自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

荒野のコトブキ飛行隊 完全版

通常版でしか上映しない劇場でも「荒野のコトブキ飛行隊 完全版 MX4D」と表記されたチラシが配布されていたので、「MX4D」までが正式タイトルに含まれているのかと思っていたが、本編を通常版で見たら、「完全版」までのタイトル表記しかなかったし、キネノートでの登録名もそこまでだった。テレビで2D放送されても「貞子3D」のタイトルのままだったアレとは違うのか…。まぁ、確かにMX4D向きの内容だよなとは思った。というか、元のテレビシリーズは見ていないけれど、この内容って、テレビで見ても迫力ないのでは?と思った。

それにしても、水島努監督といえば、「ガルパン」や「SHIROBAKO」などでアニオタがマンセーする系の監督だったはずなのに、ガラガラだったのは何故?
自分は通常版上映館で見たからガラガラだっただけで、MX4D上映館では混んでいたのかな?
でも、テレビシリーズ自体、そんなに話題になった記憶もないから、このタイトル自体、人気ないのかな?

 

ガルパン」の女子&戦車が、本作では女子&戦闘機になっただけなんだから、「ガルパンマンセー組が喜びそうなのに、そうならないのは何故?
ガルパン」とは異なりSF・ファンタジー系の要素が本作は強いから、リアルな戦闘シーンといったミリオタ的な満足感が得られないってこと?

あるいは、監督が安倍政権批判をしたから、ネトウヨの多いアニオタは彼を反日・在日扱いし、彼の作品を支持するのをやめたのか?
確かに、今回、この完全版と称した映画を見て、自分は自民党的な権力者を批判しているようにも感じ取ることができた。


もっとも、「ガルパン」って、ミリタリー描写のリアルさと、戦車道教育=軍事教育という思い込みから絶賛しているネトウヨよりの人たちも多いようだが、よく見ると、結構、反戦的メッセージも入っていたりするんだよな…。
安倍政権批判でネトウヨ思想の人たちが、水島作品に含まれていたメッセージに遅ればせながら気付いたってことなのかな?

 

それにしても、完全版とうたってはいるけれど、やっぱり、総集編アニメ映画にありがちな、唐突にシーンが変わるとか、説明不足とか、同じようなことを繰り返しているように見えるって構成であることには変わりなかったかな。でも、個々のキャラクターは結構、魅力的だと思ったけれどね。

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