自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

ワンダーエッグ・プライオリティ

メインキャラ4人のうち3人の声を「ラブライブ!」シリーズ(「サンシャイン!!」の斉藤朱夏、「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の楠木ともり矢野妃菜喜)出身者が担当し、残りの1人、相川奏多も新人ではあるが、同時期に「アイドリープライド」というアイドルアニメに出演している。そして、この4人でアネモネリアというユニットを結成し、オープニング、エンディングの両テーマ曲を担当している(どちらも良曲!)。つまり、アニメ、声優、アニソンが好きな人にアピールする要素は十分にある。

 

また、先の読めない展開、考察したくなる設定等は、「エヴァ」や「ハルヒ」、「まどマギ」あたりと同様、アニメ好きのみならず、サブカル厨にも好まれそうな内容だ。実際、4人組がペンダントを付けているところなんて、嫌でも「まどマギ」のソウルジェムを思い浮かべるし、クローン的な存在の登場は「エヴァ」っぽいしね。

 

さらに、数々の人気ドラマを手掛けた野島伸司が原案と脚本を担当していることから、アニメやサブカル系の作品には興味を持たない一般層にも広がる可能性を秘めている。

 

なのに、ほとんど話題にならなかったのは何故?本作をチェックしているわずかな人たちだけが毎週、SNSなどで感想を述べたり、考察を繰り広げたりしているだけで、そこからは全然広がっていかない。だから、マスコミやネットメディアが後追いで騒ぐこともない。

 

確かに作品の世界観とかキャラ設定とかが理解できなかった最初の2話は正直なところ、つまらないと思った。でも、おそらく視聴者層に一番愛されているキャラだと思われる川井リカが登場した3話(いきなり、“風俗へ行け!”という台詞をぶちかましたのには驚いたが)あたりから、世界観や個々のキャラを認識できるようになり、4話で4人組が揃ってからは毎週見るのが楽しみになってしまった。

 

というか、このリカってキャラクターがこの作品の重苦しい雰囲気を見やすいものに緩和してくれているように思う。

担当声優が発表された時に斉藤朱夏が参加と明かされた瞬間、メイン4人組のビジュアルを見て、彼女が演じるのは、このマイルドヤンキーみたいな娘だろうなと予想したら、本当にそうだったから、かなり狙ったキャスティングなんだろうね。

そして、実際に見てみると、マイヤンみたいな部分と、川井リカという名前通りに可愛い(苗字が川井だから自分で可愛いリカちゃんとネタにしていたが)面も見せてくれて、回を重ねるごとにリカ推しになってしまった。

そして、彼女と母親の確執が描かれた7話なんて、大感動のエピソードだった。

登場人物の中で一番人間的だし、視聴者の多くが彼女推しになるのも納得って感じかな。朱夏にとって当たり役になったと思うな。

 

ここまでなら、間違いなく、今期の(死語になっているけれど)覇権アニメだと思った。でも、次の8話がいきなり、それまでの総集編になっていたことには驚いた。

普通、総集編にはエピソードナンバーをふらないのに、ふっているってことは、当初予定していた全12話分の予算と制作時間では限界があったってことなのだろうか?確かに下手な劇場版アニメを上回るレベルの作画をしていたから、余裕はなかったのかもしれないしね。

確かに、この総集編はそれまで理解できていなかったこと、特に冒頭2話あたりの疑問を分かりやすくしてくれたので、終盤戦を見る上でのガイド役にはなってくれたとは思う。

でも、正式なエピソードとして総集編を入れたのは裏の事情が見え隠れするから、一気に作品への評価は落ちてしまったかなって思う。

 

とはいえ、総集編後の9〜11話では色々な謎の背景も明かされてきたので、覇権アニメとか神アニメとかにはなれなくても、十分、今期を代表するアニメの1本として、何年か後に再評価される作品にはなれると思っていた。

 

しかし、最終回とされる今週放送の12話を見たら、総集編後の3話で挽回した分もチャラになるくらいの内容で正直、ガッカリしてしまった。

 

全然とは言わないけれど、話が完結していないんだよね。かといって、2期とか劇場版を期待させるほどの煽りもない。そして、本編終盤では6月に特別編が放送されるとの告知テロップが流れた。

 

つまり、本来12話で完成する予定だったのに途中で総集編を挟むことになったのは多くの視聴者が想像した通り、制作スケジュールの遅れがあり、穴埋めで放送したということでしょ。

でも、局の編成上の都合で放送期間を延長することはできない。だから、3月いっぱいでレギュラー放送はいったん終了ということにして、本来の最終回を次のクールの期末に特別編という扱いでしれっと放送しようってことでしょ。何か一気に興醒めだよね…。

 

でも、今週の仮の最終回を見て、主人公、大戸アイ役の相川奏多に対する評価はまた高まったかなとは思う。

同時期に放送されていたアイドルアニメ「アイドリープライド」では、お嬢様でありながら、ドルヲタでポンコツキャラのすずを演じていたけれど、あのすずにゃんとアイが同じ人って分かった時はびっくりした。演技の幅が広いんだなと思った。

