自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

魔女見習いをさがして

自分は「おジャ魔女どれみ」の熱心な視聴者ではなかったかもしれない。スタート当初は見ていなかったし、途中から見るようになってからも、いわゆるながら見で視聴する程度だった。この番組がスタートしたちょっと後くらいの時期から自分は帯番組のOAに毎日立ち会うというシフトに就くことになった。なので、毎週日曜日の夜には出社しなくてはいけなくなった。そのために、体力温存の観点からも、ある程度、日曜日の日中に寝ておく必要がある。最初の頃は夕方に3時間半くらい寝れば大丈夫かなと思っていたが、とてもではないが体がついていかなくなったので、13時くらいには寝るようになってしまった。それに合わせて日曜日の朝はいったん、6時までには起きて、その13時までの間は、食事を取りつつ、その合間でテレビやビデオを見て過ごすことが多かった。そういう生活になった流れで「おジャ魔女どれみ」を目にする機会が増えるようになった。ちょうど、朝食後くらいの放送時間だったので、ダラダラと新聞を読んだり、食事の後片付けをしたりしながら見ることが多かった。まぁ、その当時の担当番組に就いていた学生バイトがオタクだったので(自分もその一員だけれど)、会話にこの番組の名前が出ることもあったので、とりあえず見てみるかという所もあったのかも知れない。オタクはこういう本来は女児向けのアニメを好みやすい傾向にあるからね…。そして、ながら見ではあるものの、何だかんだ言って自分も楽しむようになり、関連CDを買ったりもするようになってしまったんだよな…。「おジャ魔女音頭でハッピッピ」なんて、タイトルもめちゃくちゃだけれど、ハマる曲だしね…。

 

そんな「おジャ魔女どれみ」の20周年(というか、99年スタートだから21周年だろ!コロナの影響で公開延期になったけれど、元々の公開予定も今年の5月だったんだから、やっぱり21周年だし…。本当、何周年とか何年目とかの数え方ってデタラメなのが多いよね。報道関係者でも間違っている連中多いし…)を記念した作品なのに、何故、メタ構造の作品なの?というのが本作を見た人の多くが抱く疑問だと思う。

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20年前を知る人に、あの頃の気持ちを思い出してもらいたいから、「おジャ魔女どれみ」好きの女性の話にしたってこと?確かに今更、過去作の続きやリメイク、リブート、プリクエル、スピンオフの類をやられてもねという気持ちも分からないではないが。でも、だったら、その女性3人組をリアルタイム世代のアラサーのトリオにはせず、1人だけをアラサーにし、残りは女子大生と10代女子(作中で成人になるが)という設定にしたのか理解に苦しむ。まぁ、リアルタイム世代だけではなく、再放送やDVD・ブルーレイ、配信などで後追いしてファンになった人も多いんだよ。決して、過去の遺物じゃないんだよということをアピールしたいという東映の大人の事情なんだろうが。

 

そして、この3人組のキャラ設定が失笑したくなるほど、ステレオタイプというかテンプレというか、そういう感じなんだよね。

他人への配慮に欠け、言いたいことを言うために嫌われる帰国子女。

地味で遠慮がちなメガネっ娘だけれど、メガネを取ると可愛い娘。

健気で可愛いけれど男運が悪く、彼氏がヒモになるのを許す娘。

いつの時代の設定だよって感じ。シリーズが放送中だった90年代末から00年代初頭ならまだしも、2020年にそれはないでしょって感じはする。まぁ、一応、3人ともそのステレオタイプというかテンプレというかといった感じの設定の呪縛から最終的には抜けられるのは救いではあるが。

 

ただ、細かいことを言わせてもらうと、その3人組の1人は教育実習生として小学校で教えたりしているのに、小学生を生徒と呼ぶのはダメでしょ。子どもの発達障害を理解できないとか、そういう話以前の問題でしょ。小学生は生徒ではなく児童だということを知らない人間は先生になる資格はないよ。

こういう細かいことを言うと、マスコミ関係の人間でも、「そんな細かいことは気にするな。面白ければいいだろ」って言ってくるのがいるんだよね。特に女性。よく、そんなのでニュース原稿を書いていたね、あんた?って言いたくなるけれどね。まぁ、そういう細かいことを気にしない女性観客に向けた作品なんだろうね。

 

それはさておき、3人組のボイスキャストだが、予告編を見た時点では、本職でない人が声優を務めるとブーブー文句を言うオタク連中に酷評されても仕方ないかなと思ったが(声優がアニメ声で歌った楽曲をCDで出し、その楽曲を披露するコンサートを開くのは許すのに、非本業声優を叩くオタクは矛盾もいいところだと思う!)、実際に本編を見ると、結構、良かったと思う。

