自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

幸せへのまわり道

久しぶりにハリウッド映画を見た。
最近、邦画は緊急事態宣言前後で公開延期になった作品、元々、この時期に公開予定だった作品問わず、次から次へと新作が公開されていて、“あんたら、見る人のこと考えていないでしょ?”“そんなに同時期に何本も公開されたって、映画ファンはフォローしきれないだろ!”“とりあえず、劇場公開作品という箔付けだけ手に入れて、最低限のリクープさえできればいいやくらいにしか思っていないだろ?”みたいな状況になっている。

一方で洋画は、ミニシアター系は邦画に近い状況になっているが、ハリウッド系はというと、めちゃくちゃ慎重になっているのが現状。
本国でまだ公開されていない作品は、本国の公開スケジュールに合わせて日本での公開も延期されたりするのは理解できるけれど、コロナの感染が深刻化する前に米国で公開された作品でもすぐに日本公開されない作品もあったりするからな…。

 

まぁ、本作は2019年度作品。つまり、世の中のほとんどの人がコロナの存在を知らなかった時期に米国では公開されたのに、今まで日本公開が見送られていた作品なので事情は違うとは思うが。単にヒットしないと思われていたんだろうな。

トム・ハンクス出演作品
●そのトム・ハンクスがアカデミー助演男優賞にノミネート
●ハリウッド・メジャーのソニー・ピクチャーズ作品
●感動の実話を映画化

需要のありそうな要素だらけなのに、アカデミー賞受賞式の時点では日本公開は未定だったし、結局、ソニーが配給権を捨てて、イオンの配給でひっそりと公開日が決まり、しかも、小規模公開になってしまうなんて、何故?って感じだったが、実際に見てみると、確かにこれはヒットしそうにない作品だよね…。

 

ポスターでも前面に押し出されているし、クレジット上でもトップなのに、何故、トム・ハンクス助演男優賞候補なの?と思ったけれど、作品を見れば確かに助演なんだよね。

トム・ハンクスが演じた子ども向け番組ホストの伝記映画ではなく、そのホストに取材した記者の話だからね。宣伝しにくいよね…。まぁ、元々、その子ども向け番組もホストも日本では無名ってのもあるとは思うが、トム・ハンクスが演じているのに日本公開が決まらないってのは、トム・ハンクスの出番は決して多くないから、元の番組やホストの知名度がない日本ではプロモーションできないって判断だったんだろうね。だから、ヒューマン・ドラマ系作品にありがちな個性のない邦題でひっそりと公開ってなったのかな。

 

まぁ、結構、感動的で良い映画だとは思ったけれどね。

 

所々、画面サイズがスタンダード(昔のテレビサイズ)になるのは、子ども向け番組をやつていたアナログ放送の時代に合わせた演出だったのかな?
移動シーンをミニチュアで表現するというのは若干、謎演出だったけれど。

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