そして、今週の“最終回”ではパラレル世界のもう一人のアイまで演じわけていたんだから、本当に感心してしまった。

しかも、彼女、新人声優なんだよね。かなり期待できるニューカマーだと思う。個人的にはルックスも好きだし。

 

ところで、パラレル世界って基本、こちらの世界の人間と対になっているはずだから、もう一人のアイが小糸を知らないっておかしいよね…。それから、パラレル世界のアイが自殺していたら、こちらの世界もリンクして死ぬのが普通では?そういうことも含めて、疑問点や未解決案件が結構あるんだよね。今回の“最終回”は…。

 

とりあえず、中途半端にレギュラー放送を終えてしまった「ワンエグ」という作品の評価は特別編が放送される3ヵ月後までお預けかな…。

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ホリミヤ(実写ドラマ版)

アニメ版と同時期に実写ドラマ版も放送という形になった「ホリミヤ」。関西地区では、どちらもMBSで放送されているので、関東では系列のTBSがドラマ版のみを放送するというのは(アニメ版は関東ではTOKYO MXなどで放送)、明らかにTBSがアニメを軽視しているということだと思う。

 

アニメ版全13話(現時点で12話まで放送)に対して、ドラマ版はおよそ半分の全7話となっているが、そのエピソード数があらわすように、かなり駆け足の展開だったと思う。

そもそも、アニメ版の時点で、かなりの駆け足展開だったと思う。普通のアニメなら2クールくらいかけてやる内容を7話の時点で達成してしまっていた(メインの2人が性行為を持ったと思われる描写がある)。

そのアニメ版のおよそ半分のエピソード数でドラマ版は展開されているのだから、ドラマ版以上にスピーディーになっているのは当然といえば当然だ(性行為を持ったと思われる描写はさすがに避けたけれど)。しかも、アニメ版にはなかったエピソードも描かれていたので、詰め込めすぎ感は強かったと思う。その一方で、最終回は帳尻合わせって感じで、ダラダラ話が進むんだから、本当、何がやりたかったんだろうっていう気がする。

 

先行劇場公開版がドラマ版の1〜3話までで構成されているのは、普通のアニメや深夜ドラマなら1クールで描く内容はこの程度のボリュームだよってことだったんだろうね。今回のドラマ版で劇場公開版で描かれていなかったストーリーが展開される4話以降が蛇足に感じたのは、そういうことなのかな?

 

ところで、本作のメインディレクターである松本花奈監督に対しては、HKT48はちみつロケットなどのMV(TrySailの「Free Turn」も彼女が手がけたと知って驚いている…)とか、HKTメンバー主演の短編映画、配信動画「片想い送信中」くらいしか見ていなかったし、そんなに特別な才能があるとも感じていなかった。若くて可愛い女子がいかにも可愛い女子のセンスで作るから、年上のオッサンどもにチヤホヤされているだけだと思っていた。

でも、この「ホリミヤ」というコンテンツはどちらかというと、男のオタクよりも腐女子に好まれるものだから、今までのオッサンのノスタルジーを喚起するようなアイドル曲MVとは違うんだよね。というか、三木孝浩とか廣木隆一のようなキラキラ映画の巨匠に近い手堅さを感じた。アイドルの青春系MVを何作も手掛けているうちに、学園もののマスターになってきたような気もする。他の監督と違って、生徒役の俳優と年齢が近いってのは強みだよね。

 

それはさておき、この実写版のキャスティング、どうにかならなかったのだろうか?タイトルロールでもある堀と宮村のうち、堀はアニメ・原作とビジュアルは違うけれども、久保田紗友が可愛いからOKとするが、宮村役の鈴鹿央士は、原作・アニメの持つ学校では陰キャ、プライベートではピアスのイケメンという設定には無理がある。ただのポッチャリ男子だよね。

 

それから、吉川なんて全然別人!原作・アニメ版の要素は皆無と言ってもいいくらい。透はメイン4人の中では一番ビジュアル的な差異は少ないが、それでも、何か違う感が強かった。特に性格というか、モノの言い方というか、そういうのが違うように思えた。

 

ビジュアル的にも、演技的にも違和感がなかったのは、レミと桜の生徒会仲良しコンビくらいかな。

 

最後に一言。学校とプライベートでは全く違う人物に見えるっていう初期設定、無理があるよね。宮村はまだ、メガネを外したらイケメンだったというお約束描写だからいいとしても、堀はプライベートだとすっぴんだから地味に見えるってのは無理があるでしょ。いくら、今の女子高生の中にはメイクして登校するのもいるといっても、そこまで、他人に見えるほどのメイクは女子高生ではないでしょ…。

 

アニメならそんなに違和感ない設定も実写だとね…。

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IDOLY PRIDE -アイドリープライド-

結構、色んな要素をぶち込んでいるのに、そんなに話題にならないんだから、アイドルアニメのブームは完全に飽和状態なんだろうなとは思う。

 

というか、「ラブライブ!」シリーズは新たなシリーズ「スーパースター!!」がこれまでのTOKYO MXなどでの放送からNHK(正確にはEテレ)での放送になるくらい圧倒的な人気を誇っているし、「アイドルマスター」シリーズも15周年を記念したリスアニ!の増刊号が出るくらい根強い人気を誇っている。また、「アイカツ!」もアニメと実写を融合した作品が放送されるくらいだから、なんだかんだ言って人気は持続しているのだと思う。

