自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

半径1メートルの君~上を向いて歩こう~

面白いか否かと聞かれたら面白いと答えるけれど、映画としての出来ということでいえば評価はできないかなとは思う。8エピソードとも面白かったとは思うし、芸人勢の演技も良かったけれどね。

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一応、全8エピソードには

①タイトル通り半径1メートルほどの距離感で2人の登場人物の心情の変化を描く 

②他の登場人物がちらっと出てくるエピソードもあるが、基本はメインの2人で話が進み、その2人のうちの1人を芸人が、もう1人を俳優が演じる

③サブタイトルにあるように上を向いて歩きたくなるような希望が持てる終わり方になっていて、嫌なヤツ・気持ち悪いヤツに思えるキャラクターもラストでは実はそうではないと思えるようになっている

④ワンシチュエーション(ワンロケーション)で撮影されている

⑤感動路線かギャグ路線かは作品によって異なるもののコントのようなオチがある

⑥尺は十数分程度

といった共通点はある。

 

しかし、全エピソードを通じて1年間の話を描くとか、あるエピソードのメインキャラが別のエピソードに脇役で登場するようなクロスオーバー構成にするとか、それぞれのエピソードをつなぐ狂言回しが出てきたり、各エピソードの登場人物が勢揃いするプロローグやエピローグをもうけるといったオムニバス映画でよく使われる演出もされていない。なので、映画を見たというカタルシスのようなものを得ることはできない。

 

この作品は劇場公開ではなく、深夜ドラマ(15分枠)もしくは配信ドラマとして世に出した方が評価されたのではないかなとは思う。ワンシチュエーション(ワンロケーション)のいかにも低予算の画は映画館向きではないからね。

 

本作をTOHOシネマズ日比谷で見たが、TCX対応のスクリーンで上映されていたことには驚いた。まぁ、さすがにTCX上映はされていなかったが…。それだけ、コロナの影響で大スクリーン向けの作品が不足しているってことなのかな。まぁ、本作はミニシアター公開ならありかなとは思うけれどね。

 

ちなみに、自分が本作を見ようと思ったきっかけは白石聖が出ているから。でも、個人的には本作のようなショートカットよりかはロングの方の白石聖が好きだな。どうでもいいことだけれどね。

そして、本作や昨年のドラマ「時をかけるバンド」では成人女子イメージなのに、4月放送予定の深夜ドラマ「ガールガンレディ」や6月公開予定の映画「胸が鳴るのは君のせい」では女子生徒役と若返っているのは謎だ…。何か、大人イメージがあるから、コスプレにしか見えないんだけれどな…。まぁ、売り出したいから、そういう役が回ってきているんだろうけれど、無理がある気がするな…。

そもそも、彼女が注目されるきっかけとなったNHKのよるドラ「だから私は推しました」のアイドル役の時点で19歳の役だったんだから、それから約2年経って、演じる役が若返るってのは無理があるよね。しかも、ショートにしたら余計、年上っぽく見えるようになったしね。

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