松井玲奈は、朝ドラ「エール」などでも評価されている演技を声優演技でも見せてくれたと思うし、森川葵は多分、前情報がなければ彼女が演じていると気付かない人も多いのではと思った。そして、ももクロ百田夏菜子は予告ではヘタクソに聞こえたが、本編ではかなり可愛らしい感じが出ていたと思う。

 

ももクロといえば、本作には百田夏菜子が出演し、同じ東映の「セーラームーン」の新作映画ではももクロが主題歌を担当している。「おジャ魔女どれみ」のコアなファン層はアラサー、「セーラームーン」はアラフォーなのに、どちらも、ももクロが絡んでいるんだなと、ふと思った。それだけ、ももクロのファン層は広いってことなのかな?まぁ、他のアイドルグループよりも、アニメに絡んでも叩かれにくいってのはあるかも知れないかな…。

 

ところで、本作でも両方出てきたけれど、「おジャ魔女どれみ」の略称って、「おジャ魔女」なの?それとも、「どれみ」なの?自分は「おジャ魔女」派だったが。

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「シティヘブン」のサーバーダウン 原因は“ドルヲタ”か?

風俗情報サイト「シティヘブン」のサーバーがダウンし、シティヘブンのホームページのみならず、シティヘブンと紐づけされている各風俗店のホームページの多くもアクセス不能となってしまった。

おそらく、その要因は11日がAKB48総選挙の風俗嬢版ともいえる「ミスヘブン」の地方投票の最終日となっていたからだと思う。

 

そして、ここまでアクセスが全集中したのは、風俗嬢が客に投票をあおり、客もその柱に応えて全集中で投票しようとしたからだと思う。

 

一度も会ったことがないどころか、プロフィールも写メ日記も見たことがない風俗嬢からこの2週間ほど、シティヘブン経由で来る“キテネ!”というお誘いメッセージの通知がやたらと増えていたのは、おそらく、少しでも興味を持ったら、とりあえず、投票してね。あるいは、自分はノミネートされていないけれど、ノミネートされている嬢が予約でいっぱいだったら、かわりに自分で遊んでねというアピールではないかと思う。

 

風俗嬢も客も、ミスヘブンの投票に力を入れる背景にあるのは、風俗嬢、客双方にドルヲタが増えたことではないかと思う。

風俗嬢は、おそらくアイドルの握手会などに費やす金を捻出するために風俗で働くようになったのだろうし、客の方は話が合う、つまり、一緒に好きなアイドルの話をできる風俗嬢が増えたので、風俗に通う率が増えたのではないかと推測される。

 

そして、コロナ禍に入り、アイドルの接触系イベントは減ってしまった。ドルヲタの客にとっては、アイドルと間近で会う機会が減ってしまったし、握手会などで身体的接触をすることもほとんどなくなってしまった。なので、ドルヲタにとって、風俗に行くことが接触系イベントのかわりになり、風俗嬢が会いに行けるアイドルの代替になったという部分はあるのではないかと思う。

 

さらに、コロナ禍になる前の去年からAKB総選挙が実施されていなかったので、本来ならそれに費やされていた予算が風俗に回ったというのもあるのかもしれない。

 

また、AKB総選挙のような推しに貢ぐイベントに飢えていたドルヲタにとっては、投票するだけなら金もかからない、このミスヘブン総選挙なんて楽勝もいいところ。だから、推しがたくさんいる客は次から次へと投票しまくっていたのかもしれない。

 

そして、投票期間終盤になって、推しから“投票してね”メッセージが、写メ日記などを通じて連呼されたので、客はさらに盛り上がって投票行為に走ったのではないだろうか。

 

風俗嬢がドルヲタ化したことによって、風俗界が活性化された一面はあると思う。00年代後半から10年代前半の風俗嬢は本当に酷いというか、やる気のないのが多かった。

おそらく、時期的に、派遣切りが相次ぎ、リーマンショックが起きて、さらに東日本大震災が発生したという時期だから、安易な金儲けとして風俗を選んだ嬢が多かったのだと思う。こういう人たちは、やっぱり、サービスが酷いんだよね。とっとと、ことを済ませて終わらせようというのが多いから。時間が余って仕方ない。

でも、その余った時間でイチャイチャしようともしないし、そもそも、こういうやる気のない風俗嬢というのはキスすらしたがらない。だから、とっとと客に抜かせて、後は時間まで寝ているだけってのが多かった。

 

今でも、そういうやる気のない風俗嬢はいるけれど、でも、アイドルとかアニメとかのオタクをやっている風俗嬢は基本、サービス精神旺盛なんだよね。

金がないから仕方なくやっているんだよってのではなく、趣味のために金を稼いでいるという目的意識があるからね。

 