 

また、純粋なアイドルものではないが、アイドルアニメ的展開を他の音楽・芸能ジャンルで描いたコンテンツもそれなりに人気を集めている。バンドものの「BanG Dream!」や、DJものの「D4DJ」、この2作に比べるとそんなに成功した感はないが、歌劇ものの「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」といったあたりがそれに該当する。

 

中には本来は全く音楽・芸能ジャンルではないはずの競馬を題材にしながらもアイドルアニメの要素を取り入れた「ウマ娘 プリティーダービー」なんてものもあり、これは、ギャンブルしか趣味がないような層の支持まで集めてしまっている。

 

つまり、これだけ広義のアイドルアニメが乱立していたのでは、余程のことがない限りは埋もれてしまうってことなんだろうなと思う。

 

本作「アイドリープライド」は本業でない人が声優を務めるとブーブー言うような連中ですら認めている神田沙也加が伝説のアイドル・麻奈を演じ、彼女の妹・琴乃を含む同じ事務所所属のアイドルにはニューカマーが大量出演。

そして、ライバル事務所の人気アイドル2組(LizNoirとTRINITYAiLE)は、スフィアのメンバー全員とTrySailのメンバー全員がそれぞれ演じている。

さらに楽曲制作には、大石昌良Q-MHz、kzなどが参加している。

これだけ、アニメやアニソンが好きな人たちが歓喜するような面子が参加しているのを見れば、誰でも、一大旋風を巻き起こすだろうと思うのに、結果としては知る人ぞ知るアニメ扱いになってしまっている。

関連CDも「ラブライブ!」や「アイマス」、「バンドリ」、「D4DJ」といったコンテンツの関連作品に比べると全然売れていない。TrySailが劇中グループ名義で出した実質TrySailによる楽曲ですら、オリコンの総合チャートでトップ40入りもしないんだから、いかに注目されていないかが分かる。TrySail名義で出せば、最低でもオリコンの15位までには入るんだからね…。

それって、バンドとかDJ、歌劇、競馬のような変化球ならまだしも、ストレートなアイドルものであれば、「ラブライブ!」や「アイマス」などの老舗ブランドがいまだに新展開をしているから、面子が豪華ってくらいでは話題にならないってことなのだろうか。

 

でも、参加面子以外にも話題になるような要素は多かったんだけれどね。色々ぶちこんできたしね…。

 

何しろ、誰もが主人公だと思っていた神田沙也加演じる伝説のアイドル・麻奈は1話で死んでしまうからね…。

これだけなら、“へ?”で終わるんだけれど、その後、彼女は幽霊として同級生でもあったマネージャー・牧野のもとに現れる。“何だそれ?”って感じ。

 

そして、麻奈が所属していた事務所が送り出した新しいアイドルには、彼女の妹・琴乃と、彼女の心臓を移植されたさくらがいる!しかも、このさくらは麻奈と同じ歌声を持っているという、これまたとんでもない設定をぶちかましている。

さらに、牧野同様、幽霊になった麻奈を認識し、会話ができるメンバー・芽衣も出てくる。かなりぶっ飛んだ設定だ。

 

そうしたとんでも設定ばかりクローズアップされてしまうが、本作は純粋に新人声優の発掘の場としてもなかなか健闘していたと思う。

確かに棒演技って言いたくなる人もいたけれど、お嬢様でありながら、ドルヲタでポンコツキャラ設定のすずを演じた相川奏多なんて、なかなか良かったと思う。すずというキャラクターが個人的には一推しになったが、それは相川奏多の演技によるものが大きいと思う。

しかも、彼女は同時期に放送されている「ワンダーエッグ・プライオリティ」の主人公・アイ役では全く違う演技を披露しているんだよね。なかなか、すごい新人声優が出てきたと思うな。

 

ちなみに、「アイドリープライド」における私の推しキャラは以下の順です。

①すずにゃん

牧野を呼び捨てにするの好きだった。あとちっちゃい!

芽衣

もしかすると、幽霊が見えるっていう設定って、「ゴースト/ニューヨークの幻」の霊媒師、オダ・メイから来ているのかな?麻奈と幽霊の見えないメンバーとの間に入って通訳しているシーンを見て思ったが…。

③遙子さん

序盤で事務のお姉さんのような仕事をしていた頃は一推しだった。アイドル復帰してからは酔っ払いのちょっとウザい先輩になってしまったけれど…。あと、他のメンバーが牧野さん呼びするなか(呼び捨てのすずにゃんは除く)、昔から知っている遙子さんは牧野くん呼びしているのも好き。

 

とりあえず最終回には感動した。最近、秋元系アイドルやそこから暖簾分けした指原系アイドルを巡る“恋愛”スキャンダルが続発しているけれど、アイドルが“恋愛”をしたければ命懸けでなくてはいけないんだよということを教えてくれたような気がする。

まぁ、誰が見ても麻奈が牧野に恋愛感情を抱いているのはバレバレだったけれどね。琴乃ですら分かっていたんだからね。

もしかすると、「アイドリープライド」って、アイドル育成ストーリーではなく、マネージャー育成ストーリーだったのかな?

