自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

ミッドサマー

何故、この時期に公開するんだ?とはいえ、夏至の時期まで待たされるのもアレだしな…。でも、トイレが近くなる冬に約2時間半の映画を公開すんなよとも思った。

とりあえず、やたらと上映中にトイレか何かで席を立つ観客が多かった。アリ・アスター監督の作品は前半は淡々としていて、なかなか怖くならないのは、前作「ヘレディタリー」を見た人なら分かっているはずなのに、そういう人が多いってことは、前作を知らずに見た人が多いってことかな。

ツイッターのトレンドに「ミッドサマー」が入ったってのもステマだったのかな?「ヘレディタリー」も最恐ホラーみたいなふれ込みだったが、前半は全然怖くなかったしね。ファントム・フィルムステマ一歩手前のプロモーションが上手いってことなのかな?

「ヘレディタリー」は、後半は確かに怖かった。でも、どちらかというと、超常現象やカルト宗教より怖いのは、人間ってのが前半の淡々とした部分で強調されていて、そっちの方が後半の典型的オカルト映画描写より怖かったんだよね。なので、アレはアレで、傑作ホラー映画という評価も納得できる。

でも、「ミッドサマー」はぶっちゃけ、自分が見ているのは果たして、ホラーなのだろうか?という感情がたびたび巻き起こるんだよな…。つまらないとは思わないが、正直怖くない。エログロもあるが、どちらかといえば笑ってしまう。ジェイソンとかフレディみたいな様式美的な笑いとか、「スクリーム」シリーズみたいなパロディとかメタとかの笑いなら別だけれど、本作は、ぶっちゃけ、何じゃ、これ?って笑いだからな…。まぁ、子孫繁栄に必要なために中出しを強要され、受精に成功したと認定されたら殺されてしまうってのは、男にとっては恐怖だよなとは思った。

それにしても、この映画、スウェーデン人が見たら怒るんじゃないか?それとも、ハリウッド映画が描いたおかしな日本描写、アジア描写を、我々がネタとして楽しんでいるように彼等も楽しんでいるのかな?

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 そういえば、自分が見に行ったシネコンは土曜の昼にもかかわらず空いていた。新型コロナウイルス感染を恐れている人が多いせいかな?シネコン入口に消毒液が置かれているのなんて初めて見た光景だし。でも、「ミッドサマー」は混んでいた。ホラーとかアニメとかODSとか特定のコアなファンに向けたジャンルの作品を好む人は新型コロナウイルスなんて気にしないってことなんだろうな。

でも、屋内施設は空いている割には、公園とか屋外には結構人がいるんだよな…。この国の人々の衛生に関する感覚は理解不能だな…。

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