そして、客もそういう嬢と出会えばハマってしまう。特に同じオタクならなおさら。そういう風俗嬢と客のドルヲタ化が今回の騒動の背景にあるのではないだろうか。今までのエロオヤジだけではない客層が広がっているというのはあるのかもしれないな。だから、サーバーダウンしたんだろうね。

 

ちなみに自分は一推しの嬢に全集中して投票期間、毎日、1票を投じました。

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風俗好きにとっては聖地(性地)の鶯谷

 

劇場版「鬼滅の刃」興収200億円突破に思うこと

コロナ禍になる前から思っていたことがある。それは「鬼滅の刃」を絶賛している人には、他のアニメ・コミック・映画に興味を持たない人が多いということ。過去にアニオタやサブカル、映画マニアなどの枠をこえてブームになったアニメの場合はそれに付随して、出演声優や主題歌などを担当するアニソン歌手の人気も高まった。でも、「鬼滅」に関してはそういうのが少ない。LiSAに関しても、「鬼滅」関連以外の楽曲の世間的な知名度は低い。あれだけ、「鬼滅!鬼滅!」と騒いでいるのに、鬼頭明里の名前を知らない人も多い。これって、過去にブームとなったアニメでは考えられなかった現象なんだよね。

映画観客を例に説明すると、この「鬼滅」を支持しているのは、要は年に1回、映画館に行くかどうか。よくても数回って程度の人たちってことなんだろうと思う。つまり、熱しやすく冷めやすい人たちってことかな。

本当、日本人は熱しやすく冷めやすいよね。今年、新作を出した大物洋楽アーティストの中で日本で知名度が高いアーティストといえば、レディー・ガガテイラー・スウィフトアリアナ・グランデといった辺りが挙げられると思う。いずれのアーティストも今年、全米ナンバー1ヒットを放っている。でも、日本ではかつてあれだけ邦楽しか普段聞かないような人にも支持されていたのに、今では「洋楽にしては売れている方だよね」くらいの人気しかない状況だ。結局、洋楽アーティストのリリースのスパンというのは邦楽に比べると長いから、待っている間に別のアーティストに気移りしてしまうってことなんだろうね。

その辺のコントロールK-POPは本当にうまいと思う。前作から半年も経っていないのに“カムバック”と呼んで新曲のリリースをあおったりしているし、アルバムに新曲をつけてリパッケージ盤を出したりもするし、その間には日本語版もリリースするしで、何だかんだ言って常に楽曲を提供しているからね。

それと同じような状況が映画興行でも起きている。
アナと雪の女王」(日本公開2014年)は1作目は興収255億円を記録したが、「アナと雪の女王2」(2019年)は前作の過半数を何とか超えた133億円超となっている。「君の名は。」(2016年)は興収250億円を突破したが、同じ新海誠作品「天気の子」(2019年)は「アナ雪2」よりはもちこたえたが、それでも“前作”の6割には届いていない。つまり、年に1回映画館に行くかどうかという人って、数年も経てば、そのコンテンツに飽きてしまうってことなんだよね。そして、ここ数年、「アナ雪」や新海作品に飽きた人たちにとって、年に1回もしくは数回、映画館に行った時に見る作品となっていたのが「劇場版コナン」やディズニー名作アニメーションの実写映画化作品だったのではないかと思う。

前者では「名探偵コナン ゼロの執行人」(2018年)が興収91億円超、「名探偵コナン 紺青の拳」(2019年)が93億円超と100億円に迫る勢いを見せた。そして、後者では「美女と野獣」(2017年)が124億円。「アラジン」(2019年)が121億円超と100億円を突破している。
「劇場版コナン」は毎年新作が公開されていたし、ディズニーの実写化作品もここ何年か次から次へと新作が発表されていた。「アナ雪」の続編や新海作品みたいに待たされることがないから、いつの間にか、こちらの方にその座を奪われてしまったんだろうね。

でも、「コナン」は今年公開予定だった作品の公開を来年に延期してしまったし、ディズニーの実写化作品の新作「ムーラン」は配信オンリーになってしまった。だから、1年に1回しか映画館に行かないような人が見る作品が不足していたんだよね。こういう人たちってのは、深くハマる趣味も少ないから、緊急事態宣言下では時間つぶしでTVアニメ版の「鬼滅」を見ていた人も多い。だから、「そろそろ今年も映画館に行きたいな」と思っていた超絶グッドタイミングで「鬼滅」の劇場版が公開されたから、そういう人たちがワンサカ駆け付けたのだと思う。

 

そして、記録的大ヒット映画ってのは他の作品にそんなに興味を持たない人が、たまたま見た作品にハマり、リピーター化することによって成立しているケースも多いのではないかと思う。映画館に年間3回行っても鑑賞作品は全部同じみたいな人とか。