 

そんなわけで、何だかんだ言って楽しんできたし、キャラクターに感情移入したりもしてきたんだけれど、やっぱり、全体としては物足りないんだよね。

 

本作に登場するアイドルは、

①麻奈(神田沙也加)

②麻奈の後輩にあたる星見プロダクションの面々(月のテンペストとサニーピースの2グループ計10人)

③ライバルにあたるLizNoir(実質スフィアなので4人)

④同じくライバルにあたるTRINITYAiLE(実質TrySailなので3人)

と計18人もいる。

 

①は主人公だと思っていたのに、1話で死ぬという衝撃的なスタートとなったものの、その後はなんだかんだいって、毎回、牧野との絡みのシーン(途中からは芽衣も参戦)があるから、裏ヒロインとしての役割は果たしているとは思う。

 

でも、②に関しては、中盤まではまだ、各キャラの出番はあったけれど、アイドル大会(VENUSプログラム)の描写が中心になってくると、月のテンペストのリーダーで麻奈の妹の琴乃と、サニーピースのリーダーで麻奈の心臓を持つさくら以外はほとんど空気状態となってしまっている。他のメンバーでは、幽霊が見えるという設定の芽衣が、麻奈と琴乃やさくらの間に入って通訳する“仕事”のために出番があるくらいだ。

 

最近のアイドルアニメでは、「22/7」や「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」が、序盤からしばらくは、全体のストーリーを展開しつつ、毎回、1人のメンバーにスポットを当てていき、一通りのメンバー紹介が終わった後にクライマックスが来るという構成にしていたので、終盤になると、それぞれのメンバーに対する愛着がわいてくるが、この「アイドリープライド」では、そういうことをやっていないので、星見プロダクションの2グループのそれぞれのリーダー以外は端役扱いになってしまっているのが残念で仕方ない。実際、作中での名前の呼ばれ方も、“琴乃やさくらたち”みたいな扱いになっているし。まぁ、個々のキャラの掘り下げに関してはゲームでやるよって方針なんだろうけれどね。

 

あと、③と④の扱いもスフィアとTrySailという人気声優ユニット2組のメンバー全員を起用しているのにもかかわらず、活かしきれていないとしか言えない。

③なんかは、終盤になるまで4人全員が集合しなかったしね。

④に関しても、センターと所属事務所社長がいつも言い合っているのは、実は親子の関係だからだというのをいきなり提示されてもねって感じかな。まぁ、その関係性が明かされた回は感動的だったけれど。

 

風呂敷を広げすぎたんだと思うな。1期で星見プロの面々に愛着を持たせ、2期でライバル2組に焦点を当てるみたいな作りにした方が良かったと思うな。

まぁ、新人声優だけだと話題にならないかもしれないので、神田沙也加やスフィア、TrySailなんかも投入したんだろうけれどさ…。

 

最終回は、きれいにまとまってはいたから、2期が作られるかどうかはゲーム版の人気次第ってことなんだろうな…。まぁ、4人になったLizNoirのパフォーマンスは描かれていないから、それは描いてほしいとは思うかな。

 

そういえば、パフォーマンスで思い出したが、気合い入れて描いている時がある一方で、止め画で済ませたり、エンドロールを流している間にパフォーマンスしたことにしたりすることもあって、結構、アイドルアニメの一番大事な部分がおざなりになっている気はしたな。

でも、楽曲は良曲揃いなんだよね。だから、イマイチ、盛り上がらなかったのが本当、残念だなって思うな。

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劇場版『奥様は、取り扱い注意』

テレビドラマの劇場版だから、どうせ、良くてもテレビスペシャル程度の出来だろうと思っていたが、意外と社会性のある作品だった。

 

一度決めたことは、どんなに計画に間違いがあっても続行する国や自治体が描かれていたが、それって、まさに今、我々が五輪を巡って経験していることそのものだよね。

それから、開発に反対する左寄りの思想の集団を潰そうと警察や右寄りの政治家、大企業がグルになっている描写も沖縄をはじめとする日本各地で起きている事案を想起させる。

日テレというキー局が幹事社の映画で、しかも、テレビドラマの劇場版で、こうした与党や五輪に批判的なスタンスの作品をよく作れたものだと感心する。

 

まぁ、その割には、外国人差別と言われても仕方ないレベルの描写もあったので、思想は統一されているとは思えないけれど。

 

それに、そもそも、タイトルに“奥様”って入っているのが前近代的だしね。リベラル思想の人なら、「奥様は、取り扱い注意」じゃないだろ!「妻は、取り扱い注意」にしろ!と言うだろうし、女性に対して取り扱い注意と言うのは女性蔑視だって思うはずだしね。

 

だから、社会派っぽいことをやっているだけなのかもしれないけれどね。

 

そもそも、綾瀬はるか出演映画なんて、どれもこれもツッコミどころだらけというのが定石なんだから、真面目に論じても意味ないしね。

映画館で見た綾瀬はるか出演映画は20本あるけれど、この中でツッコミどころがほとんどなかったのって「海街diary」くらいだしね。

 

