自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

ほとんど映画も見ない、小説も漫画も読まないって人ならともかく、そうでない人なら、誰もが予想する通りのベタな結末だった。

そして、そのネタバレしてはいけない部分も含めて、いろんな方面から批判されても仕方ない映画だと思った。

最近の日本では映画やアニメ、漫画などに対して、ポリコレ的視点から批判すると、今度はそれに対して国際感覚のない人たちが表現の自由云々で批判した人たちを批判するっていうパターンが多くてあきれてしまうが、これもそうなる可能性をはらんだ作品だと思った。

 

とりあえず、スリラー映画とかサスペンス映画としてはクソだと思う。ツッコミどころだらけだし(派手な色の髪をした受刑者がいること自体、不自然だが、そいつが警察官の制服を着て簡単に脱獄できるなんてありえない!)。あと、安っぽい。安っぽく感じるのは、多くの日本の映画やドラマ、アニメなどと同様にSNSのサービスや検索エンジンなどが実名ではなく、まがいものっぽい名称で出てくることによる部分もかなり大きいと思う。

仮想通貨もまがいものっぽいのが出てきたし(そういえば、数年前は、やたらと良い面も悪い面も騒がれていた仮想通貨だが、最近はほとんどニュースにならないよな…)。

でも、神奈川県警はきちんと実名で出てきて、これがTVや新聞での報道でおなじみのクソ団体として描かれているので、神奈川県警の描写に関しては、そういう安っぽさの印象が薄れ、リアルさが出ているのは面白かった。

ずさんな操作、サイバー課所属なのにネットに関して無知な上司(最初の方でアカウント乗っ取りの説明とか出てくるから警察のプロモーション映画かと思ってしまったが、アレは無能上司を際立たせるための演出だったのか…)、受刑者に対して非人道的な行為を行う刑事(こいつは公私混同し、借金のもみ消しまでさせている)、違法捜査をする刑事、等々…。本当、ニュースで見聞きする通りの酷い神奈川県警そのもだ。なので、神奈川県警の酷さを糾弾する社会派映画としてはよくできていた。

 

リアリティといえば、神奈川を舞台にした作品で、クルーズ船が出てくるのも新型コロナウイルスが蔓延する状況にピッタリ。しかも、ずさんな対策でみすみす悪党を海外逃亡させてしまうのなんて、新型コロナウイルス対策がなっていない日本そのものだな。

 

ところで、1作目の脇役が2作目では主役になっているって珍しいパターンだな…(でもないか…)。まぁ、3作目が作られるとしたら2作目の終わり方を考えると主役は続投なのかな?原作を読んでいないので知らないが…。

 

あと、タイトルはもう関係ってないんじゃない?って気がする。強引にスマホを落とすシーンを回想で入れたが、ダメでしょ、アレは!

それにしても、このタイトルを見ると、「スマタをしただけなのに(中出しとか妊娠とかいう言葉が続いてもいいが)」なんていうAVが出てもおかしくなさそうなのだが、パッと検索してみると見当たらないのは何故?

 

そして、エロ話をもう一つ。まさか、まいやんに性的興奮を抱く映画だとは思わなかった…。アイドルは普段、グラビアとかで服を脱ぐ仕草とかやっているし、下着や水着姿を見せているから、別に着替えのシーンとか下着が見えるシーンとかは何ともないはずなのに、映画で見るとエロい…。

あと、レイプ未遂場面で服を破られたり、胸や太股を触られるシーンがあって驚いた。まぁ、ここまで演れれば、乃木坂卒業してもおかしくないよなとは思った。

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