自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

浅田家!

やっと、「浅田家!」を見ることができた。いくら、公開4週目に突入したとはいえ、いくら、映画マニアでない層が今、「劇場版 鬼滅の刃」以外の映画に興味を持っていないとはいえ、ジャニーズというか嵐のメンバーが主演の映画を他の観客が全くいない状態で見ることになるとは思わなかった…。

自分のためにわざわざ開いてもらった試写会で1人で鑑賞したという贅沢なケースを除くと、自分が一般観客として入場して鑑賞した映画では、他に観客がいなかったのは今回が3度目だ。

最初はお台場のシネコン(現在はユナイテッド・シネマになっているが当時は東宝系のシネマメディアージュだった)で見たAKB48の5本目のドキュメンタリー。

2度目は渋谷TOEIで見たホラー映画「犬鳴村」の恐怖回避バージョン。

そして、3度目がユナイテッド・シネマ豊洲で見た本作となる。

でも、お台場のシネコンメディアージュ時代も、現在のユナイテッド・シネマになってからも、基本、閑古鳥が鳴いているのが当たり前だし、渋谷TOEIも基本、いつ行ってもガラガラだ。

しかし、今回のユナイテッド・シネマ豊洲は新興住民の多い豊洲の中心地ともいえるショッピングモール内にあるシネコンだからね…。いくら平日とはいえ、こんな状況になるとは考えられない…。

そして、3回経験した自分以外がいない状態のうち2回はコロナ禍になってからだ。「鬼滅の刃」や「今日から俺は!!」など特定の作品は大ヒットするけれど、それ以外の作品は固定ファン以外には広がらないってことなのかな。つまり、依然として映画館に行くのは感染症対策の観点からも不安視されているってことなんだろうな。

 

そうそう、肝心の鑑賞作品のことについて語らなくては…。

何度も泣きました。ツッコミどころは多かったけれど、実話ベースの作品だと許せてしまうという特権を利用した作りって感じかな。年数の数え方も“?”って思う箇所があったし、何よりも大震災直後に浜辺で被災者家族の写真を撮るシーンは“は?”と思った。余震が多いのに浜辺?入れるの?とか色々考えてしまった。まぁ、このシーンも泣けたが…。とりあえず、冒頭シーンにつながるオチは笑えた!

 

それにしても、ニノは嵐随一の“映画俳優”だなと改めて思った。正直なところ、彼の上から目線の言動は好きではない。でも、嵐の中では最も俳優という肩書きにふさわしい演技を見せていると思うし、ジャニーズ全体の中でも岡田准一に次ぐ映画俳優ポジションなんじゃないかなと個人的には思う。本作でも、主人公の約20年間をうまく演じていたと思う。動作で見せる岡田や何をやってもスターなキムタクもいいが、抑えた演技でいえばニノが随一だと思うな。

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