本作でも、記憶喪失になった綾瀬はるかの精神的カウンセリングをする診察室の棚が空っぽってのは偽の診察室という設定だとしても何か置けよって思ったし、市長参加の式典に反対勢力が何の問題もなく滑りこめているのもおかしい。というか、全編を通じてご都合主義だらけのストーリー展開だけれどね。あと、コスプレとLGBTQとスパイを同一視していないか?それは海外視点のポリコレ的にはNGだぞ!それから、片方は日本語で話し、相手は外国語で話しているのに話が通じているのにも感心した。

 

それにしても、綾瀬はるかって、同世代の女優の中ではアクション演技がずば抜けているよね。NHKドラマ「精霊の守り人」(そういえば途中までしか見ていない)で鍛えられたおかげかな。

それから、本作は邦画にしては珍しく、スタントマンの個人名がきちんとクレジットされていたが、キャストではなくスタッフ扱いになっていたことには違和感を抱いたかな。ハリウッド映画ならキャスト欄にクレジットされているし、画面に映っている以上は、スタッフではなくキャストだと思うんだよね。

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ファンタジア

本作を映画館で見るのは1990年のリバイバル上映以来だ。この時は、修復版での上映という触れ込みだったか、シャンゼリゼ(現在の丸の内TOEI2)で自分が見たバージョンは何故か画質の荒いものだった。

そして、1991年にビデオソフト化された際に購入したLDを見ると、修復版に携わったスタッフのクレジットが流れるエンドロールが付けられていた(昔の映画なので、そもそもエンドロールがないのが初公開時の本来の形)。なので、このリバイバル上映時に日本でかけられたバージョンは修復版ではなかったのではないかという疑念をいまだに持っている。それなら、映像が荒いのも納得できるし。 

 

ところが、今回上映されたバージョンは90年上映版と同じエンドロールなしのものだった。しかし、見ていて色々と違和感を抱いた。

実写パートというか、楽曲解説がやけに長いんだよね。それから、ちょうど半分の4曲が終わったところで、“ここから15分の休憩です”と解説者がアナウンスするシーンが入っていたが、これは見た記憶がない。

多分、90年のリバイバル上映時に見たバージョンや、91年にビデオソフト化された際のバージョン以外にも、「ファンタジア」という作品には色々なバージョンがあるってことなのかな?

せっかく今回は、休憩告知のシーン入りのバージョンで上映したんだから、本当にインターミッションを入れればいいのにとは思ったかな。

 

ところで、自分は今回のリバイバル上映を松竹のシネコン新宿ピカデリーで見たが、松竹はディズニーの最新長編アニメーション映画「ラーヤと龍の王国」の自社スクリーンでの上映は拒否しているのに、同じディズニーの「ファンタジア」は上映するって矛盾しているよね。

「ラーヤ」の上映を拒否した理由は、ディズニーが劇場公開初日と同日にディズニープラスでの配信を開始したことが映画館を軽視していると判断したことだったはず。

だったら、とっくの昔にビデオソフト化もされ、配信も行われている「ファンタジア」だって、上映拒否すべきなんじゃないのかなって思う。

 

また、観客に対しても疑問を抱いた。いくら、23区内の上映館が1日1回とか2回しか上映しないとはいえ、新宿ピカデリーの座席が結構埋まっていたということに驚いた。しかも、老若男女の観客が集まっている。同じディズニー映画なのに、新作の「ラーヤ」がガラガラで、再上映の「ファンタジア」が混んでいるって、どういうこと?

 

もしかすると、我々のような映画マニアではない一般観客にとってシネコンというのは、東宝東映・松竹の邦画大手3社が運営するサイトのことであり、イオンとかユナイテッド・シネマなどはアウト・オブ・眼中なのではないかという気がしてきた。

だから、東宝東映・松竹の邦画大手3社やそれに近い立場の興行会社が軒並み上映を拒否した「ラーヤ」の存在を一般観客は知らないのではないか?イオンやユナイテッド・シネマというのはサイト付近の住民か、見たい作品を求めてどこへでも見に行くようなマニアにとっては、選択肢の一つだけれど、一般観客にとっては、ハナから眼中にないってことのような気がしてきた。確かに、イオンやユナイテッド・シネマシネコンが混んでいることって滅多にないしね。

 

去年の緊急事態宣言が明けて間もない頃、上映作品不足のため、本来ならミニシアター系で上映されるようなアート性の強い作品や旧作の再上映がシネコンで行われていたのも、これと同じで、結局、口では“ミニシアターを救え”とか言っていても、配給会社は本音では東宝東映・松竹の劇場で上映されなければ利益が出ないと思っているってことだしね。

 

日本のディズニーは本国の方針通りに動かなくてはならないけれど、欧米とは違う日本のマーケットに合った公開の仕方をしたいと本音では思っているんだろうな…。本国と邦画大手3社系を中心とした日本の興行界との板挟みって感じでかわいそうだよね。

 

ところで、久々に「ファンタジア」を見た感想としては、“こんなもんだっけ?何かテンポ悪いな”ってのが正直なところかな。

 