 

自分は基本的には同じ作品を映画館で2度見るなら、別の作品を見た方がいいって主義だから、リピーター気質って全く理解できないんだよな…。
映画ファンになればなるほど、見たいと思う作品は増えるから、同じ作品を見るなら別の作品を見たいって思うことの方が多いからね。

最初に見た時に上映ミスがあったとか、迷惑な客のせいで落ち着いて見られなかったといった場合。そして、コレは鑑賞回数にカウントすべきではないと思うが、最初の鑑賞時にオチてしまったとか、諸事情で途中退室したので改めて鑑賞するとかいうなら分かるけれどね。

これまでに興収200億円を突破した作品で複数回、スクリーンで見ているのってバージョン違いで鑑賞したケースのものばかりだからな…。
タイタニック」は初公開時のバージョンとリバイバル上映時の3Dバージョン。「アナ雪」は字幕版と吹替版。「君の名は。」は初公開版と主題歌を海外版に差し替えたバージョン。それぞれを見比べたいから複数回、スクリーンで見ただけだった。「千と千尋の神隠し」と「ハリー・ポッターと賢者の石」は1回ずつの鑑賞で終わっている。
個人的にはIMAXバージョンくらいではもう1回見ようとは思わないから、「鬼滅」をリピートすることは今のところないかな。

まぁ、映画館が座席指定・定員入替制になる前というか、中学生くらいの頃までは、2回続けて見るのがデフォルトだったんだけれどね。高校の頃からハシゴ鑑賞が増えて、続けて見なくなってしまった。例外的に名作のリバイバル上映だと何度もスクリーンで見ている作品もあるけれどね。「街の灯」とか「ローマの休日」とか。

 

とりあえず、映画マニアやアニメオタクがいくら“他の作品も見ろ。もっと面白い作品はある”と言っても、「劇場版 鬼滅」の興収はのびていくだろうし、仮に次の劇場版の公開まで3年以上の間隔があいたら、その次回作の興行成績は今作より大幅に落ちるのは確実ということかな。

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羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来(日本語吹替版)

普段、自分は吹替版で映画を見ない主義だ。最近はあまりそういう仕事は来ないが、仕事の都合でどうしても吹替版で見なくてはいけない時は見るけれど、自腹で映画館へ行った時はまず吹替版で見ることはない。

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」が地上波で放送された時には吹替版で見ることはあるかもしれないが。あと、「アナと雪の女王」シリーズは例外的に吹替版キャストの演技も歌も好きなので、短編も含めて、これまでに劇場公開された4作品は全て字幕版と吹替版の両方で見たが、それくらいだ。

日本劇場公開が吹替版のみの作品の場合は大抵、見るのをあきらめている。

 

でも、今回は“これは映画史的にも見ておいた方がいい”という直感に突き動かされ、超例外的に吹替版で見ることにした。

去年の字幕版公開時から、この「羅小黒戦記」という作品の存在は知っていたけれど、上映回数も少ないし、同時期に他に見たい作品も多かった。特に去年の秋は海外アニメーション映画の公開が相次いでいたので、自分からすると、この作品の字幕版は海外アニメーション枠では後回しになってしまっていたのが本音だった。でも、見ておけば良かったと後悔している。

 

そして、吹替版という形で本作を見たが、最大の感想はアニメということもあるが、全く外国映画を見ているという感じがしないというものだった。

ディズニー・ピクサーなどの英語圏アニメーション映画を吹替版で見た時は、聞こえてくる台詞は日本語でも、そして、ディズニー・ピクサー作品は劇中に出てくる文字も日本語に直したりしているにもかかわらず、外国映画を見ている感は抜けることはなかった。

また、近隣のアジアの国や地域の実写映画を見た時には、親近感を抱いても聞こえてくる台詞が外国語なので、どうしても、外国映画を見ていることを意識せずにはいられなかった。

 

でも、本作は吹替版で見るアニメだから、全然、そういうのがないんだよね。

まぁ、絵柄やストーリーが日本のアニメに近いってのもあるのかもしれないけれどね。

 

そして思った。日中、日韓、日朝、中韓、中台、南北など、東アジア地域内で様々な対立があるけれど、結局、同じ文化圏なんだなと。対立しているのって、単なる同族嫌悪みたいなヤツなんだろうなと改めて思った。

 

それにしても、中国でもアニメ映画って日本同様、冒頭に配給会社や製作会社のロゴがたくさん出てくるんだなと思った。

 

それから、本作では、オリジナルのエンド・クレジットが流れた後に吹替版のスタッフ・ロールが流れるけれど、そこでかかっている吹替版主題歌のクレジットを見て驚いた。ジャム&ルイスがプロデュースしてんのかよ!いかにも、声優やアニソン歌手でないアーティストが歌ったアニメ映画の主題歌って感じの曲なのに、ジャム&ルイスなんだってのがビックリだった。さらに、外国映画なのにエンド・クレジットの終わりにマルシーと映倫マークが出るのもビックリ。この吹替版って邦画扱いなのか?

