自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

眉村ちあき 「日本元気女歌手 ~夢だけど夢じゃなかった~」

まずは、アーティストや楽曲を否定する記事ではないということをお断りしておきます。どうしてもコロナ禍ということで、コンサート開催における運営面に関して批判的なものになってしまっていることをご了承ください。

 

以下、本文です。

 

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 10月に鑑賞した舞台「フリムンシスターズ」では強制ではないものの、ネット上もしくは会場で連絡先の記入を呼びかけていた。

(強制じゃない時点で意味あるのかとは思うが…)

 

11月に参戦した麻倉もものライブでは、COCOAのアプリ画面を提示するか、会場で問診票を記入するかしなければ、入場できない仕組みになっていた。

(筆記用具は消毒もせずに何人もが使い回しているが、それっていいのかなとは思うが…)

 

そして、数日前に見たあいみょんのライブではCOCOAのダウンロードが必須となっていた。

(会場で画面を確認しないのは意味ないと思うのだが…)

 

その他、この数ヵ月の間に自分が足を運んだ演劇やコンサートといったライブ・エンターテインメントでは、調査票や問診票の記入、COCOAのダウンロードなどは求められていなくても、会場での検温やマスク確認は行われていた。

 

そして、今回の眉村ちあき公演では、事前にネット上で問診票を記入することが観客に義務付けられていた。

 

でも、どのケースを見ても対策しているフリにしか見えないんだよな…。

「フリムンシスターズ」は病み上がり間もない役者が出ているし、あいみょんは観客がスタンディングで鑑賞しているし、全然、感染症対策しているとは思えないんだよな。

それに、観客の着席・無発声を義務付けているライブでも開演前、終演後は場内で観客は、いくらマスクをしているとはいえ、ぺちゃくちゃしゃべっているしね。だったら、公演中だってマスクしているんだから話してもいいよね?って話になるしね。

結局、何か文句を言われた時にエクスキューズできるように、対策しているアピールしているだけにしか思えないんだよね。

 

それから、どの公演も体調不良を感じたら来場をやめてくださいと呼びかけたり、会場での検温で引っかかった場合は入場を断るとかアナウンスしたりしている割には、払い戻しに関する記載がないんだよね。つまり、体調不良になったのは自己責任だから、払い戻しはしないよってことでしょ?それじゃ、体調不良だって見に来てしまうと思うんだよね。苦労してチケット争奪戦に勝ち、高い入場料を払っているんだからね。

本気でコロナ対策しているなら、最低でも入場料は全額(可能なら手数料や郵送料も)返金しますってしなきゃ、対策にはならないと思うな。

 

ちなみに自分は14年も前の話だが、ちょっと熱があったし、しかも、その後に仕事に行かなくてはいけないにもかかわらず、U2の来日公演を無理矢理、見に行ったこともあった。

 

一時期、一部シネコンで体調不良で来場を取りやめた場合、払い戻しに応じますってのをやっていたが、最近はそういうのもなくなったみたいだしね。

いくら、コロナ禍で懐事情が良くないからといって、そういう対策をしなければ、ウイルスのシャウトアウトなんて無理だよ!

 

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それはさておき、本題に入りたいと思う。

眉村ちあきというアーティストに興味を持ったきっかけは、「大丈夫」という楽曲だった。この曲、名曲だなと思い、この曲が収録されているメジャー1stアルバムを買ったりもした。でも、しばらくはそのままだった。

 

それからしばらくした2019年8月、「TOKYO IDOL FESTIVAL」1日目で彼女のステージを見ることになった。

ぶっちゃけ、同じ会場でその後に出演が控えていたHKT48=LOVEといったお気に入りのグループの出番を待つまでの時間潰しで見ることにしたのだが、そのステージを見て、そのステージングの巧みさに関心して一気にファンになってしまった。

 

邦楽アーティストのライブのMCってのは、ダラダラしたものが多いが、彼女のMCは一見、曲とは関係ないMCに思えて、実は次の曲ふりにつながるという見事なものだった。そして、何よりも生で聞いた「大丈夫」の良さを改めて実感したというのも本格的にファンになってしまった理由だった。

 