「ファンタジア」は元祖MVともいえる作品だけれど、自分が前回に劇場で見てからの約30年、MVで使われる技術はどんどん進化しているから、物足りなく感じるのかもしれないな。

まぁ、最近、やたらと流行っているネット発ボカロ系アーティストのMVはアニメ仕立てのものが多いけれど、そういうアーティストのMVよりは遥かに優れた出来だとは思うけれどね。

あと、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートで、演奏の様子に風景とかバレエのパフォーマンス映像がインサートされるのって、「ファンタジア」の影響下にあるよねって思った。

 

ちなみに各エピソードで思ったことは以下の通り。

 

トッカータとフーガ・ニ短調

この曲といえば、「ファンタジア」か「幻魔大戦」を思い浮かべる。

 

くるみ割り人形

ディズニーは2018年に実写映画の「くるみ割り人形と秘密の王国」を製作しているけれど、よく考えたら同作は「ファンタジア」の一編の長編化ではないんだよね…。実写映画は原作のストーリーを基にしているけれど、「ファンタジア」では曲を使っただけだからね。

あと、「ホーム・アローン」を思い出す。まぁ、「くるみ割り人形」も「ホーム・アローン」もクリスマス・ストーリーだしね。

 

魔法使いの弟子

もっと、後半のクライマックスで登場するイメージがあったけれど、3曲目と意外と早めの登場だった。6曲目で登場する「ファンタジア2000」のイメージに引っ張られてしまっていたのか…。

そういえば、これはニコラス・ケイジ主演で無理矢理、実写映画化されたな…。

 

春の祭典

このエピソードで荒地を恐竜たちが進んでいくシーンって、スピルバーグ製作総指揮のアニメーション映画「リトルフットの大冒険 謎の恐竜大陸」に間違いなく影響を与えていると思うんだよね。スピルバーグはディズニー映画で育ったと公言しているし、同作のドン・ブルース監督はディズニーのアニメーター出身だから、可能性は高いと思うな。

 

「田園」

半人半馬の女性が上半身裸だったり、赤ちゃん姿の天使が裸だったりという描写を見ると、現在の若干行き過ぎた欧米のポリコレ基準では、そのうち修正されるのではないかという気もしてきた。

そういえば、「くるみ割り人形」の踊るキノコも釣り上がった細い目という描写だが、これもアジア人蔑視になるよね。

 

「時の踊り」

いかにもディズニー的な動物描写って感じかな。

 

「禿山の一夜」

コレは明らかに女性の乳首が描写されているから、そのうち修正されそうだよね。

 

アヴェ・マリア

最後にこれを聞くと癒される。

ところで、安倍マリオって言葉が五輪演出担当の“オリンピッグ”発言で再度クローズアップされたけれど、もしかすると、安倍マリオという言葉の元ネタって、アヴェ・マリアなのかな?

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おとなの防具屋さんⅡ

テレビでは倫理概念の薄いTOKYO MXやオプション料金が必要なCSチャンネルでのみの放送で、あとは配信サービスでの提供という形であるとはいえ、ここまでポリコレ的、フェミ的観念を全否定するオタクに媚びたエロアニメが普通に毎週流れているんだから、本当、日本は前近代的な思考の国なんだなというのをつくづく実感する。

女性を性の道具扱いしているようなアニメなんて、成人向けサービスならともかく、いくらMXとはいえ、地上波で流れるのは考えられないよね。まぁ、リリエッタは可愛いと思うし、その声を担当している東山奈央も可愛いとは思うが。

 

あと、魔王役のえなこも可愛いと思う。彼女が表紙の雑誌を見かけると、つい買ってしまうしね。そういえば、えなこって、タワレコのアキバ店では声優・アニソン歌手のコーナーにCDが置いてあるけれど、えなこって声優扱いなの?まぁ、コスプレとアニメは近接するジャンルだし、本作以外にもアニメ出演しているから問題はないんだけれど。それから、毎週、MXでの本編放送終了後に、えなこが魔王役としてナレーションを務めている原作のCMが流れるが、最終回放送週にも“来週も見るナリ”みたいなナレーションのバージョンをそのまま使うのはどうかと思うぞ。

 

ちなみに、自分が前シーズンを見ていないにもかかわらず、今回のシーズンを見ることにした理由は、HKT48のメンバーが声優として参加しているからというものだ。しかも、その中には、まだ、日本に戻ってきていないさくらたんを除くと一推しになるみくりんが含まれている。だから、見ずにはいられないと感じてしまった。

 

でも、本編では、チョイ役とかモブキャラの声を担当しているだけだった。要はクレしん劇場版でゲスト声優を務める一発芸系の芸人みたいな扱いだった。声優挑戦と呼べるほどの仕事にすらなっていない。

 

配信版で本編のあとに付いてくる映画ネタのおまけアニメの方では、もう少し台詞がある役を演じてはいたが、こっちは酷い演技と言わざるを得なかった。

個人的には、アニオタが何かというと、本業が声優でない人が声優仕事をすると文句をつけることには辟易している。

だったら、声優がキャラソンでも出演アニメの主題歌・挿入歌でもない楽曲をアニメ声で歌い、CDを出したり、ライブを開いたりすることも、お前らきちんと批判しろよって言いたくなるが、彼等はそういうのは喜んでいるんだから、矛盾も甚しいと思うしね。