 

とりあえず、主人公の吹替を担当した花澤香菜はやっぱりすごいなと思った。そりゃ、ただでさえ数少ないおいしい枠を花澤香菜が次から次へと持っていくわけだと改めて実感した。

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バイデン新大統領誕生に思うこと

自分の中に右翼と左翼が同居しているのは以前から理解している。
だから、SNSなどで自分が呟いた発言に対して、パヨクやリベラルと呼ばれる人たちからはネトウヨ扱いされるし、ネトウヨと呼ばれる人たちからはパヨク扱いされることも多々ある。

 

日本では、安倍政権や菅政権の支持者とトランプ政権の支持者の思想はイコールと思われている。つまり、反安倍・反菅・反自民の人間は反トランプでもあると思っている人がほとんどだと思う。
でも、自分のように、安倍や菅を支持しなくても、トランプを評価している人間はいるんだよね。こういうケースを聞くと、パヨクは“ネトウヨは頭が悪いからトランプ支持なんてできるんだ”なんて言ってくる。反安倍・反菅・反自民なのは彼等と同じなのにね。
同様にネトウヨからは、トランプ支持という共通項はあるのに、反安倍・反菅・反自民の部分だけを捉えられて“反日・在日”と呼ばれてしまう。

 

さらにいえば、フェミ的な主張をする人たちが、巨乳を強調した萌えキャラクターや下着のラインが見える未成年キャラクター、性的なイメージを想起させるタイツ姿の女性キャラクターなどを公的な団体や企業のキャンペーンに起用することに反対しているが、自分はコレに関しては100%同意する。
でも、こういう主張をする人たちがジャニーズのタレントやイケメン俳優のスキャンダルにはダンマリなことに関しては100%抗議する。

個人的にはどちらも正論だと思っている。
ところが、前者に関して上記のような論調をするとオタク勢からは叩かれ、後者に関して上記のような論調をするとフェミ勢からは叩かれてしまう。
本当、おかしいんだよね。今の日本のネット界では一歩でも自分たちの理想から外れたことを言うと敵扱いされてしまう。

自分は性的なものは萌えアニメだろうと、AVだろうと、風俗だろうと大好きだが、“こういうのは公的な団体や企業のキャンペーンには使うべきではない”という主張の部分だけを捉えられてしまい、オタク界隈から反日・在日・パヨク・フェミとされてしまう。
単純にイケメンであろうと、そうでなかろうと、若かろうとオッサンだろうと、スキャンダルは同等に批判しようよと言っているだけなのに、フェミ的な人たちからは、ジャニーズやイケメン俳優を批判した部分だけを捉えられて、ネトウヨとか老害扱いされてしまう。

そんな世の中になってしまったんだよね。自分たちの理想の“ルール”から1ミリでもずれれば、“ルール”の99%には賛同していても、残りの1%を批判しただけで敵扱いされてしまう。そういう世の中に世界はなってしまった。
日本では第2次安倍政権の誕生あたりから、その傾向が出はじめてきて、トランプ政権の誕生で一気に顕著になったような気がする。

 

世の中、0か100かみたいな感じになっているが、ネトウヨ思想に毒されているオッサンどもがキムチ鍋や焼肉が好きだったり、自民支持の若者がK-POP好きだったりするわけだし、沖縄といえばマスコミによって反米のイメージが植え付けられてしまっているけれど、沖縄出身メンバーが顔となっているDA PUMPは「U.S.A.」という米国への憧れをうたった楽曲をヒットさせているわけだし、世の中、0か100じゃないんだよ!左右問わず、ネット民の考えがおかしいんだよ!そういうおかしな偏った考えがネットのせいで世界に広まってしまったんだよね。

 

話を元に戻すが、自分がトランプ大統領を評価していた理由はいたって簡単なものだ。
確かに特定のグループに対して差別的と言える言動は多かったと思う。でも、彼ほど、庶民感覚を持った大統領っていなかったと思うんだよね。
ニュース映像などで大統領がファストフード店とかダイナーみたいな店に入り飲食する場面というのがたびたび放送されるけれど、歴代大統領のそういう行為は“下々の食べるものを試しに食べてみました”って感じにしか。つまり、パフォーマンスにしか見えなかったんだよね。
世間的には絶賛されているドキュメンタリー映画スーパーサイズ・ミー」を自分が好きになれないのは、まさに、これが理由なんだけれど、あの映画も一般市民が食べるファストフードを“こんなの人間が食べるものじゃない”とバカにしている風潮。つまり、エリートから見た上から目線に満ちていたので、非エリートの自分からすると許しがたいものがあった。


