自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』<後編>

よく考えたら、TOHOシネマズデイにTOHOシネマズで映画を見るのは久々だ。去年は1回もなかった。そもそも、自分は原則、仕事が休みの日か、休日前日の夜勤・早朝勤務明けにしか映画館へ行かないから、TOHOシネマズデイとかファーストデイ(映画ファン感謝デー)などの割引サービスが適用される日や時間帯だからといって、それに合わせて映画を見ることもしない。また、コロコロ変更される不規則なシフトの仕事をしているので、上映期間中に見られるとは限らないため、ムビチケなどの前売券も基本購入しない。

だから、映画鑑賞は当日料金での鑑賞が基本だ。年間100本以上、劇場で見ているのだから、割引サービスを利用したり、前売券を購入すれば、年間で何万円単位の割引になるのに、何故、利用しないんだと思う人も多いだろうが、それは、余程のことがない限り毎週同じシフトが延々と繰り返されるようなシフトの人か、自分でシフトを決められるような人、つまり、超絶ホワイトな勤務をしている人にしかできないことだと思う。

ネット民には、割引サービスで見るのが当たり前みたいな意見が多いが、そういうのを見ると、ネット民って、思想の左右問わず、“上級国民”が多いんだなというのを実感する。

 

というわけで、TOHOシネマズデイにTOHOシネマズで映画を鑑賞するのは、おそらく、「アナ雪2」の吹替版以来の経験となった。ただ、前日の夜に大きな地震があったので、地震情報のチェックで遅くまで起きていた人がいたり、余震を警戒して映画館に行くのを避けた人がいたのか、それとも、緊急事態宣言下だから映画館に行かないのか、あるいは、前編の出来がイマイチなせいかは分からないが、TOHOシネマズデイにしては空いていた。

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そもそも、今回の劇場版、前後編に分ける意味ってあったのだろうか…。シリーズがスタートした90年代なら女児がメインターゲットだから上映時間が長い作品はNGだろうが、今回は確実に90年代にリアルタイムでシリーズに接したアラフォーがターゲットだから、2時間半くらいの長さで1本の作品にまとめた方が良かったのではないかと思う。

 

それから、今回の後編では上映前に長々と前編のダイジェストが流れていたが、それって、わずか1ヵ月前に公開された作品なのにダイジェストが必要なくらい、パッとしない内容ってのを自ら認めているようなものだしね。

テレビか映画かOVAかは知らないが、続編を作る気マンマンのようだが、どうなんだろうという気もする。

 

それにしても、今回の前後編を見て思ったが、「セーラームーン」というコンテンツって、女性の活躍とか多様性という、いまだに日本や米国で進んでいない問題を90年代に描いていた作品なんだなというのを改めて感じた。今回の作品における鏡を割る描写というのは、女性の活躍を阻害するガラスの天井の破壊のメタファーなのかなと思ったりもした。

 

あと、今回の前後編って、もしかすると、ベースになっているのは「眠れる森の美女」なのかな?呪いで人々が眠ったり目覚めたりするってのもそうだし、祝いの場に招かれざる客=悪役がやって来るってのもそう。ただ、キスで眠りから目覚めるのが女子ではなく男子になっていたのは現代的だなとは思った。

 

そして、前編の時も思ったが、ももクロの主題歌は良い!ここ最近のももクロ曲ではダントツの良曲だよね!

 

ところで、三石琴乃の演技はうまいとは思うんだけれど、さすがに年齢的に女子生徒役は厳しいんじゃないかなという気もするな。昭和のアニメを見ているような感じがしてしまうんだよね…。

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