自腹批評

テレビ番組制作者が自腹で鑑賞したエンタメ作品を批評

野球少女

自分が初めて見た韓国映画は深夜にテレビの映画劇場で見た「外人球団」だった。だから、野球を題材にした韓国映画ということで本作にも興味を持った。

 

去年の緊急事態宣言下に配信で人気を集めた「梨泰院クラス」のイ・ジュヨンが主演しているからというのは鑑賞理由ではない。「梨泰院クラス」は1話も見たことがないし、そもそも、韓流ドラマ自体、きちんと見たことあるのは1作品しかないしね。

日本の連ドラだと10話程度で完結するけれど、韓ドラは週2回の放送だから総エピソード数は日本のものより多い。また、日本のものだと初回など一部の例外を除けば、基本、1時間枠のフォーマットに収まっているが、韓ドラは1時間枠に収まっていないものが多く、1エピソードあたりの尺数が映画に近いものもある。なので、どうしても見る気が起きないんだよね…。

 

それから、ボーイッシュとか中性的なイメージの女性というのもあまり得意分野ではないから、イ・ジュヨン主演というだけでは鑑賞理由にはならないしね。とはいえ、終盤にいけばいくほど、つまり、主人公が運をつかめばつかむほど、顔つきが女性っぽくなっていたような気はしたけれどね。そして思った。この作品の日本版を作るとしたら主演は平手友梨奈だろうなと。

 

というわけで、野球映画というジャンルに対する興味と、最近、ノリにのっている韓国映画の新作ということを理由に本作を鑑賞したが、やっぱり、野球映画って感動的な作品が多いよね。まぁ、そう思うのは、日本人、米国人、韓国人くらいかもしれないけれどね。

 

そして、本作は見ていて、全然、韓国映画を見ているという気分にはならなかった。元々、韓国映画に映る風景というのが日本と近いというのもあるが、野球が題材となると、本当、日本の映画やドラマで描かれているものと同じような思想になるから、サスペンス系とかアクション系の作品のようにぶっ飛んだ感じには全然なっていないんだよね。本当、聞こえる台詞が韓国語で、画面に映る文字がハングルということを無視すれば、ほとんど、日本映画を見ている気分だった。

 

先輩後輩の関係、男尊女卑、精神論、根性論等々、日本のスポ根ものでおなじみの描写ばかりだしね。スポーツ医学を無視したような非科学的な特訓なんかもそうだし、主人公の夢を否定する親の存在とかも日本作品でおなじみのものだしね。そして、最終的には反対していた人たちも主人公を応援するようになるって展開もそう。でも、ベタでいいんだよね、野球映画は。終盤は結構、ウルウル来たな。

 

最後に一言。個人的には、日本語教師で野球経験者のキム先生が可愛いなと思いました。コーチがほのかな恋愛感情を抱いているような描写も良かったです。

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