自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

時をかけるバンド

本作を含むFOD配信ドラマがフジテレビで放送される際には、地上波の放送枠に合わせてカットされ、完全版を見たければ、FODと契約しろという商法が取られている。

でも、日テレドラマのHulu商法ほど腹は立たないんだよね。

日テレは、先に地上波で短縮版を流してから、“実は今見てもらったのは不完全版です。ちゃんとしたものを見たければ、Huluと契約してね”みたいなことをするから炎上してしまうんだよね。

一方、FOD配信作品の場合は、先にFODで完全版を流してから(作品によっては間隔はバラバラだけれど)、後日、カットしたものをフジテレビで流すという形を取っている。要は、映画や海外ドラマの地上波放送と同じなんだよね。映画や海外ドラマを地上波で放送する際には大抵、放送枠に合わせてカットされているし、“本編ノーカット”と謳っているものだって、エンド・クレジットは短くなったり、全カットされたりしている。それと同じだと考えれば、そんなに腹は立たないんだよね。

 

なので、Hulu商法をやっている日テレがいかに守銭奴なのかというのがよく分かる。

 

というわけで、本題に入るが、このFODドラマの地上波版を見ることに決めた理由は、白石聖が可愛いからというのもあるが、最大の理由は主題歌を担当しているガールズ・バンド、赤い公園のギター・津野米咲の訃報を地上波放送の直前に知ったことだった。

 

彼女を追悼する意味も込めて、ガールズ・バンドものの本作は見なくてはという気持ちになった。

 

個人的には津野米咲作品では、モー娘。に提供した「泡沫サタデーナイト!」が一番好きな曲だった。勿論、赤い公園としての楽曲でも、「闇夜に提灯」とか好きな曲は結構ある。そして、本作に提供した3曲はいずれも名曲なので、本当に彼女の死は惜しいという思いでいっぱいだ。

 

ドラマ自体の感想としては、ぶっちゃけ、ご都合主義も多いし、最終回は尺足りなくて中途半端な終わり方にも感じた。(FOD版はどうなのかは知らないが)

まぁ、謎の若者の正体はすぐに勘付くことはできたから、脚本にヒネリはなかったとは思うかな…。

でも、作中のガールズ・バンド、ちゃあはんの雰囲気は良かったし、ドラマー役の大原優乃は可愛いと思った。それに、普段は女性ファンが騒ぐイケメン俳優には全く興味がない自分でも、三浦翔平はイケメンだなと思ったくらいだった。

 

ただ、残念なのは、最終回を除く各話のサブタイトルは洋楽から拝借したものということになっていたが、アルバム名だったり、楽曲名だったりで統一されていないし、しかも、毎回、無理矢理、ちゃあはんの名前を入れようとするから、中にはグリーン・デイの名盤を文字った「CHAHHAN Japanese Idiot」みたいな意味不明なものもあって、ちょっと、それはないんじゃないかなとは思った。

 

でも、音楽ネタを挟むのは結構、面白かったかな。ドラマーがけがをした際に、デフ・レパードのリック・アレンは片腕でも見事に叩いているという話を入れてきたのは良かった!

 

まぁ、音楽番組に出たり、楽曲配信をしたりもしたけれど、もう少し、ちゃあはんを演じた女優陣には現実世界でも音楽活動をして欲しかったかなという気もしたかな…。

f:id:takaoharada:20201222154210j:plain