でも、トランプのファストフード好きは単なるパフォーマンスではなく、リアルにガチで普段から食しているというのが彼の様子を見てはっきりと分かった。体型からも分かるか…。そりゃ、一般市民からすれば、“俺たちの大統領”って思いたくなるよね。
いくら、素晴らしい理想を掲げてもオバマなんて庶民感覚のないエリートにしか見えないからね。ホットドッグを食べるニュース映像を見た時もパフォーマンスにしか見えなかった。これは、日本でも、菅のパンケーキ好き設定や麻生の漫画好き設定にもつながると思う。石破や前原の鉄ちゃんはガチだとは思うが。

 

多分、世の中には自民党共和党も同じようなもんでしょと思っている人が思想の左右を問わず多いと思う。でも、安倍政権・菅政権とトランプ政権では決定的に違う点がある。それが、前述したエリートによる上から目線の有無というか庶民感覚の有無だと思う。日本では政治談義が好きなのは、右も左もエリートが多い。だから、トランプ支持は必ずしもネトウヨ思想ではないという理由が理解できないんだろうね。

 

自分が住んでいる下町では自民に嫌気がさした人が、右よりなら維新、左よりなら立民を支持するという全国ではよくあるパターンの思考になることはない。それは何故かというと、維新も立民もエリートだから、庶民感覚がないからなんだよね。地方出身者や山の手・都心部・多摩部の住民には分からないかもしれないが、下町民って見下されてきたから、こういうエリート連中の上から目線は大嫌いなんだよね。なので、地方出身者や山の手・都心部・多摩部住民には理解されないだろうが、立民を支持するくらいなら共産党を応援するという現象が起きるんだよね。都知事選の時に山本太郎が北千住で大規模な街頭演説を行ったのは、立民のエリート連中が軽視している下町は“新たな支持者”獲得の絶好の場と思ったからではないのかなと思う。

 

それにしても、“新しい政治を”という掛け声のもと誕生するバイデン新大統領がトランプ大統領より年上で、1期を終えた時には80代になっているというのはどうなのよ?
リベラルの主張する“新しい政治”と矛盾しているよね?都知事選でリベラルや左翼が宇都宮を打ち出していたこととも共通するが。
で、リベラルや左翼は普段、共和党自民党のジイさんどもの政治を批判しているくせに、自分たちの候補が年寄りすぎると批判されると“政治に年齢は関係ない。高齢者を差別するな”みたいなことを言って逃げるんだからタチが悪い。普段、セクハラがどうのと言っておきながら、ジャニーズやイケメン俳優の性的スキャンダルにはダンマリのフェミの行動もこれと同じ。だから、リベラルや左翼、フェミってのは嫌われるんだってのを理解した方がいいと思う。

 

それはさておき、トランプ大統領誕生が決まった2016年11月以降、現在に至るまでの米エンタメ界は本当、クソだったな。
差別は良くないのは当たり前。でも、差別撤廃のやり方が偏り過ぎていたからね。本当、エンタメがつまらなくなってしまった。
米エンタメ界のリベラル連中は、トランプ大統領が支配するアメリカ合衆国が気にいらないからって、トランプが軽視しているような要素ばかりを重視した世界観の、いわば、パラレルワールドのような世界を作りあげてしまったからね。
トランプ憎しの思いだけで、トランプ政権でたまったストレスを解消するために、ルールを変えまくってしまった。
黒人の役はアニメの吹替だろうと黒人しか演じてはいけない。LGBTQの役はLGBTQしか演じてはいけない。障害者の役は障害者しか演じてはいけない。でも、白人の役を黒人が演じてもいい。そんなおかしな話があるか!


しかも、映画にしろ、音楽にしろ、演劇にしろ、賞レースで評価されるのは、反トランプにつながる黒人差別や女性の自立、LGBTQの苦難みたいな話ばかり。そういう作品に傑作が多いのは事実だが、そういう作品ばかり評価されるようになってしまった。


しかも、ヒスパニックやアジア人がノミネートされていても、白すぎるオスカーと言われてしまう。結局、米エンタメ界の言う多様性ってのは黒人やLGBTQのご機嫌取りであって、ヒスパニックやアジア人のことは二の次、三の次なんだよね。
それに、白人監督の作る作品に黒人キャストが少ないと文句を言うくせに、黒人監督の作った映画とか黒人アーティストのMVなんて黒人しか出てこない。街の全住民が黒人なわけないだろっていうような地域の話でもそうだからね。


そんな矛盾だらけの米エンタメ界には本当、嫌気がさしていた。バイデン新大統領になれば、トランプ政権の憂さ晴らしをするようなことは必要なくなるんだから、冷静に偏ったポリコレではなく真っ当なポリコレが推進されるようになってくれることを願っている。

 

こういうことを言うと、ネトウヨ扱いされそうだな…。
でも、コレはイチ映画ファン、イチ音楽ファンとしての切なる願いだ!

