自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

イエスタディ

ツッコミどころは多いし、話もまとまっているのかまとまっていないのか分からないような終わり方だが、ダニー・ボイル監督作品だけあって、音楽ファンには泣ける映画だった。現実世界では存在しないはずの、あの人の登場なんて泣けるよな…。

それにしても、ザ・ビートルズが存在しない世界だと、オアシスも存在しなのか…。ザ・ローリング・ストーンズや、パルプ、レディオヘッド、コールドプレイは存在するのに…。

一般的にはザ・ビートルズはホワイトカラー・優等生、ザ・ローリング・ストーンズブルーカラー・不良みたいなイメージで(実際は違うが)、そこから、オアシスはストーンズ系列扱いにされていたが、やっぱり、音楽的にはビートルズ系列だよなと多くの音楽ファンが思っているしね…。まぁ、オアシスが存在しなくなるのは納得かな。

何故か、日本では、「ワンダーウォール」や「ドンルク」より人気がある「ホワットエヴァー」なんて、もろ、ビートルズ直系だしね…。

そういえば、劇中セリフの「ワンダーウォール」は、字幕では“オアシスの曲”に変えられていたが、何故、「フィックス・ユー」は“コールドプレイの曲”には変えられず、そのまま、曲名で出てきたんだ?

もしかすると、字幕翻訳者はコールドプレイを知らない?それとも、オアシスは過去のバンドだから、若い観客には曲名を言っても通じない。でも、コールドプレイなら、現役でヒット曲を出しているバンドだから曲名は認知されているでしょって配慮か?

あと、字幕のセンスが全体的に古い。サンキュはないでしょ…。ドリカムか?

ちなみに、一番面白かったところは、エド・シーランが自分の携帯の着信音を「シェイプ・オブ・ユー」にしていたこと。というか、エド・シーランの出番多かった…。

それにしても、アジア映画やヨーロッパ映画ではたまに見る、エンディング曲が終わっても、しばらくクレジットが無音のまま流れるやつ、英国ワーキング・タイトル作品とはいえ、ハリウッドのメジャー・スタジオの配給作品でもあるんだな…。

そういえば、日本の宣伝って、予告でもチラシでも、ザがつかないビートルズだったな。いかに、日本の映画業界人が音楽に興味がないかが分かるな…。

音楽に興味のない日本の映画業界といえば、ダニー・ボイル監督が「スラムドッグ・ミリオネア」のキャンペーンで来日した時に、使用曲について質問したら、身を乗り出して熱く語ってくれたのを思い出した。日本の映画関連の取材する連中って、音楽の知識がないから、こういう質問を他に誰もしなかったんだろうな…。

f:id:takaoharada:20191017175158j:plain