でも、今回のHKTの声優演技は酷かった。いくら推しのみくりんとはいえ、評価することはできなかった。

 

さらに、配信版では本編とおまけアニメの後に、本編にHKTメンバーのオーディオコメンタリーをかぶせたバージョンも流されたが、これも意味不明。単なるモブキャラ担当のアイドルにオーディオコメンタリーをやらせても何の意味もない。スタッフやキャストと親交があるわけでも、原作や前シーズンの熱烈なファンでもない。本編ではモブキャラ担当なんだから、自分たちの演技やその時の裏話を話すほどの材料もない。だから、無言になる場面もある。その一方できちんと時間内で話がまとまらないことも多い。次回予告が終わっても話が終わらないから、画面がフリーズになることもしょっちゅうあったし…。

 

このオーディオコメンタリーについては、前シーズンからのファンなどアニオタからは酷評されていたが、HKTオタの自分から見ても不要だと思う。アニオタからもドルオタからも必要とされていない、誰も得しない企画だったなと思う。これを見て、HKTを声優に起用しようとか、アニメ関連のイベントに呼ぼうとか思う人なんていないよね。

 

最近は声優アイドルという設定はほとんど忘れ去られていてるとはいえ(以前はそれこそ、モブキャラのような扱いではあったけれど、時々、アニメに出ていた)、イコラブがやるならまだ分かるんだよね(ノイミーでもいいが)。一応、代アニ発のプロジェクトだからね。あるいは、乃木坂のさゆりんごだったら、これまでにも声優として参加した作品で一定の評価を得ているし(明らかな棒演技の作品もあったが)、アニメ好きと公言したりもしているし、最近はポケモン楽曲を歌ったりもしているので納得できる。

 

でも、HKTの起用は“何で?”って感じ。実写も含めても今回の参加した4メンバーのうち、演技志向をはっきりと打ち出しているのは田島芽瑠くらいだし、実写映画に出演した経験があるのも、その芽瑠とみくりんだけだ。2人とも何故か部活のマネージャー役だったが。芽瑠は「泣くな赤鬼」で野球部の。みくりんは「#ハンド全力」でハンドボール部のマネージャー役だった。でも、いずれも出番は少なかったし、公開規模も大きくなかったから、彼女たちの演技を見て起用しようと思ったということはまずないと思う。

 

そもそも、HKTをエロアニメに出させるって意味不明だよね。基本的にドルオタはメンバーの恋愛には厳しく処女性を求めがちなんだから、エロアニメ出演なんて歓迎するわけがない。

また、アニオタにはアイドル嫌いも多い(ドルオタにアニメ好きは結構いるんだけれどね)ので、彼等からも歓迎されない。

何故、このプロジェクトにGOが出たのか、本当、理解できないな。

 

それだけ、HKTの懐事情が厳しいんだろうね。有料のモバイルサイトなんて、最近は単なるスケジュール確認とプレスリリース掲載だけの場になっているからね。

以前は頻繁に掲載されていたイベントやライブの詳細リポートも尾崎支配人が抜けて以降は全然更新されなくなったし、ダウンロードできるコンテンツもだいぶ減ってしまった。

「せーのでホイッ!」という日替わりメンバーとあっち向いてホイをするゲームが唯一、毎日更新されるコンテンツ状態になっていたが、これも今月いっぱいで終了してしまう。

また、AKB48グループは各グループこどに運営会社が変わってしまったため、HKTモバイルの会員であっても、HKT絡みの公演などのチケットが買えないことも増えている。全く何のための有料モバイルサイトなんだかという気がする。

 

さくらたんがIZ*ONEとしての活動を完全に終えた後の進路がどうなるかはさておき、一旦は日本に戻ってきて、何らかのHKTのライブやイベントには出てくれるだろうという期待から解約せずにはいるけれど、さくらたんの進路が確定したら解約する気がするな。

 

HKTが資金難のように見える理由には博多のグループといっておきながら、実際は関東のファンが多かったから、コロナ禍では移動が制限されるのでイベントやライブの開催が思うようにできないというのがあるのかもしれない。

でも、STUは緊急事態宣言下であるにもかかわらず、武道館公演をやったわけだから、やろうと思えばできるはずなんだよね。ということは、関東でライブを開催するだけの予算がないと見るしかないんだよね。

 

だから、少しでも金になればと、こんなエロアニメ仕事を受けたんだろうね。

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LOVEBITES RIDE FOR VENGEANCE TOUR 2021 @TOKYO DOME CITY HALL

これまでずっと、現場に足を運びたいと思っていたが、なかなかスケジュールが合わず見る機会がなかったLOVEBITESのライブにやっと参戦することができた。

といっても、新型コロナウイルスの影響で延期となった公演がリスケージュルされて改めてチケットが再発売されてから購入したので、席は非常によろしくないが。TDCホールの3階で、後ろから2列目だからね…。

 