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モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け

ゲーム版は全くやっていないし、Webアニメ版も見ていない。なのに、劇場版は何故か毎回見ているという「モンスト」シリーズだが、ゲーム版やWebアニメ版の知識がないので、毎回、劇場版を見るたびに頭がポカンとなる。今回で劇場版は3作目だが、とても同じシリーズの作品には見えない。

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同じくゲーム発のコンテンツである「妖怪ウォッチ」も劇場版が公開されるたびに作品の構成や世界観が変わる迷走ぶりを見せているが、アレはまだ同じ流れの作品というのが分かるから劇場版だけ見ても何とか話についていけるが、「モンスト」シリーズは無理。

しかも、過去2作は外資系のワーナー 映画として世に出たということもあり、一見に対する配慮もあったけれど、今回はイオン配給になったことにより、完全にファン向けの作品になってしまっている。その結果、2時間超の上映時間になり、しかも、そのほとんどがバトル・シーンという構成になってしまった。
ファンにとっては嬉しいんだろうが、延々と続くバトル・シーンって個人的には苦手なんだよな…。

アニメや特撮のオタク、SFやアクション系の映画が好きな人って、バトル・シーンが続くのを喜ぶけれど、本当、自分はダメなんだよね。
バトルなど延々とアクションが続くと睡魔に襲われそうになってしまうんだよね。集中力が持たないんだよね。もしかしたら、何かの障害なのかもしれないけれどさ。きちんと、ドラマ部分というか、台詞というか、そういうのがないと本当、自分が何を見ているか分からなくなり、睡魔に襲われそうになるんだよね。
特撮オタクがハリウッド版ゴジラの「キング・オブ・モンスターズ」のドラマ部分はいらないって言っていたけれど、自分は全くの逆で、アレがあったから楽しめたって感じだった。
マッドマックス 怒りのデス・ロード」も映画マニアに絶賛されたけれど自分はダメだった。女性の自立や障害者の活躍が描かれているのでアカデミー作品賞にノミネートされたことに関しては納得している。でも、基本的には“行って帰ってくる”間にバトルしているだけの内容だからね…。
それから、“ガルパンはいいぞ!”と絶賛された「ガールズ&パンツァー」の劇場版も自分は睡魔に襲われそうになった。理由は「デス・ロード」同様、バトル・シーン、アクション・シーンが延々と続くから。
延々と戦地の描写が続く「ブラックホーク・ダウン」もダメだった。当然、「パール・ハーバー」とか2作目以降(5作目は改善したと思う)の「トランスフォーマー」シリーズのようなバトル・シーンを延々と見せることによって尺がのびているマイケル・ベイ監督作品も退屈で仕方がない。

この「モンスト」映画第3弾も上記作品群と同じような気持ちになってしまった。
かといって、全編会話劇みたいな映画も「マリッジ・ストーリー」とかウディ・アレン監督作品みたいな例外を除くと苦手なんだよね。
多分、メリハリがついた作品じゃないとダメなんだろうな。自分でも落ち着きがないのは分かっているから。緩急ついていない作品は合わないんだろうね。

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それにしても、本作に出演している水樹奈々だが、結婚発表からあっという間に妊娠発表になったな…。
最近は声優が結婚や恋愛をオープンにできるようになったよね。
まぁ、内田真礼のように叩かれている人もいるけれど…。
水樹奈々世代、今のアラフォーの女性声優はなかなか結婚できなかったけれど、アラサー世代は次から次へと人気声優と呼ばれる人たちが結婚しているからな。しかも、コロナ禍で仕事がなくなったからっていうわけではなく、ここ数年、人気声優の結婚というのは男女問わず相次いでいるからね。
ファンが結婚や恋愛に対して寛容的になったのは、やっぱり、アニメのコアなファン層が高齢化しているってことなんだろうな。
自分の娘や息子、妹や弟が結婚したような気持ちなのかな?
ひと昔前ならガチ恋的なファンが多かったけれど、30代、40代、50代にもなって、そんな応援の仕方はアホでしょってことなのかな?

