自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

ファーストラヴ

北川景子出演映画を映画館で見るのは本作が24本目だ。その作品群は彼女が主演であろうと、ヒロイン役や助演、ゲスト出演であろうと、基本的には、面白いけれどツッコミどころ満載の映画かクソ映画のどちらかにしか分類できない。つまり、傑作と呼べる作品は1本もない。

 

まぁ、彼女と同世代の綾瀬はるか新垣結衣も同じようなものだし、宮﨑あおいは演技派扱いされているが、その割には傑作の部類に入る映画は数えるほどしかない。それから、長澤まさみだって、演技力が評価されるようになったのはここ最近の話だから、彼女の演技と作品そのものの両方で評価できる作品なんて数えるほどしかない。「コンフィデンスマンJP」シリーズは彼女の演技は良いとは思うが、作品自体はツッコミどころだらけだしね。

 

そして、話は戻るが、北川景子出演作品がツッコミどころ満載な理由には彼女の演技もあると思う。いつも同じ演技で、いつも無表情だしね。本作も、演技や表情はいつも通りだった。でも、作品としては、これまでの出演作品で一番マシだと思った。まぁ、ツッコミどころは多いけれどね。

 

本来なら、フェミ思想の人が共感する内容のはずなのに、フェミの人が嫌いな要素がたくさん入っているんだよね。

男は女性を呼び捨てにしているのに、女性は男をさん付けか君付けで呼んでいるしね。北川景子中村倫也間だけはお互い呼び捨てだったけれどね。

それから、女児に対する性的虐待を批判する内容なのに、男の手が女児の体を触るシーンを描写したり、女児と裸の男の並んでいる絵を見せたりするのもテーマとぶれている気がするんだよね。

限りなくセカンドレイプをしている作品に見えてしまった。まぁ、日本の映画やドラマを作る人間の人権意識なんて、その程度ってことなんだろうね。

 

つまり、この「ファーストラヴ」という作品は小説として読む分にはいいけれど、映像化すると、どうしても、テーマからブレてしまう題材ってことなんじゃないかなって思う。

 

それから、何かマスコミ批判をしたいのかなって思いたくなる描写も多かった。テレビ局のアナウンサー試験の面接官を性的虐待を行う連中みたいに描いていたしね。そもそも、殺人の容疑をかけられた人間が犯行直前にアナウンサー試験を受けたなんていう情報は普通は流さないと思うんだけれどね…。殺害した相手がセクハラ面接をしたテレビ局員とかなら話は別だけれどね。

 

まぁ、法廷シーンは日本の映像作品とは思えないほど良くできていたと思うけれどね。洋画や海外ドラマなみのリアリティがあったと思う。

 

そうそう、クソ映画やツッコミどころ満載の作品が多いといえば、本作のメガホンをとった堤幸彦監督もそうだけれど、本作は小ネタ系でない堤作品の中では最高峰の出来だったように感じた。

 

それはさておき、北川景子の女子大生演技および処女喪失演技は無理があったよね…。ガッキーや綾瀬はるかなら、まだ、女子大生くらいの役をやっても違和感ないが、北川景子だと無理あるかな…。やっぱり、結婚すると男も女性も老けてくるのかな?

 

とりあえず、芳根京子の演技は素晴らしいので、それだけでも見る価値はあると思う。

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