自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

AIMYON TOUR 2020 “ミート・ミート”【さいたまスーパーアリーナ公演】

都内の新型コロナウイルスの感染状況を見ると、中止もしくは延期になって然るべきだと思っていた。実際、開催日(12日)に発表された都内の感染者数は過去最多だった。

でも中止・延期にならないというのは、2月下旬以降の自粛モードやその後の緊急事態宣言下で多くの公演が中止・延期になったのに国や自治体はロクな支援をしてくれなかったし、収入が大幅に減少したり失業した人も多い。だから、そんなの知ったことないってことなのか?本当、日本の芸能関係者って、海外と比べると社会意識がないよなと思う。米国や英国なんて、とてもではないが、コンサートなんて開催できる状況ではなく、アーティストの中には来年いっぱいまでコンサート開催は無理だと思っている人もいるくらいなのにね。

 

 まぁ、欧米ではシンガロングが当たり前だが、邦楽ではアーティストが“歌って”とふった時以外は観客は歌ってはいけないというのがマナーになっているから、日本ではコンサートの開催ができるという面はあるんだけれどね。

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それにしても、COCOAを登録しないと入場できないってなんなんだろうか?ほとんど意味のないアプリなのにね。COCOAで陽性者と接触したと通知されても保健所や医療機関は相手にしてくれないことが多いし、そもそも、陽性反応が出た人がバカ正直にCOCOAに自分は陽性だなんて登録するとは思えないしね。コロナ対策しているアピールするためにCOCOAを登録しろって言っているだけでは?もしくは、再び緊急事態宣言になった時に国から支援をしてもらえるように政権が推しているCOCOAに協力しているのだろうか?

 

でも、会場でグッズのTシャツに着替えている人もいるし、本気で感染対策するならそういうのも禁止しなくちゃダメでしょって思う。

 

ただ、規制退場の効果はあったと思う。さいたまスーパーアリーナで開催されたライブの帰りのさいたま新都心駅で大行列なしに改札を通れたのは初めてだしね。あと、アンコールなしというのも、精一杯のコロナ対策なんだとは思う。

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でも、違和感だらけのコロナ対策だったな。

 

違和感を抱いた話をする前に、その違和感を抱く理由とも関係する普段、自分がよく行くライブのジャンルについて話したいと思う。

自分がよく行くジャンルは、アイドル、アニソン、(今年はコロナで見られないが)洋楽が3本柱だ。

一般的な邦楽のライブはたまにしか見ない。なので、コロナに関係なく一般的な邦楽のライブを見ると違和感を抱くことが多い。

 

特に違和感を抱くのは以下の点だ。

アーティスト側に対しては

●数曲歌うと長々とMCをするが、それって、ライブの流れを途切れさせてないか?

 

観客側に対しては

●観客みんなで同じように手を振ったり、腕を前に突き出したりするの、新興宗教みたいで気持ち悪い

●演奏中、ずっと手拍子するっていう昭和の歌謡ショーみたいなこと、いまだにやっているのかよ…。ダサいな…。

 

なんていうのが、主な要素だ。

 

勿論、一般的な邦楽のライブしか見ないような層からすれば、アイドルやアニソンのライブのペンライトやコール、MIXなんてのは気持ち悪いものにしか見えないのかもしれないし、洋楽ライブのシンガロングに対してはアーティスト以外の歌唱を何で聞かなきゃいけないんだって感じているのだろうとは思う。でも、一般邦楽ライブ派でない自分からすると一般邦楽ライブって苦手かもしれない…。

 

そういう、かねてから抱いていた違和感を考慮した上で、今回のライブを総括すると、やっぱり、感染症予防対策をしているライブとは到底思えなかったな。

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SNSで回っていた画像で、座席に“Don't sit down”と書いてあるのを見て、ぶっちゃけ、あいみょんって中学1年生レベルの英語も分からないのか?頭悪いんだなと思った。

ところが、ライブに参戦してみたら、本当に“座ってはいけない”ライブだったので驚いた…。アイドルやアニソンのライブでは着席厳守と言い渡されていたのって何だったのだろうか?

 

しかも、あいみょんの登場と同時に歓声をあげるファンもいるし、あいみょん自体も観客に対して、(囁き声でというエクスキューズはしているが)声出しを求めている。

 

さらに、アイドルやアニソンのライブでは肩より上に腕をあげることが禁止されているのに、観客は、(自分が新興宗教団体みたいで気持ち悪いと思っている)みんなで手を振ったり、腕を前に突き出したりする仕草をしている。しかも、あいみょんは観客に対して“踊って!”と煽っている。汗だなんだと飛び散るのだがいいのか?

 

それから、着席・無発声のオタク系ライブでは基本、曲の頭と終わりや、アーティスト側がどこどこのパートで手を叩いてみたいにリクエストした箇所以外は拍手や手拍子をしないが、あいみょんのライブでは演奏中ほぼずっと、(自分が昭和みたいでダサいと思っている)手拍子をしている。それだけ、手拍子をしていたら汗だなんだと飛び散ると思うのだが。

 

あと、ライティングやスモークも普段のライブのようだったしね。

 

つまり、観客に対してCOCOAをダウンロードしろとか、入退場時に手指を消毒しろとか言っている割には、全然、感染症対策していないんだよね。

 

何か見ていて、運営側にもファンにも腹が立ってきて仕方なかった。

 

オタク系のライブでは厳重に禁止事項が言い渡されているのに、一般邦楽ではこんなにユルユルでいいのか?って思った。

それって、リア充は何をしても許されるが、オタクは汚物でウイルスを撒き散らすから動くなってこと?何か差別されているような気がしてムカムカしてしまった。

 

なので、いくら良い曲が演奏されていても、ずっとモヤモヤした状態で鑑賞することになってしまった。

 

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ところで、全くコロナには関係ないが、さいたまスーパーアリーナで見たライブで開演前にトイレに行列ができていなかったのって初めての経験だ…。それだけ、あいみょんファンには女性が多い=男子トイレが混んでいないってことなんだろうな…。

 

開演前といえば、場内で流れていた曲はカントリーばかりだった。まぁ、あいみょんの音楽って、カントリーがベースのものが多いと思うしね。というか、日本のシンガーソングライター系のアーティストってカントリー寄りの楽曲が多いと思う。aikoだってそうだし、西野カナもカントリーっぽい曲があるし、男性アーティストもカントリー寄りの音楽性の人が多いしね。

 

なのに、日本ではカントリーという音楽自体、人気がないんだから謎だよな…。

カントリーは米国の演歌みたいな決まり文句に洗脳されている(100%間違いとは言えないが)人が多いことと、テンガロンハット姿をしているアーティストが多いことからダサいと思う人が多いのが原因なのかな?

 

そういえば、緊急事態宣言解除後に見たライブでは今回が最も大規模なものだったが、もう少し大会場であることを意識して、もう少しモニターを活用した方がいいのではないかなという気もしたかな。

 

最後に一言。熱心なファンからはお前はファンじゃないと言われるかもしれないが、メジャーデビュー後のアルバムは全てフィジカルで持っているし、好きな曲も結構あるので、あいみょんやそのファンをdisるための記事ではないことだけは理解してもらいたい。まぁ、理解されないだろうが。

 

ちなみに一番好きな曲は「ハルノヒ」。下町民なので、北千住というワードで始まる曲は無視できないからね…。

ところで全く関係ないけれど、「さよならの今日に」のイントロのやけに洋楽オルタナっぽいテイストって、ウィーザーの「アイランド・イン・ザ・サン」が元ネタだよね?