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全然、作品の感想になっていないな…。
とりあえず、オラゴンって、何か「妖怪ウォッチ」のジバニャンと「グラブル」のビィを合体させたような感じだよなって思った。

十二単衣を着た悪魔

ひき逃げという犯罪行為をした伊藤健太郎が主演ということで問題になっている「十二単衣を着た悪魔」を鑑賞。

先週公開された伊藤出演作「とんかつDJアゲ太郎」は出番が少ないので公開延期する必要はないと思っていたが、本作は主演作なんだし、負傷者も出してしまったということを考慮すると公開延期すべきだったと思う。

まぁ、ネット上では女性を中心に「作品に罪はない」論者が相次ぎ、実際、劇場にも伊藤のファンと思われる女性が駆けつけていた。これが、イケメン無罪ってやつか…。

あんたら、ピエール瀧新井浩文の時は叩きまくっていただろって言い返したい気分だ。

 

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そして、本作には伊藤同様、容疑者になった伊勢谷友介も出演している。しかも、伊勢谷も本作だけではなく「とんかつDJアゲ太郎」にも出演している。ただ、本作における彼の出番は多くはないし、「とんかつ」の時も助演だった。そして、犯した罪が薬物絡みなので、伊勢谷を理由にした公開延期は本作も「とんかつ」も不要だとは思う。

 

さらに、本作にはもう一つ、問題がある。それは、メガホンをとった黒木瞳による出演者へのパワハラ・セクハラ行為だ。伊藤健太郎伊藤沙莉のシーンで黒木瞳が、台本にないキスをするように伊藤健太郎に命じたという。これは、伊藤健太郎に対するパワハラだし、台本にないキスをされた伊藤沙莉に対してはセクハラだ。これって、女性にAV出演を強要することと同じだし、台本にないレ○プや中○しをいきなり撮影本番時にされるAV女優とも同じだよね。でも、フェミ的主張の人たちって、AVの時は騒ぎ立てるのに、この作品では騒がないのは何故?監督が女性だから?主演がイケメンの伊藤健太郎だから、騒ぎが大きくなって公開延期とかになると、自分たちの楽しみがなくなるから?山下智久の問題の時もそうだけれど、本当、日本のフェミの主張ってダブルスタンダードだらけなんだよね。ただ、自分たちが嫌いなオッサンが問題を起こしたから攻撃している。自分たちが毛嫌いしているオタクが好きなものだから喜んで抗議している。そういう風にしか見えない。だから、フェミ的主張は信用できないんだよ。

 

そういえば、伊藤沙莉も、伊藤健太郎伊勢谷友介と同様、「十二単衣」と「とんかつ」に出ている俳優なんだよ…。まぁ、彼女は逮捕されていないけれどね。

それにしても、本作での伊藤沙莉の演技は下手くそにしか見えなかったな…。可愛いとは思うけれどね。特にラストシーンなんてめちゃくちゃ可愛い。でも、演技に関しては、“アレ?伊藤沙莉って、こんなに演技下手だったっけ?”って思うレベルだった。

あの声が時代劇には合わないのか、それとも、黒木演出のせいなのか、理由は分からないが…。

 

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本作の演出は全体的にホメられたものではないかなという気はするから、後者の可能性が高そうだな…。

VFXは安っぽいし、若手女優の老け演技のカツラは朝ドラレベルの安っぽさだし、セットもいかにも朝ドラレベルのセットって感じだしね。ちなみに、朝ドラをdisっているわけではありません。

 

大手の配給作品ではないから、予算が潤沢ではなかったのかな?だから、主演俳優が逮捕されても公開延期に踏み切る余裕がなかったのかな?

でも、映画会社としてのキノフィルムズは大手ではないけれど、木下グループ自体は大手だから、映画1本公開延期にしたくらいじゃ、影響なさそうなんだけれどな…。木下自体、コロナで業績が不安定なのだろうか?

 

と、問題点ばかり指摘したが、ほめられる点もいくつかあるんだよね。

タイトルロール(「プラダを着た悪魔」のパクリだよね)でもある女御役の三吉彩花の演技はかなり良かった。貫禄もあったしね。

それから、ラストシーンはベタな展開かもしれないけれど感動した。

そして、何故、タイトルがPCの変換風に出てくるのか意味不明と思った点もそのラストシーンで回収されていた。

こうした箇所は良かったかなと思う。

 

ところで、本作は現代人が過去にタイムスリップする話だけれど、同様の展開のドラマ「アシガール」にも伊藤健太郎は出ていたよね。

本作では、タイムスリップする当事者なのに対して、「アシガール」では主人公がタイムスリップした時代の人間を演じているという違いはあるけれど。

 

それから、ラサール石井が右大臣で登場するのが面白かった。まぁ、右大臣・左大臣の右・左は右翼・左翼とは関係ないけれどね。

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