自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

すばらしき世界

2週間前に公開された「ヤクザと家族」同様、本作もヤクザにも人権はあると訴える作品だった。しかし、本作にしろ、「ヤクザと家族」にしろ、登場人物たちは出所後も暴力的な生き方を全否定していないわけだし、そもそも、現役ヤクザだった頃にはカタギの人たちにも迷惑をかけているんだから、死ぬまで人権なんて与える必要ないと思うんだけれどね。生かされているだけでも感謝すべきだと思う。

やたらと映画人はヤクザに人権がないのはおかしいと言うし、映画ファンの多くもそれに同調し、本作や「ヤクザと家族」を絶賛している。いい加減にしろって言いたい!実際にヤクザやそれに近い存在の連中の被害にあった人や、血筋にそういう連中がいるせいで苦労した人からすれば、あんな連中に人権なんて与えるべきではないと思う。

 

なのに、本作にしろ、「ヤクザと家族」にしろ、ヤクザに感情移入できるような感動的な作品になっているんだから、本当に腹立つな!

ちなみに自分は血筋にそういう連中がいて、迷惑を被ったこともあるので、ヤクザには人権なんて不要だと思っています。今、そいつが生きているか死んでいるかは知らないけれどね。

 

こういうヤクザに人権をという主張をする人たちが自民党政権を批判しているの矛盾していると思うけれどね。自民がクソならヤクザもクソでしょ。

 

それから、大手マスコミを批判したがるのも、映画人は好きだよね。本作ではフリーランスのディレクターに対しては感情移入しやすいキャラにしているけれど、局の女性プロデューサーに関しては完全に視聴率のことしか考えていないクソ女的描写だったしね。それにしても、このプロデューサー役の長澤まさみの出番は少なかったな。彼女じゃなくても良かったよね。特別出演とか友情出演みたいな感じか?

 

ところで、本作にしろ、同じく今週公開の「ファーストラヴ」にしろ、東京スカイツリーが映っていたが、東武って、方針を変えたのか?

かつては、映り込んだだけでも莫大な使用料を東武が請求してくるから、スカイツリーは映らないように撮影したし、アニメでも高層タワーは描いても造形は変えたりしていたくらいなのにね。

結局、東武のそういう強欲なやり方のせいで、東京の景色として東京タワーばかり映されるようになってしまったから、このままでは存在が薄くなると考えて態度を軟化させたのかな?

 

そういえば、本作はワーナー邦画だけれど、こういうミニシアター系向けの内容の作品って珍しいよね。ワーナー邦画といえば、コミック実写化作品とか、アクションやサスペンス系の作品が多いのにね。あと、本家のハリウッド製ワーナー作品でもおなじみの、ワーナーのロゴを作風に合わせて変えるやつを本作でもやっていたのが面白かった。

f:id:takaoharada:20210214131423j:plain