自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

D4DJ First Mix #02

先日、地上波で「D4DJ」を放送しているMXでもBSで放送している日テレでもなく、何故かTBSでやっていた「D4DJ」と「CDTV」のコラボ番組で関連ユニットのパフォーマンス部分を見た時にも感じていたが、音楽マニア的な視点からだと批判的なコメントしかできないんだよね。DJ要素がほとんどない。単なるアイドル系アニソンなんだよね。
音自体も世界的レベルでいえば、90年代前半で止まっている。
まぁ、懐かしの邦楽カバーをやっているから、そういう音なのかもしれないが。あと、メンバーのほとんどがボーカリストという構成なのに歌唱力が微妙なのも絶望的。

 

ブシロードの音楽モノでいえば、バンドや歌劇ではそれなりに音楽的にも良かった部分もあったとは思うが、DJでは無理があるよね。バンドや歌劇なら声優アイドルが演技の一環としてパフォーマンスすることはできるが、DJはやっぱり無理がある。単なるフリにしか見えない。まぁ、多少はDJ経験のあるメンバーもいるらしいが、あまり、そういう人がいるというのを感じることができない。ただ、大人から言われたクラブ・ミュージック風の歌を歌っているだけだよね。バンドや歌劇なら自分で曲を作らなくても成立するが、やっぱり、DJは自分でその場に合わせてアレンジし、プレイする能力が必要なわけで、あれは単なるクラブ・ミュージック風カラオケだと思った。


「D4DJ」を見ていると、日本人ってDJをタンバリンとかカスタネットくらいにしか考えていない人が多いんじゃないかって気がしてくる…。
日本ではDJというのは、ファンモンの坊主やセカオワのピエロのようなマスコット的存在のことであり、ゲッタやカルヴィン・ハリスのようなアーティストではないということかな…。

 

そして、この「D4DJ」のアニメや実写版「とんかつDJ音楽アゲ太郎」を見ると、音楽マニアからすると、はてなマークだらけ、違和感だらけになる諸悪の根源が今回「D4DJ」の2話を見て分かった。
多分、日本の映画やアニメを作っている人にとって、DJのイメージって「気分上々↑↑」なんだな…。
洋楽好きからすれば、この曲はヒットしていた当時でも、「全然、クラブ・ミュージックじゃないだろ!」「ダサい」「単なるアイドル歌謡の一種だろ!」と思っていたあの曲でDJのイメージが止まっているんだな…。
そりゃ、ダサい音楽描写になるわけだ…。
ちなみに、「気分上々↑↑」のCDシングルは当時、買っているし、「D4DJ」関連のCDも何枚か持っているので楽曲自体は嫌いではないが、アレを堂々とクラブ・ミュージックとかDJとか言われると、やっぱり、洋楽好きとしてはカチンとくるところはあるかな。

 

それから、「D4DJ」のアニメも実写版の「とんかつDJアゲ太郎」もそうなんだけれど、レクチャーシーンでは、曲のつなぎがどうのって説明するんだけれど、肝心のステージのシーンでは単体でしか曲が流れないの意味不明だよね。結局、音楽を理解していない人たちが作っているんだよ。

 

ところで、今回の「D4DJ」2話に出てくるイベント告知のポスターに「well come」って書かれてあったが、おかしいだろ!アニメを作っている人たちって、その程度の教養もないのか?

それから、「D4DJ」に限ったことではないが、深夜アニメに多い食事シーンで声優が「ハムつ」とか言いながら食べるやつ、禁止にしてほしい!

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