なので、「TIF」3日目にも彼女のステージを見てしまうほど、すっかり、彼女の虜になってしまった。

 

そして、今年はじめにメジャー2ndアルバムも購入し、はやく単独公演を見たいと思っていた。しかし、春に予定されていたライブはチケットが入手できたにもかかわらず、コロナの影響で中止となってしまった。しかも、チケットぴあで購入したチケットはなかなか払い戻しされなかった…。

 

そんなモヤモヤした状態がしばらく続いたので、今回の武道館公演決定のニュースには喜んでしまった。リベンジできるぞ!やっと単独公演が見られるぞ!しかも、武道館かよ!と。

 

それに、先週リリースされたばかりのメジャー3rdアルバムでは、さらに音楽性が幅広くなっていて、今回のライブに対する期待は高まっていった。

 

まぁ、コロナ禍での開催という不安はあったし、東京の感染状況を見れば中止や延期になって然るべきだとは思ったけれどね。

 

そして、公演当日を迎えたが、開場準備が遅れたとの理由でなかなか開場されなかった。本当にコロナ対策をする気があるのだろうかと批判したくなった。寒空の中、待たされた観客が風邪をひいたら、コロナ対策も何もないだろ!

本当、日本のエンタメ界のコロナ対策はやっているフリばかりだな!

 

ところで、今回のライブは着席での鑑賞だったため、配信用カメラが目の前を通るのが邪魔だなと思った。

と思ったら、途中からスタンディングOKになった。

さらに、雪を降らす効果があったり、観客に足を踏み鳴らすよう促したり、マスクの中でだったらゴニョゴニョしゃべっていいよとか言ったりする。

 

挙げ句の果てには、コロナ禍になってからのライブでは見たことがなかった(=多くのライブでは自粛されていた)トロッコでの場内移動までやってしまった…。

 

果たして、本当にこのライブは感染症対策をする気があるのかと大いに疑問を抱いてしまった。

まぁ、途中で5分間の換気タイムという名の休憩を設けたのが最大限の対策アピールなんだとは思うが。

 

でも、パフォーマンス自体は良かった。まぁ、失敗してやり直した箇所もあったが、それはご愛敬ということで。

そして、何よりも可愛い!元々、好みのルックスではあったが、改めて可愛いと思った。

そして、ちょっとウザい情緒不安定なところも魅力だと思う。

 

ところで、眉村ちあきの音楽というのはパソコン上で再生されるトラックをベースに彼女の歌やギターをのせるというものだから、基本、彼女一人でのパフォーマンス(親やちびっこダンサーの参加はあったし、コラボ曲ではコラボしたアーティストも出てきたが)となる。

でも、武道館というアリーナクラスの会場を一人で沸かしていたのには感心した。

 

しかも、彼女の楽曲というのは、コミカルなものから、いかにもシンガーソングライター風のもの、ダンス系、ヒップホップ系、ロック寄りのものと幅広い。

そういう観点から考えると、もしかすると、眉村ちあきは日本のエド・シーランなのではないかという気すらしてきた。

 

それにしても、「大丈夫」は名曲だなと思う。眉村ちあき本人もそうなのかもしれないし、彼女のファンもそうなのかもしれないが、この曲はいわゆるスクール・カーストで下層に位置するような、ルーザー、ギーク、ナード的気質を持った人たちにとっては、特大のアンセムだよなと思う。

本当、TIFの時もそうだったが、生で聞くと本当、泣けてくるんだよね。

なので、結果としてライブ自体は非常に満足できた。

 

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とはいえ、公演が終わるとまた、不満が出てくるんだよな…。

 

市松模様の座席販売&規制退場のおかげで武道館で見たコンサートでは初めて、すんなりと九段下駅の改札まで辿り着くことができた。

にもかかわらず、スタッフが駅付近の道路で片側通行を強いていて(暗いからスタッフがいるのが分からず、ぶつかりそうになる)、遠い改札の方へ行かせようとしているのはなんだかなという気がした。

 

結局、コロナ禍で開催されるコンサートって不満だらけになるんだよな…。

アーティスト側は収入が欲しくて仕方ないのかもしれないが、やっぱり、開催は早急すぎるのではないか。英米のように、まだ待った方がいいのではという気もするな…。