自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

D4DJ First Mix #01

昨夜から始まったアニメ「D4DJ First Mix」第1話を視聴したが、批判せずにはいられない内容だった。
ちなみに、アニソン自体は好きなので、このプロジェクト関連のCDは何枚か持っていたりするが、それでも音楽マニア、そして、一応、放送業界人としては批判せずにはいられないと思った。

「D4DJ」第1話を見て思ったことは視聴前の予想通り、やっぱり、DJを勘違いしているというものだった。日本では、ファンモンの坊主とか、セカオワのピエロのせいで、DJはお飾りなイメージがついてしまっているのだろう。確かに彼等は地上波キー局でシングル曲を演奏する時には単なるマスコットにしか見えない。でも、レコーディングやライブではそうではないと思うんだよね。

それから、DJユニットとか言っておきながら、DJ担当メンバーの歌っているパートが多いんだよね。洋楽でも、カルヴィン・ハリスのように、曲によっては自分で歌うアーティストもいる。それから、歌いはしないけれど、毎回、自分が手がけた楽曲の頭で、自分の名前とレーベル名を叫ぶDJキャレドみたいな人もいる。でも、ユニット形式の場合は、DJ担当メンバーはせいぜい、盛り上げ担当くらいでメインのボーカルやラップにはかかわらないのが一般的だよね。ジャジー・ジェフにしろ何にしろ。

 

まぁ、アニメとしてやる以上は声優が声を当てなくてはならない。そして、アイドル的若手声優がその声を担当し、しかも、その劇中劇ユニットとしての活動も行われている。となれば、DJ役のメンバーも歌わなくてはいけないという大人の事情的・商売的な理由はあるんだろうけれどね。

 

そして、気になることは、やっている音楽が90年代くらいで止まっているということ。すっかり、落ち目になったEDMにすらなっていない。
90年代のエイベックス・サウンドというか、90年代にエイベックスが洋楽のクラブ・ミュージックをパクッたサウンドだよね…。まぁ、エンディングテーマというか、劇中で何度も流れるのがWOW WAR TONIGHTってくらいだから、この曲のオリジナルを知っている40〜50代がターゲットなんだろうけれどね。だから、EDMなんかやっても、彼等に拒否反応を示されるだけってことなのかな。とはいえ、水樹奈々の声でハッキリと聞こえるWOW WAR TONIGHT、嫌いじゃないけれどね。

 

それから、あの画面下に流れるツイッターコメント表示は何なんだ?どう見ても、捏造にしか見えない。捏造でないとしたら仕込みだな。表示開始の瞬間にきちんとコメント頭から入るとか、表示終了の瞬間にキレイにコメント終わりで終われるって、普通はなかなかないんだよ。あと、業界人ですら、MXの正式な放送局名がTOKYO MXだということを知らない人が多いし、トーキョーがつくと知っていても、東京MXって表記したりするのに、一般のアニオタがTOKYO MXなんて書くわけないだろ!関係者が書いたとしか思えない。それに、ヨイショコメントしかないのも不自然だし、「面白そうなアニメ始まった」なんてコメントも不自然。今時、パッとつけたら面白いアニメやっていたなんてありえないでしょ?普通、何をやっているか知っていて見るよね。キー局なら、そういうこともあるかもしれないが、MX放送のアニメなら、基本、見る人間は事前に放送日程をチェックして見ているはず!まぁ、誤字はあったけれど、それはスタッフが気づかなかっただけだろうね。

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