自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

太陽の子

日本で作られた戦争ものの映画やドラマは、被害者の面を強調した作品か、日本軍の勇壮さや日本人の美徳を強調した愛国ものかという感じだが、本作は被害者の面と加害者の面をバランスよく描いていたと思う。
結局、被害者である一般市民が戦争を推し進めていたし、研究者や教師だって加担していた。しかも、何も悪気を感じずに無意識に加担していたというのがよく描かれていたと思う。
 
ただ、映画版と同時進行で作られていたせいか、このドラマ版は展開が唐突に感じる部分も多かった。おそらくは、映画版がベースにあるんだろうなという気はする。
そして、映画館の大音響で聞くことを前提としているからなのか、テレビで見ると、しかも冷房類を使用する夏場の室内で鑑賞すると、台詞が聞き取りにくいところが多いなとは感じた。それでストーリーの把握に時間がかかり、尚更、展開の唐突さを感じる要因にはなっていたかなとは思う。
 
それから、三浦春馬氏のあのシーンは彼の最期を考えると、放送の是非の議論が起こるのも当然だなとは思った。見ていて切なくなるし…。
それにしても、柳楽&かすみんの組み合わせだと、どうしても、WOWOWのCMを思い浮かべてしまうな…。
とりあえず、映画版の公開を待ちたいと思う。それを見てからかなきちんとした批評をするのは。

f:id:takaoharada:20200816092549j:plain