自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

こむちゃっとカウントダウン年間チャート

 「こむちゃっとカウントダウン」は、前進番組を含めれば、25年以上。単独でも18年強という長期にわたって放送されているので、アニソン・ランキングの老舗と言ってもいいと思う。

 

このランキングの傾向が明らかに変わったのは00年代終盤からだった。いわゆる腐女子向けの楽曲、要は男性声優の歌唱曲が上位に入りやすくなってしまった。

 

女性声優の歌唱曲で上位にランクインするのは、「けいおん!」や「ラブライブ!」関連のものなど、いわゆるキャラソン的なものが多く、声優アーティスト名義では水樹奈々田村ゆかりなど一部を除くと、なかなか、首位獲得は難しくなってしまった。何故か、水瀬いのりは上位の常連だが…。

 

とはいえ、これに関しては、組織票のせいだと言い切れない面もあった。オリコン集計によるCDシングルの売り上げランキングや、タワレコの年間チャートのアニソン部門を見ても、上位に入るのは腐女子向け作品ばかりになっているので、要は男のオタクにはCDやグッズを購入したりする金銭的余裕がなくなってしまったのだろうと思う。

男女の給与差は縮小しているし、男だって非正規労働者が増えた。でも、男女で出かけた場合、金を出すのは男という習慣はいまだに続いている。そりゃ、男は金がなくなるよねって感じかな。

 

また、最近は風俗嬢にやたらと、アニメやアイドルのオタクが増えている。中には、裏オプを提案して、店を通さない収入を得ている者も結構いる。男のオタクは、風俗嬢とアニメやアイドルの話ができるので、つい、嬉しくなって通ってしまうが、よく考えたら、男のオタクが本来、CDやグッズの購入に使うべきだった金が風俗嬢に流れてしまっているんだよね。だから、女性オタク市場の方が活性化してしまっているというのが現状かな。

 

そして、最近、アニソン界に殴り込みをかけてきているのがジャニーズ勢だ。「こむちゃっとカウントダウン」のチャートで最近は、アニメ主題歌を担当したSixTONESSnow Manが首位を獲得している。

ジャニオタの組織票のパワーは絶大だから、自分たちの推すグループが首位を取れるのであれば、どんなジャンルのランキングにでも手を出してくる。

基本的にはアニメやアニソンに興味ないファンの組織票によって、ランキングではジャニーズが首位の常連となっているし、長期ランクインも果たすようになってしまった。

 

キネマ旬報が一時期、読者投票によるベスト・テンがジャニオタによる組織票でジャニーズ出演映画が上位に入りまくるようになってしまったので、ネット投票をやめて、本誌(他の雑誌より高い!)付属のハガキでのみ投票できるようにして、純粋な映画ファンの意見が尊重されるランキングになるようにしたが、それくらい、ジャニオタの組織票は強大だってことなんだろうね。

 

でも、それだけ、週間チャートはジャニオタに言い方は悪いが、荒らされてしまっているのに、年間チャートではSixTONESの1曲が年間トップ10入りしただけなんだよね。しかも、4位どまりだった。週間チャートでは、SixTONESが2曲、Snow Manが1曲を首位の座に送り込んだのに、年間チャートではジャニーズ旋風はほとんど吹いていない。これはこれで、何か集計方法にウラがあるんじゃないかって気がして仕方ない。

 

とはいえ、年間首位になったのは男性声優の曲でもない。ワルキューレ「未来はオンナのためにある」なんだよな…。要はキャラソン。謎だな…。

 

まぁ、女性声優好きとしては、ジャニーズや男性声優曲が年間1位になるよりかは不満が少ないが、果たして、この曲が2020年を代表するアニソンかと言われると「?マーク」だよな…。

LiSAの「炎」は年末近くのリリースだから、年間チャートで不利なのは仕方ないんだけれどね。ちなみに年間トップ10に入った曲の中では自分は「炎」が一番好きかな。

 

それにしても、ウィークリーのチャートでは男性声優曲や最近ではジャニーズといった男性歌唱曲が上位に来るのに、年間チャートだと女性歌唱曲が首位になりやすいのって何故なんだろうか?

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