自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

真実

是枝裕和って、そろそろ巨匠扱いになりつつあるとは思うのだが、ここ5年、毎年、新作を発表しているってすごいなと感心した。

それにしても、これは邦画なのか、洋画なのか、よく分からない作品だった。終わり方は、いかにも是枝作品って感じだったが。

エンド・クレジットに俳優名のみが出て役名が出ないのは邦画的だし、アルファベット表記だが、ヒロカズ・コレエダではなく、コレエダ・ヒロカズになっているのは、日本をアピールしているのかなという気がした。(反安倍政権なのに、こういうところは安倍政権と同じなんだな…)

その一方で、協力企業のロゴがカラーで大きく出るのは、アジア映画やヨーロッパ映画でよく見るダサい感じだな思った。あと、邦画では最後にマルシーと映倫マークが出るが、それもないから、日本映画というよりかは、フランス映画の管轄なんだろうなとは思った。

是枝作品だから、それなりのスクリーン数で公開されているが、普通ならミニシアター公開の内容だよな、コレ。夜勤明けで見たら寝る内容だよね。つまらないわけではないが。というか、劇中劇のSF映画が見たくなった。

そういえば、ダメになった女優はチャリティや政治に走るという台詞があったが、フランス人も日本人みたいな考えなのか?それとも、これはハリウッド批判か?でも、その流れで言ったら、是枝自身も政治批判しているから、自分はダメになった監督ってことでは?自虐ギャグか?

ところで、自分は字幕版で見たが、吹替版でジュリエット・ビノシュの声を宮﨑あおいが担当している理由が理解できた。過去に是枝演出ドラマに出ていたというのもあるが、それ以前に顔でしょ。宮﨑あおいが年をとったら、あんな感じになりそうだもんな。

それにしても、本作を鑑賞したTOHOシネマズ西新井は振動が酷いな。地震よりも揺れる…。多分、MX4D上映をしているスクリーンの揺れが近くのスクリーンに伝わるんだろうな。こういう静かな映画を上映すべき劇場ではないね。

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