストライターの描写に関してはツッコミどころしかなかったけれどね。

 

そして、主人公が外国人留学生だということについても語っておきたいと思う。最初はどうせ、「日本サイコー!日本は世界一素晴らしい文化の国!」みたいな作品でしょ?とも思っていた。

留学生の主人公はほとんどの日本人(ヒロインは除く)、子どもですら敬称付きで呼ぶのに、その子どもですら主人公に対しては呼び捨てってのは確かに、とっくの昔に追い抜かれているのに、80年代で思考が止まってしまっているために、外国人に対して上から目線になっている日本人の考えにも見えるしね。

でも、その一方で貧しくなった日本というか、ブラック労働のようなものも描かれていて、“日本素晴らしい!”系の作品ではなく、日本のダメな部分もきちんと描かれていた。なので、バランスは良かったとは思う。それから、主人公のバイト仲間である外国人女子の恋愛エピソードとかも良かったしね。この娘、可愛い!

 

そういえば、本作ではコンビニのシーンなど、所々で登場人物がマスクをしているが、でも、圧倒的に多くの場面ではしていないんだよね。出版社のオフィスのシーンとかでもしていないし。2020年の作品であるということを意識して、現実を反映したいという気持ちがある一方で、いくら枠が短い深夜ドラマとはいえ、ずっと、登場人物がマスクしているのでは、演者のファンや事務所から“顔が見えない”と文句を言われる。かといって、アパート室内シーンばかりでは画がしょぼくなる。というかご当地ものの要素もあるからロケは必須。だから、部分的にだけ試したということなのだろうか?何か中途半端だな…。やるなら原則マスクでリアリティを追求するか、あくまで、創作作品で現代ではあるが、コロナ禍とは言明していないということで、ノーマスクにするか、どちらかだと思うんだけれどな…。

 

ところで、最近、アニメやラノベ、バンド名に限らず、実写ドラマでも、かな読み4文字の略称で呼ぶのが流行っている。

本作にも「カノブツ」という略称があるが、ファンやメディアなんかが言っているのが、自然に広まっていったものならいいけれど、公式が最初からブームを狙って、略称タイトルを発表するのはどうかと思うな。本作もタイトルに、ローマ字表記で“KANOBUTSU”と入っているしね。自分で言うのはダサいと思うな。木村拓哉だって、本人や事務所側はキムタク呼びを嫌がっていると言われているし、普通は自分から略称で呼んでくれとは言わないよね。できれば、フルネームで覚えて欲しいって思うのが普通の心理だと思うんだけれど、SNS受けを考えたマーケティングだと、そうなるのかな?

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