自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

ライアー× ライアー

正直言って、森七菜に対するイメージが悪化してしまったので、冷静な目で本作を見ることができなかった。でも、ムカつくくらい、森七菜が可愛い映画だった。

 

血の繋がらない姉(常にすっぴん)を毛嫌いする弟が、姉と似ているギャルっぽい女子高生に恋するなんて話はどう考えてもありえない設定だが、それをリアリティあるものにしているのは森七菜の演技力や、つかみどころのないルックスのおかげだとは思う。

彼女はぶっちゃけ、出る作品、演じるキャラクターごとにイメージが変わるから、本当に同一人物なのかって、出演作品を見るたびに思うしね。映画「ラストレター」の主人公の高校生時代を演じた女優と、朝ドラ「エール」の文学少女を演じた女優が同じとは思えないしね。しかも、「ラストレター」にしろ、「エール」にしろ、彼女の演技が作品を感動的にしていた部分は大きかったからね。

なので、そうしたつかみどころがないのに演技力がある彼女なら、こういうありえない設定でもリアリティのある演技にしてくれるとは思っていたし、実際に見てもそう思った。

 

でも、事務所移籍騒動のせいで、彼女に対するイメージが悪化してしまったので、可愛いかもしれないけれど、だから何?演技力あるかもしれないけれど、だから何?って感情しかわかないんだよね…。

もしかしたら、本人はまだ若くて、世の中をよく分かっていないから、親や業界の人たちの言うように移籍しただけなのかもしれないけれど、やっぱり、イメージは良くないよね。

 

元々、ホフディランのオリジナル版が出た時から「スマイル」っていう曲は好きではなかったけれど、彼女のカバー・バージョンを聞くと、本当、イラッとするんだよね。今回の移籍騒動が起きる前からそれは感じていたけれど、この騒動が明るみに出て以降は尚更、イラッとくるかな。多分、新興宗教みたいな感じがするんだうな、この「スマイル」って楽曲は…。

 

そして、本作の中では、結果として、美男美女は良い思いをし、メガネの地味男子が悪者扱いされてしまっているが、それも、尚更、森七菜って腹黒いなというイメージを増長させてしまった。結局、“いい人”のメガネ男子を利用しているだけだしね。本当、この映画、現実世界の森七菜がちらついて仕方なかった。現実でも性格悪そうって思ってしまうよね。

 

それにしても、ガラガラだったな…。今、人気があるとされるSixTONESのメンバーが森七菜とW主演なのにね。もしかすると、SixTONES人気って下降しているのか?ネット記事などで書かれているように、同時デビューのSnow Manに差をつけられてしまったのか?まぁ、男でロック好きの人間なら、SixTONESを好きって奴はいないよね。あの偉大なバンドの略称と同じ名前を名乗るなんて許しがたいことだしね。しかも、SixTONESのファンがザ・ローリング・ストーンズのファンに対して、ストーンズという略称を使うな、ローリングと呼べとか言ってくるんだから、そりゃ腹立つし、SixTONES自体のイメージも悪くなるよね。

 

 そういえば、本作を含む劇場で見た映画が3作品連続で同じシネコンの同じスクリーンだった…。さすがに座席は違うけれどね。しかも、これって、わずか2日間での出来事なんだよね。

つまり、緊急事態宣言下にもかかわらず、邦画は新作の公開ラッシュになっているってことなんだよね。おかしいでしょ!

本当、日本映画界って、コロナは風邪論者ばかりだよね。自転車操業だし、国や自治体からの支援は期待できない。しかも、国も自治体も中途半端な対策しかしないから、映画館の営業も続いている。だったら、こっちだって、構わず、バンバン新作を公開するよってことなんだろうけれど、もう少し考えろよって気もするかな。

まぁ、「エヴァ」や「ドラえもん」、「ザ・ファブル」、「キネマの神様」など公開延期になった作品もあるから、要はフルな状態で公開したい作品は延期するけれど、とりあえず、劇場公開作品という箔付けだけが欲しい作品は、構わず公開してしまえってことであり、公開ラッシュになっているってことは、当たるとは限らない作品がそれだけ多いってことなんだろうね。粗製濫造だな…。

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