それにしても、ガールズ・メタル・バンドといえば、嬢メタル・ブームが起きた2010年代初頭からAldiousが長いことトップ・ランナーで、Cyntiaが2番手って感じだったけれど、Cyntiaがメタル色のほとんどないアニメとのタイアップ曲がそこそこヒットした辺りからAldious陣営も焦りだし、同様にポップ路線になってしまったんだよね。

そして、見た目はキュートでもハードでヘヴィな音楽を演奏するというのを好んでいた人たちはAldiousからもCyntiaからも離れていってしまった。

また、両バンドをアイドル的、アニソン的なノリで支持していた人たちは、元々はアイドルの課外活動だったBABYMETALの方に興味が移ってしまった。そうしたシーンの変化などが影響したのか、Cyntiaは解散してしまった…。

さらに、Aldiousに関しては、メンバー・チェンジが多く、特にボーカルが変わるたびに音楽性に多少の変更が出てしまうこともファン離れに繋がってしまったと思う。

 

そうした中、デビューしたのがLOVEBITESだ。彼女たちは、音楽賞を受賞したり、フェスに出演するなど、AldiousやCyntiaがなしえなかった海外での成功も手にしてしまった。発音は洋楽好きには聞きにくい日本語訛りではあるものの、英語で歌唱していることが海外進出しやすかったのだとは思う。

そうした、海外での高評価のおかげで、国内チャートを意識した一般邦楽的なサウンドの楽曲を発表せずに済んでいることから、気がつけば、メタル好きからの評価はあっという間にAldiousを上回ってしまった。最近のBURRN!での取り上げ方とかを見ても完全に、数多ある嬢メタル系の中でトップ・ランナー扱いになっている。

 

そして、嬢メタルといえば、音楽性よりもルックスが重視される傾向はあるが、Aldiousよりかはロックっぽいビジュアルでありながら、可愛い系のルックスのメンバーもいてバランスの良さはあると思う。

 

でも、観客の顔ぶれを見ると、ほとんど、アイドルとかアニソンのライブ会場と変わらないな…。それは、だいぶ前にAldiousのライブを見た時にも感じたことだけれどね。まぁ、メタル野郎にはドルオタやアニオタが多いというのは昔から言われていたけれど、これだと、一般の邦楽ロックや洋楽のファンからは、所詮、嬢メタル人気はアイドル的な人気であり、音楽ではなくルックスで支持されているんだと言われても仕方ないかな…。ちなみに自分はドラマーが好みだ。

ところで、海外でも活動しているアーティストなのにライブ本編どころか開演前や終演後でも場内での撮影禁止ってのはおかしいでしょ。まぁ、コロナ禍で海外での活躍が難しいから国内での活動が中心になると、結局、そういう古臭い日本の芸能界システムでやらざるをえないんだろうね。BABYMETALが紅白に出たみたいなものかな。

 

それから、TDCホールでの開催なのに1ドリンク代別途必要っておかしいだろ!TDCホールはライブハウスとかライブスペースと呼ばれる飲食店扱いの施設ではないんだからさ!

コレって、LOVEBITES側がコロナ禍で中止や延期になった1ドリンク制の公演で取り損ねたドリンク代を回収しようとしているのか?それとも、TDC側がコロナ禍の市松模様の座席販売では利益が出ないから客にドリンク購入を強制しているのか?どっちなんだろうか…。

いずれにせよ、TDCはライブハウスやライブスペースではないんだから、コロナ禍で懐事情が厳しいんだったら、最初からチケット代をその分、値上げしておけよって思うな。

 

ちなみにライブ自体は久々にライブらしいライブを見たって感じだった。コロナ禍になってから見たのって、アイドルとかアニソンばかりだったしね。唯一の例外はあいみょんだけれど、ソロ・アーティストだからね。バンドは本当に久しぶりだ。

しかも、こういう低音が耳や体に響いてくるジャンルのライブは久しぶりだ。ここまで、ラウドにやっているのに、やっぱり、アイドル的人気がメインな気がするんだよな…。まぁ、ビジュアルがいいから仕方ないよね。というか、ドラマーは可愛いと思うし。

 

それにしても、ジャンルを問わず、邦楽のライブって頭から3曲ほど歌ったあたりでMCを入れるし、あと数曲で本編が終わるのに、“まだまだ、これから”的な煽りを入れるのは何故なんだろうか?

ただ、ジャンルを問わず邦楽のライブで、リリース情報とかライブ情報などの告知タイムがないのを見たのは久しぶりだった。

 

とりあえず、日本ではバンドのライブがコロナ禍でも開催できるというのは、日本の芸能界が自転車操業だから集金したいとか、日本人に危機感がないといった理由もあるけれど、一番の大きな要因は、邦楽のアーティストやファンの間ではシンガロングはやってはいけないとなっていることだと思うな。洋楽、特にロック系なんてシンガロングなしではライブなんて成立しないしね。

最後に一言。LOVEBITESって名前が海外も含めたメタル好きに支持されやすい理由ってのもあるよね。ハード・ロックヘヴィ・メタル系の音楽が好きな人間であれば、デフ・レパード最大のヒット曲(全米ナンバー1ヒット)の「ラヴ・バイツ」を知らない人間はいないしね。

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