自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

劇場版 ハイスクール・フリート

タイトルに「ハイスクール」と入っている。しかも、舞台は日本なのに、その学校に通う者たちのことを教える側の人間が「学生」と呼ぶのはおかしいだろ!

しかも、ところどころ、「生徒」と呼んでいる箇所もある。

多分、作った側の人間は「学生」「生徒」の定義を知らないんだろうな。

というか、日本の映画、ドラマ、アニメ、小説、漫画などの90%以上(個人的な体感による指数)が間違った使い方をしていると思う。一般人もほとんどの人間が使い分け方を知らないしね。企業も中高生に対して「学割」とか「学生服」なんて言葉を使うから、知らないんだろうなとは思う。当の高校生ですら、自分たちのことを学生だと思っているからな…。「生徒手帳」とか「生徒会」という言葉があるのに、自分たちを「学生」だと思っているからな…。

 

ぶっちゃけ、教育関係者と、紙・電波問わずニュース原稿を書いたことがあるマスコミ関係者以外、この使い分けを知らないんじゃないかとマジで思う。弁護士や政治家ですら、よく間違って使っているもんな…。

 

まぁ、英語では全部、studentで済むことを教育のレベルによって、学生・生徒・児童と言い換えている日本の教育システムがおかしいんだけれどね。

 

それはさておき、本作からは、いかにもネトウヨとの親和性が強いアニオタ向きの作品だよねって臭いを感じることができた。

ただ、あまりも二番煎じ、三番煎じな部分は強いけれどね。ぶっちゃけてしまえば、「ガルパン」の要素と「艦これ」の要素を混ぜたようなもんだしね。あと、同じく広義のミリタリー系萌えアニメに括られる作品といえば、「ストライクウィッチーズ」とかもあるし、全然、新鮮味はない。

 

ところでネトウヨといえば、安倍政権はとっくの昔に中国に媚びるようになったのに、いまだに彼らは中国を敵国扱いしているのは面白いよなとは思う。

本作も南シナ海とか出てくるので、てっきり、ネトウヨ受けする中国を仮想敵国とする、よくあるタイプの話かなと思ったりもした。ところが、その敵は英語を話しているし、敵に利用された子どもの風貌を見ると東南アジアっぽいし、もしかすると、中国と領有権争いをしているフィリピンあたりが敵国なのか?なんて考えたりもした。つまり、フィリピンを悪者にする=中国に媚びる=安倍政権に媚びる。そんな映画なのだろうか?

それにしても、ネトウヨ思想の人たちって、中国は嫌うくせに、ソ連・ロシアは好きだよな。この手のミリタリー系萌えアニメってロシアネタ多いしな…。

上坂すみれもそうか…。

 

とりあえず、映画はテンポが悪かった。ダラダラと戦っているうちにエンディングになったって感じかな。

 

一番良かったのは、TrySailによる主題歌「Free Turn」。

彼女たちの曲で一番好きかも。

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