自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

きみの瞳が問いかけている

「きみの瞳が問いかけている」って、全然、そういう素振りを見せずに宣伝しているけれど、韓国映画のリメイクなのか…。

そりゃ、クリスチャンっぽい設定が入ったり、主題歌がBTSになったりするわけだ…。

「きみの瞳が問いかけている」という日本語タイトルも、「Your eyes tell」という英語タイトルも韓国映画のタイトルの直訳っぽい感じがするしね。

とりあえず、韓国版を見てないから偉そうかことは言えないが、全体的に日本映画にしたことによって展開に無理矢理感が増した気はするかな。

 

そして、その韓国版はチャールズ・チャップリン先生の名作中の名作「街の灯」にインスパイアされた作品ということだが、ヒロインが盲目と主人公がボクシングをやるってこと以外、ほとんど共通点ないよな…。韓国版は見ていないのであれだが、日本版でいえば、ヒロインは「街の灯」のような貧乏人でもないし、主人公がやっているのはボクシングではなく正確にはキックボクシングだしね。そして、「街の灯」のようなハッピーとアンハッピーが同時にやってくるラストシーンでもない。だから、「街の灯」を期待するとガッカリすること間違いなしだと思う。

 

そういえば、三木孝浩監督作品というと東宝配給のキラキラ映画というイメージが強いが、本作はギャガ配給だったことに驚いた。でも、これまでの作品を振り返ってみると、結構、東宝以外の作品もあったんだな…。ガッキーとかすずが出ていると東宝作品に見えてしまうってことなのかな?それから、キラキラ映画というとコミックやラノベ原作の学園ものというイメージだけれど、本作も広義ではそういう作品が好きな層向けの映画だから、別にこれまでの三木作品とかけ離れた内容にもなっていないしね。

 

そして、BTSによる主題歌「Your eyes tell」についてもふれておきたいと思う。全米ナンバー1ヒットとなった「Dynamite」は世界的ヒットになるのも当然といった出来の楽曲だし、今年リリースした韓国語曲でいえば、「ON」とか「Black Swan」も洋楽レベルの楽曲だった。K-POPアーティストの韓国語曲の日本語バージョンではない日本市場向けの楽曲は韓国語曲に比べるとレベルが低いというのが定番だが、今年発表された日本語曲「Stay Gold」はMVも楽曲自体もレベルが高かった。でも、この「Your eyes tell」は典型的な邦楽好きな人向けのバラードって感じで、ぶっちゃけ、「Dynamite」などと比べるとダサいと言わざるを得ないって感じかな。まぁ、この曲嫌いじゃないけれどね。

 

それにしても、吉高由里子が可愛いだけの映画だったな。彼女にだったら、「おじさん」って呼ばれてもいいやって思ってしまったからな…。

それから、野間口徹がヒロインの上司であるセクハラ主任役で登場するが、主任ってのはマネージャーのことかな?つまり、「AKB48SHOW」や「有村架純の撮休」でおなじみとなった芸能マネージャー役から来ているキャスティングってことかな?

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