自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

秘密結社 鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~

何気に途中までは、今期のアニメで一番面白いのはコレかもと思ったほどだった。ただ、今回のシリーズは全話を使って、一つのストーリーを語るという構成のため、終盤では敵を倒すという、シリアス度の増した展開になってしまったので、さすがに今期最高の爆笑アニメとまではならなかったが…。

 

Eテレで放送していた時は、基本、グダグダ日常系で終盤だけ巨悪と戦うという展開だったが、今回のシリーズは、要は劇場版の鷹の爪みたいなストーリーのものを1クール全12話に分割したようなものだったからな…。

 

でも、前半戦は巨悪と戦う展開をやりつつ、いつものグダグダ系もやっていて、結構爆笑できたな…。

 

そうしたストーリーのおかげで、参加声優の数が鷹の爪とは思えないほどの多さになっていたのには驚いたが。

 

それにしても、今の日本のアニメというのはネトウヨ化したオタクに媚びてしまって、野党をdisることはできても、自民党を風刺することはできていないが、鷹の爪は結構鋭いところをついていて、明らかに菅にしか見えない総理大臣を危機管理のできない無能な人物として描いていて感心した。というか、“官房長官に戻りたい”という台詞も言っていたし、パンケーキも出てきたから、確実に菅なんだけれどね。まぁ、菅だけでなく、小池やバイデンまでネタにされていたけれどね。

 

それから、敵組織の表向きの名称“クロッター”は嫌でもTwitterを思い浮かべるが、そのロゴはTwitterFacebook、アップル、Googleマイクロソフトといった辺りをパクッたようなものだし、敵組織の裏の顔“シャイニングブラック”は略称がSBで、そのSBマークのついた攻撃型ロボットはどう見てもソフトバンク(略せばSB)のペッパーにしか見えない。いくら、過去のテレビシリーズのようにキー局や公共放送でのオンエアではなく、ローカル局やBS、CSでのオンエアとはいえ、よく許可されたなと感心してしまう…。

 

今回のシリーズでは、仕事はできるけれど、一般感覚には疎く、恋愛にウブなザハルと美冬のカップルという新キャラが登場したが、今後のシリーズでも出て欲しいキャラだなと思った。

 

それにしても、森田が鷹の爪団と帯同するようになったおかげで、ツッコミ担当が森田になったから、レオナルド博士の印象が薄くなった感はするよなとは思った。

あと、今回のシリーズ、デラックスファイターが後半にほとんど出てこなかったよな…。まぁ、鷹の爪団がザハル&美冬と一緒に敵と戦う展開になったから、デラックスファイターの出番がなくなるのも仕方ないんだけれどね。

 

とりあえず、映画でもテレビでもいいが、新作を期待したい。当然、ザハル&美冬にも出てもらいたいな。

 

そういえば、今シリーズ放送中にiPhoneの新作が出たのに、買ったばかりの新型iPhoneを工事中のオッサンに破壊されるというおなじみのやつがなかったな…。

 

ところで、かつてはTOHOシネマズのイメージキャラクターをやっていた鷹の爪団が、今は東映のホラー映画のPRをしているのは不思議な感じがするよな…。

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