自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

マレフィセント2

ホロコーストの映画だとは思わなかった…。

本作には、「国民を恐怖心であおるのがリーダー」という台詞が出てくる。これは明らかに、トランプや安倍といった、現在、世界の指導者と呼ばれる連中がやっていることを批判しているものだと思う。

これだけを取り上げると、最近のディズニーはポリコレ臭が酷くて嫌だと思われそうだが、この映画からは、明らかに、ここ最近の偽善ポリコレ路線ディズニー映画とは違うものを感じた。何しろ、一番の悪は女性だ。そして、この女性の命令で動く軍の司令官は黒人だし、この女性の命令で化学兵器を開発するのは元妖精、つまりマイノリティだ。

女性や黒人、障害者など差別されているとされる人間が必ずしも正しいとは限らない。逆に、非人道的なこともしている。白人社会、男社会、キリスト教社会に気に入られるために、名誉白人名誉男性、名誉キリスト教徒みたいなことをしている連中が多いということを問題提起しているのかなとも思った。

確かに、自民党の女性政治家とかネトウヨ思想の外国人やLGBTQとか、日本にも多いし…。

まぁ、即位の礼の日にロイヤル・ファミリーものの映画を見るのも、なかなかという感じかなと思ったりもした。それにしても、そういう日なのに、映画館には結構人が来ているよな。自分も含めてだが。

皇族の大事な日だから、映画館を休業にするとか、上映が中断され国歌が流されるとか、そういうのがないんだから、日本はまだまだ民主主義国家なんだよなというのを実感する。まぁ、国民も言うほど皇族万歳ではないってこともバレバレになってしまったが…。

安倍政権は、そういう国民全員が皇族万歳をする雰囲気を作ろうとしてパレードを強行しようとしたんだろうが、今の天皇夫妻は常識のある方々だから、パレードは延期になったが…。秋篠宮家が天皇になった時が怖いよな…。自民党はそれを願っているんだろうな…。

ところで、あるキャラクターの描写だが、前作はおろか、同じディズニー映画である名作アニメーション、その元となったバレエ、それどころか、それらの原作である童話まで否定しているような気がするのだが…。

まぁ、ドレスの色を妖精カラーに変えるのはあったので、全く過去作を無視しているとは言えないが…。

とりあえず、政治的意識を感じる映画としては「ジョーカー」といい勝負かな。

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